今日は、私が携わった仕事の話をします。
今年春ごろから8月まで実に4ヶ月かけてこの写真集をつくりました。
正直、苦労しました。
写真家中村ハルコさんは、ご存知の方も多いかと思います。
3年前に愛する3人のお子さんを残して亡くなりました。
彼女の没後、発刊された本格的な写真集です。
作家が亡くなっていることで、その作品の捉え方をめぐっていろいろと意見が錯綜しました。
何度もやり直しをし、正直、会社には睨まれました。
確かに採算は全く取れませんでした。むしろ赤字を出しました。
この写真集を制作したことに関しての評価はおそらく3年後、いや、それ以降にされると思います。
何より、彼女が残した3人のお子さんのためにも、ご家族のためにもしっかりしたものを残す一助になりたいと思いました。
この写真集の後半を構成しているのは「海からの贈り物」。
彼女が妊娠し、出産し、そして子供が成長してゆく様を自分自身で撮影しています。
彼女は、生まれたばかりの子供にカメラを向けているとき、自分自身の死を果たして予想していただろうか。
もしかしたら、予想していたのかもしれない。
そういうことに想いをめぐらしながら、作業をしていました。
画像処理をしたDTPのメンバー、印刷したオペレーターの諸君も何かを感じてくれたようです。
本当に今までにないくらいのすばらしい上がりになったのではないかと思います。
そして、誰よりもこの写真を企画・編集したTさん、Sさん、PDのHさんは私の何倍も何十倍も想いが強かったのだろうと思います。
まあ、私は最後の製版と印刷を担当しただけですから、何かを語るほどの仕事はしていないのですが・・
もし、ご興味がおありの方は、こちらの フォルマーレ・ラ・ルーチェのサイトで購入することができます。
また、11月7日から個展 も始まりますので、よろしかったら、お訪ねください。
フォルマーレ・ラ・ルーチェ様のサイト
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