
『あっ、あった!!』
動物病院の看板を見つけ、気を急きながら車を止めた
飼い主の女性と病院内に飛び込む
『すみませーんっっ!!』
思わず勢い良くドアを開けて駆け込むと、院内にいた何人かの
犬の患畜と飼い主さん達が驚き、ちょっとした騒ぎになってしまった
丁度診察室に入ろうとしていた患畜さんに順を譲ってもらう形になり、Cちゃんを抱いた飼い主の女性が診察室に入るのを見届けた
ー 俺が出来るのはここまでだな....
後ろ髪が引かれる思いだったけど、院内の方々に一礼をし、病院を後にした
会社に戻る車中、泣きながらぽつぽつと語った飼い主の女性の言葉を思い出す
ー 散歩に出ようとした時に、Cちゃんが逃げてしまった事
ー 友人とCちゃんを探して探して、道の反対側に居る自分を見つけてCちゃんが飛び出してしまった事...
ずっとCちゃんに謝り続け、診察室に消えて行った姿が頭から離れない
何とも重い気分で会社に戻った俺を見て、皆に驚かれる
いつの間にか手が血塗れだった
流しで手を洗いながら、車内の血痕を洗い流しながら
その都度いろいろ聞かれたけど、事実を話す気にはなれなかった
ただただ体中にのしかかる重いものを感じていた
仕事が終わったら病院に寄ってみよう
助かってほしい...奇跡が起きればいい
そう願わずにいられなかった