※2016年1月23日当時の記事です。





「結婚する前からあんなに長く付き合っていて、どうして分からなかったんだろう」


これは、夫の不可解な言動に対して私と私の母がお互いに抱いた疑問です。





人間誰しも欠点があります。
私は夫の頼りなさや常識のなさも、そんな欠点の一つだろうという程度に思っていました。

娘が育ち、娘が一般の子と違うかもしれないと疑問に思うまで、私には発達障害についての知識が何もありませんでした。

まさか交際している相手が発達障害かもしれないなんて分かるはずもありませんし、夫の頼りなさや常識のなさの原因が発達障害によるものとは思うはずもありませんでした。





夫とは学生の頃に友人の紹介で知り合い、
(紹介してくれた友人の話もいつか書きたいと思います。)
結婚までの付き合いも長い期間ありました。





そんなに長く一緒に過ごしていても、夫が普通の人とは違うと私が気付いたのは、娘の発達障害が発覚したことがきっかけでした。
夫と出会ってから実に15年後の事です。
(夫が前の職をクビになった当時でも、「夫は発達障害をもっている傾向が若干ある」という程度に思っていました。
今の私は、夫がもつ発達障害の傾向は受診すればすぐに診断が出されるレベルだと思っています)





夫は、交際している時は真面目な好青年という印象でした。
酒もタバコもギャンブルもせず、趣味はゲームだけでした。



しかし、実際は違うようです。


私がギャンブルをする人は嫌だと公言していたためか、夫は競馬やパチンコなどのギャンブルを隠れてやっている疑いがあります。

夫がギャンブルをしている疑惑が発生したのは、お小遣いを手にしたばかりで数日で使い切ったり、前の月に早々にお小遣いを使い切ったと思えば翌月には月々のお小遣いよりも多く所持金を持っていたり、洗濯しようとした夫の服のポケットから馬券や宝クジが出てきたり、吸わないはずのタバコの臭いが夫の服に染み付いて帰宅するからです。

夫のポケットから馬券や宝クジが出てきたことを報告すると、真偽は不明ですが夫は必ず、


夫「同僚にもらった」


と言います。
ハズレの馬券や宝クジを他人にあげるのはおかしいし、まだ結果が出ていなくても、当たれば高額になる可能性のある馬券や宝クジを同僚にプレゼントするのは不自然だと私は思います。





若い頃の夫は、世間知らずなおぼっちゃん育ちという印象でした。
夫の実家は、夫父は海外赴任経験のある某大手企業勤務、夫母はある教室の先生をしていました。
夫兄は地元でトップクラスの大学の院生で、夫も地元で上位クラスの大学に通っていました。

私は母子家庭育ちだったので、夫の実家のような家族皆が安定した生活をしていることへの憧れがありました。
私の母も結婚できるなら条件の良さそうな相手だと期待していたそうです。

しかし、大学院卒業後の夫兄はニートになり、夫は大学卒業後は学歴と関係なければ適性もない飲食店へと就職し、十数年後クビになりました。
夫と結婚した後の私は、母子家庭時代の母の収入よりも貧しい生活をしております。
私が母子家庭で育ったことが皮肉にも、私の生活能力と現在の貧しい暮らしに役立っています。





夫は食事の時も正座をしたり、靴も揃えて置くなどの礼儀作法もきちんとしていました。
(しかし、それは夫が外出先で取り繕っていた見せ掛けだけの姿でした。)

夫の実家を訪れた時も、自宅ではリラックスした過ごし方になっている程度で特に疑問を抱く事はありませんでした。

当時は、夫母が自宅で開いていた教室に生徒さんが通ってきていたので、お客の出入りする部屋は数多くの調度品で見栄え良くしてありました。

初めて夫の実家を訪れた時も、夫から


夫「うちは物が多い家」


としか聞いていませんでした。
夫の実家には夫の祖父母も同居していたので、物が多いのは単純に一緒に住んでいる家族が多いからだと思っていました。


出していただいたコップや食器を私が片付けようとした時も、夫は私を制止して夫が片付けていました。
恐らくキッチンが他人には見せられない状況だったのだろうと思われます。

結婚した後、初めて夫の実家のキッチンへ食器を片付けに足を踏み入れた時、私は「天空の城ラピュタ」でシータがタイガーモス号のキッチンに入った時の心境になりました。

シータと私が違ったのは、


私『これ、下手に手伝ったら後悔するヤツだ…』


とその場で思ったことでした。
流しやカウンターがゴチャゴチャ物で埋まっていて片付けた食器を洗うどころか置くスペースすらなかったからです。
私は夫母に食器を手渡しして難を逃れました。





夫が飲食店に就職して3年が過ぎ、夫は飲食業界の勉強会に参加したり、地元の情報誌に夫が勤務していた店が取材された時には夫の名前と写真が掲載されていました。




夫は風邪で具合が悪い時も


夫「俺が休むと店が成り立たない」


と言って出勤していました。


雑誌に紹介されるほどだし、私は夫が立派なキャリアを積んでそれなりの立場にいると信じてしまいました。
(まさか、夫が担当していた料理の紹介とはいえ、仕事ができない人物を雑誌に載せていたなんて私には想像すらできませんでした…)


私『この人となら安心して結婚が出来る。』


私はそう思うようになり、将来や結婚について自分の考えを夫に伝えると、夫は


夫「じゃあ結婚しようか」


と言いました。
この他に夫から将来についてのアプローチやプロポーズは一切ありませんでした。
この時点で、夫との交際期間は6年ありました。




その後、結婚を機に私は当時勤めていた職場を辞める事に決めました。
夫にも


私『すぐには会社を辞められないから、半年以上先の繁忙期が終わった後で退職するよう会社側に伝える』


と説明していました。
そして結婚の準備に入るのですが、ここから話が一向に進まない…。


式は挙げるのか?
家はどうするのか?


資料を集めて見せたり、一緒に家などを見て回っても夫は自分の意見を言わず態度もはっきりしません。


私一人で勝手に決める訳にもいかないので、ずるずると時間ばかりが過ぎていきました。
私も退職する日を迎え、収入が無くては生活に困るので結婚準備をしつつバイトもしました。





煮え切らない状況が続き、私の母も心配し始めていました。
私も


私『この人と結婚するのはやめた方がいいのでは…』


と思うようになりました。
今にして思えば、この時点でやめておけば良かったと後悔することもあります。
(現在では、この時が夫と別れるチャンスだったのに…と本当に後悔しています)



私『結婚する気があるのか!』


と強く意見を伝えると、ようやく夫は動き出しました。なんと驚いた事に、夫はそれまで自分の両親にさえ、結婚するという報告をしていなかったのです。

やっと夫と私の両親、それぞれに結婚報告と挨拶が出来ました。
私が今でも夫を許せないのは、大事な結婚報告の挨拶の場で夫が虚勢を張ったことです。

私の母が


母「将来、店を独立して自分のお店を出す気はあるの?その準備はしてるの?」


と質問すると、夫は


夫「ええ、まぁもちろんです」


と答えました。
実際には、夫は何も準備をしていなかったし、その後も店を出すために必要な活動をしませんでした。
夫が調理師の資格すら持っていなかったと私が知るのは夫が飲食店をクビになった後でした。





結婚を決めて私が会社を辞めるまでの期間が8ヶ月。
バイトをしていた期間が約1年半です。
私は何のために仕事を辞めたのか…





よく、


「交際し始めたとたんに態度が変わった」


とか


「結婚したら急にだらしなくなった」


なんて話はありますが、夫と一緒の生活が始まった事で、私もその状況に追い込まれるのでした。






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