同じ会社の同僚であるデザイナーの奥様がなくなった。

クモ膜下出血で、全く予期せぬ死だった。


奥様は私と同じ43歳、朝、大きないびきをかいているので起こそうとしたら、起きず、そのまま逝ってしまったとのこと。

前日まで全く予兆のようなものはなく、医師いわく「現在の医学ではクモ膜下出血は交通事故のようなものです。」とのこと。


喪主であるご主人は「なにより苦しまず逝けたのは不幸中に幸いです。彼女は決して哀しんでいないと思う。だから皆さんも笑って送ってやってください。それから、彼女もそうでしたが、人はいつ死ぬかなんてわかりません。でも必ず死にます。ですから、いつ逝って良いように日々を悔いなくお過ごしください。」と挨拶した。


「笑って送ってくれ」って言われて皆泣き出しちゃった。そりゃ無理だよね。でも一番つらいのは彼なんだ・・・


「悔いなく生きる」・・・なかなかできないなあ・・


出棺のとき、彼が白いまるいものをひとつひとつお棺に入れていた。

「これね。愛猫の毛なの。あいつがさあ、毛づくろいしてとれた毛をこうやって全部残してたんだ。冗談でさ、『お前が死んだ時にお棺に入れてやるよ』って言ってたんだけど、ほんとになっちゃった。」


式場には彼女が好きだった「くるり」がかかっていたっけ・・・