アルゼンチンタンゴ訳詩家のMokaです。

 

2024年、元気に最初のブログを書けることを幸せに思います。

お正月元旦から地震の被害にあわれ、多くの方が亡くなられ、今も余震に怯えながら過ごされてる方々・・・

お悔やみを申し上げるとともに、必要な支援が一日も早く届くことを祈っております。

 

2024年の訳詩一曲目は、私が好きなアルゼンチンタンゴの名曲「Uno」です。

これほど希望と絶望、そして絶望の中にも希望を感じるタンゴの歌は他にはないのでは?

全てが終わったと思えても、実はまだ終わりではない、道はあるかもしれないと願わずにはいられない歌です。

 

人は - Uno -

 

作曲 Mariano Mores、作詞 Enrique Santos Discépolo

訳詩:Moka


人は 希望に満ちて探す

夢が約束した

待ち焦がれる道を

 

戦いはいつも残酷で

無茶苦茶 血が枯れるまで

信念に憑りつかれ

 

人は イバラを這って進む

愛するという使命のため

ぼろぼろになってやっと気付く

心まで失ったことに

 

甘んじた苦しみの代償は

嘘つきな唇への

叶わぬ口づけ

 

愛し 泣き もう抜け殻だ!

なんたる裏切り!

 

 

もし僕に心があれば

(あげちまった心!)

もしあの日のように

ふいに恋に落ちたなら

 

その瞳がわめき散らす

僕への甘い言葉

この唇で黙らせよう

 

忘れよう 過ぎ去った日の

悪女の眼差し

僕を破滅させた瞳なんて

 

もし僕に心があれば

(失くしちまった心・・・!)

粉々に砕かれた昨日を

忘れて 君を愛せたら

 

君の幻を胸に

泣くんだ「愛して」と

 

ところが神が 君を連れてきた!

分からないのか?遅すぎると

もう愛せないんだ

 

泣かせてくれ

苦悩に耐え忍ぶ者らしく

引き裂かれてなお 己の死を嘆く

 

聖女の君には救えただろうに

僕の希望を その愛で

人は たった一人りで苦しみ

人は 欲望で何も見えず

 

ただ無関心は

憎しみより冷酷さ

魂が朽ちる場所

愛の屍ここに眠る

 

永遠の呪いに奪われた

すべての希望・・・!

 

粉々に砕かれた昨日を

忘れて 君を愛せたら

君の幻を胸に

泣くんだ「愛して」と

 

原曲はこちらから:Uno (youtube.com)