《洋もの》の古典的なモンスターというと、だいたい相場は決まっていて、ドラキュラ、フランケンシュタイン(の怪物)、狼男、ミイラ男、半魚人〔ギルマン〕・・・ といったところがまあ《定番》でしょうか。
で、今回はこうした定番キャラのひとつ、半魚人です。
別名?の「ギルマン」というのは「エラ人間」とでも言うのでしょうか、愛称?ですかね。
正式名称?は「ブラック・ラグーンから来た(謎の)生き物」(Creature from the Black Lagoon)とでも言うのでしょうか。
まずはビリケン商会製のソフビキットから。
このキット、もう四十年ほども前に製作したもので、最初は塗装のしかたも全く分からず、アクリル塗料で塗装。しばらくするとソフビ素材と塗料が反応して、表面がベトベトになり、一度ぜんぶ塗料を落として、「塗り直し」しました。
そんな失敗も、いまは懐かしい思い出になりました。
つづいては、ホライゾン社のソフビキットです。
ビリケン商会とホライゾン社のキット、(静と動… と、ポーズとしては正反対な造型ですが)どちらも素晴らしい、傑作と呼べる逸品ではないかと思います。
自分が製作したのは、この二つのみです。
半魚人のキット自体、少なくともソフビキットは、さほど数は多くないようです。
(自分が知っているのは、あとはジオメトリック・ディザイン社の 1/8 スケールのソフビキットだけでしょうか。そうそう、ツクダボビー製のデカい1/5?ソフビキットもありましたね。)
いずれ自分にとっては、さほど惹かれるキャラでもなかったようで、製作したキットは、あとはこれだけ。
トニー・マクベイ原型製作のレジン製キットです。
これは半魚人というより、(マクベイの他の造型同様に)もはやかれ自身のオリジナルな作品と言えそうです。
さて、蛇足なのですが…。
上でビリケン商会製とホライゾン社製、二つのソフビキットをご紹介しましたが、その造型の、いわば対極的な<静と動>というポージングは、なにやら興味深い気がします。
つぎは「ダースベイダー」のソフビキット。
海洋堂製と米国スクリーミング社製ですが、これら二者もみごとに<静と動>という対極的なポージングになっています。
思うに、これはたんに造型者の好みがたまたま違った… というだけでなく、日米のガレージキットの「基本的な方向性」の違い?を反映している気がします。
日本のガレージキットはマンガやアニメのキャラなど、そもそもは二次元的な対象を造型化したものが主流で、しかも、硬化したポリパテの塊から削り出すような造形の方法をとっていたようです。どうしてもポージングは静的なものになりがちですね。
それにたいして米国のガレージキットは、映画のキャラクターなど、そもそもが三次元的な対象を造形するものがほとんどで、マッチョでパワフルなもの(あるいは、おどろおどろしいもの)を賛美する?国民性のせいか、ポージングもダイナミックで、誇張をふくんだ、動的なものになるようです。
さらに造形の方法も、粘土をこねてつくるために、三次元的な造形がフルに活かせるポーズになる… のではないかと。
それに対して日本人は、むしろ「静謐さ」というか、静かな佇まいを尊びますね。
こんな話、《こじつけ》めいているかも…。
ただ米国製のガレキをあれこれと見た目から言うと、そんな気がするのです。