金木犀は、
それからさらに5年の月日が流れました。
くんくんくんくん、
私にとって青春の花であります。
上京して学生時代を過ごした私にとって、
北海道にはない金木犀という花の香りは
とてつもなく芳醇で
これまでに経験したことなく
他のどんな香りにも代え難い、
はじめて金木犀の香りをかいだ一瞬にして、金木犀は私にとって特別な存在となったのです\(^o^)/
友達に聞いてその香りの正体が金木犀という木の花であるという事を知ったとき、
トイレの香りだと皆は笑っていたけれど、
それから四年間
金木犀の花が咲きだすと、
全然知らない民家の庭先から漂ってくる
金木犀の香りを、
くんくんくんくん
鼻の奥底の嗅覚粘膜細胞が
乾燥してひび割れてしまうのではないかと思うくらいに、
くんくんくんくん
くんくんくんくん
飽きることなく
その木の花を楽しんだのでした。
それから15年 時が流れて、、、、
北海道ではもう楽しむ事のできない
金木犀の香りを、
ある日想い出してしまったのです。
たとえるなら
昔お付き合いしていた女性を
想い出の中でもう一度愛でるように。
もう一度、
あなたの匂いを嗅ぎ尽くしたい、、、。
そう思い起こしてしまったら、
もう後には戻れませぬ。
胸の高鳴りを鎮める事はできませぬ。
それで思ったのです。
鉢植えならば、
冬でも枯らさずに家の中で育てられるのではないかと(^o^)❗️
早速ネットで検索注文をし
高さ30センチばかりの金木犀の苗木が
私の手に入ったのです。
苗木のそれよりは大きめの植木鉢を用意して
枯らさずに大切に2年程育てたある日、
待ちに待って待って待った金木犀の花が
なんと咲いてくれたのです\(^o^)/
くんくんくんくん、
懐かしい君を愛でるように
私は一心不乱に嗅ぎまわりました。
くんくんくんくん、、、、。
ところがです。
全然金木犀の香りがしない、、、。
金木犀ってこんな匂いだっけと思いながら
時が経つといふのは、
人の記憶というものさえ
忘却の彼方にあやふやにするものかと
悲しくなりながらも、
くんくんくんくん
あの青春の香りは全くしない、、。
ネットの購入履歴を調べみたのです。
するとそこには
金木犀ではなしに
なんとなんとなんたることか
沈丁花という名前が(-_-)zzz
何かを間違え
勘違いをして、
私は沈丁花を
買ってしまっていたのです(-_-)zzz
我ながらありえませぬ、、、、(-_-)zzz
それからさらに5年の月日が流れました。
この5月に東北を旅行したのですが、
帰りの仙台空港のお土産物屋さんで
練り香水なるものを見かけました。
いろいろな種類の香りがあって、
なんとその中に金木犀の香りもあったのです。
迷わず二つばかり買いました。
そうこうしているうちに
金木犀の練り香水を買ったのも忘れ、
昨日ふと思い出したのです。
ああ、金木犀の練り香水!
くんくんくんくん、
あれれ、
金木犀の匂いってこんなんだっけ❓❓
そうなのです。
金木犀を買ったつもりで
また沈丁花を無意識に選らんでしまっている、、。
いったいどうしたものかと
自分のバカさ加減に
笑ってしまいました\(^o^)/
嗚呼、金木犀は遠し⭐️