Webやチラシを観た時からとても期待できる芝居。
それは、劇場に入った瞬間に期待が確信になる。
そして、観終わって、「やられた」と感心しました。

すごい芝居でした。いや、とても学生演劇のレベルではありません。

前にも書きましたが、私は芝居には「展開」が不可欠と考えています。
スピード感あふれる展開の中、ふたつの絡み合う話の中で、見えてくる複雑な家庭の事情。その事情はどんどんと複雑になっていき、そして結末をむかえるのですが、場面場面で「そうくるか!」と思うシーンが満載で、全く飽きることがありません。

芝居を遊びながら、それでも話は進んでゆく。そんな絶妙な展開なんです。

そして、何より(これは、学生会館小ホールという小屋を知っている人しかわからないかもしれないのですが)驚いたのは、ホールの舞台に客席を作り、客席に舞台を作っていること。
だからこそ奥行きがある舞台が作れる。

なぜそんなことが必要かというと、いろいろと演出上の理由はあるのでしょうが、もし、私の推測が正しければ、広く動き回りたかったことと、前・後ろというシーン展開をやりたかったのだと思う。

実は私たちがそうでした。だから、学生時代、横に使ったり、あるいは前列3列ほど客席をはずしてその分舞台を拡げたりしたのですが、逆に使うというのはやりたかったのですが、その時の劇団のパワーと能力では無理でした。

それも含めて「やられた」という感が強く残りました。

この作品はぜひしばらく時間をおいて、もう一回見直して再演してほしい作品ですね。
そうするとまた違った楽しみ方ができますから。

mokichi4516の過ぎ去った青春の思い出-遭難する関係

毎回思いますが、ほんと後輩達に心から感謝です。
昨年「タウン」を観ることで、10数年ぶりに芝居を観ることを再開し、再び芝居の面白さを気付かせてくれた後輩達。西一風を紡いでくれている後輩達。そこからいろいろな劇団などで活動している後輩達。すべての後輩達が愛おしいです。