最初に言います。
このお芝居は「私の思い入れ」がかなり激しいので、とても過剰な感想になっております。

5月に遊劇体が満開座の芝居をやると知ってからずーっと楽しみにしていました。
立命出身の劇団で80年代から90年代初頭に関西演劇界に一時代を築いた満開座の芝居を、その弟分ともいえる立命の伝説の劇団「鵺」出身で、一時期満開座にもいたキタモトさんの遊劇体がやるということだけで、私は震えが来てしまいました。鵺を流れを一部組むのが西一風であるわけだから、私の思い入れの激しさはご理解頂けるかと思います。

まず、驚いたのは、この芝居を全く原本のままやったことです。当然18年前の本なので、出てくるセリフに時代が現れているのですが、キタモトさんはそれをそのままやっていました。
ところが、全く古さを感じませんでした。でもそれは、私の世代の作品だからかな。

とにかくこの芝居、テンションが高いんです。満開座の芝居はすべてそうなんですが、決して激しい動きが続くわけではないのですが、役のテンションが高い。
役者さんはとても大変だったと思います。遊劇体の皆さんはほんとよく演じてらっしゃったと思います。

そして、この芝居はドラマが骨太でしっかりしているんです。
でも、70年代のアングラ演劇のような粘着質なところがない。しっかりエンターテイメントしているし、からっとしているのは、仁王門さんの作品独自のもの。
力強くて、おもしろくて、どことなく物悲しい。そして、全編を貫く「人はなぜ争うのか」というテーマ。それは決して表に出て主張してこないテーマ。

舞台はいたってシンプル。セットが何もありません。
ここはキタモトさんらしいな~と思いました。

主役である米子を演じた大熊ねこさん、素晴らしかった。
この役は名女優清瀬順子さんが演じた役ですが、大熊さんのキャラクターにちゃんとなっていました。

実は86年から91年にかけてのこのころ、ほとんどの満開座の公演を観ていた私ですが、なぜかこの92年の最後の公演を観ていません。
なぜだか理由を全く思いだせないのですが、丁度このころ、私自身が芝居の世界にも戻ることを諦めた時期ですので、それと関係があるのかもしれません。

さて、芝居の後半、なぜだか泣けてしまってしかたがありませんでした。泣かせる部分でないのになぜか涙が止まりません。いろいろな思いが交錯してしまったのかもしれません。

帰ろうとホールを出るとなんとそこに仁王門さんがいらしゃいまして、久しぶりにごあいさつさせていただきました。
仁王門さんにお会いして舞い上がってしまい、肝心のキタモトさんにご挨拶せず帰ってしまいました。
キタモトさんすいませんでした。

mokichi4516の過ぎ去った青春の思い出-遊劇体受付

こちらが受付

mokichi4516の過ぎ去った青春の思い出-アイホール
アイホールも久しぶりでした。ファントマ観た以来だから14年ぶりかな?
天井高くてよい小屋ですね。

余談ですが、今NHKの朝の連ドラに出ている趙珉和さんは趙方豪さんの甥っ子さんだそうです。
趙方豪さんの舞台はもう絶対に観れないんですよね。
本当に伝説になってしまった。