はい、『世にも奇妙な物語’13 秋の特別編』が今年もやってきました!
春の特別編の際、この番組の為に録画機を購入(19,200円)しましたが、意外と活躍しています。
 正直今回も録画して後で観ようかなーと思ってしまいましたが、絶対に面倒になってしまうので、リアルタイムで観ます! これだけは!
 ではいってみましょう。

『0.03フレームの女』
 映像処理の仕事を行う美和はある日、一瞬だけ映る女の映像をみつける。映るのはわずか0.03秒。疑問に思いつつも上司に提出するが、チェックした上司は気付かない。
 結局他の修正と一緒にその女も消すことにしたが、PCのフリーズにより作業が止まってしまう。その後上司が電車に飛び込み自殺したと連絡が入り、ドラマの主演女優も自殺。一緒に映像をみた後輩も電話中突如倒れて死亡してしまう。女が映ったテープを探し回っていると女のことは知らないはずの同僚が「あの女、なんて叫んでいたの?」と美和に聞いた直後目の前で窓から飛び降り自殺する。主演女優の追悼番組として放送されるのを知り、何とか食い止めようとテープを持ち去ったが、回収に協力した後輩、テープを取り返しにきた職員がもみ合いの末死んでしまう。
作業場に駆け込み削除しようするが女は消えない。「消えてよ!」と叫んだ瞬間、作業場全てのモニターに女の顔が映り……。 
 何て叫んだのかよく分からなかったのですが、多分男の名前だと思います。展開が速すぎてついていけませんでした。

『水を預かる』 
 売れない劇作家のユノモトは一人ブツブツと言いながら構想を練っているが、全く筆が進まない。そんな中、自称隣人だという美女に「水を預かってほしい」と言われ2リットルの水1ダースを押しつけられる。「隣人なんだし」と自分を納得させるが、何時まで、何故なのか不明。原稿も水が気になり手に付かず、水と箱をいじっていると箱に「スイス」と謎の落書きがあり、全てのボトルに1度開けた形跡があることに気付く。思いきって開けてみるが匂いはしない。口に含むが味もしない。明らかに水。(主人公の脳内で)水を片手にセクシーポーズをとる美女を信じて水だと思うが、疑問は尽きず、原稿は進まない。
 その後、彼女は体操着姿のコロボックル2匹と共に水を引き取りに来て、帰り際にこう言う。「最近雨、降らなくなりましたね」と。我に返って部屋を飛び出したユノモトの前に広がるのは、砂に沈んだ世界だった……。
 うん、シュール。何処に向かうのかと思いきや世界滅亡オチだし。ちょっと独白が早口過ぎて聞き取りにくかったです。

『人間電子レンジ』 
 勤続30年万年平社員のサラリーマン久米はある日帰宅すると、リビングに巨大電子レンジがあった。娘がボーナスで購入したというそれは人間電子レンジ。中に押し込まれチンされると昨日までが嘘のようにイキイキと働き出し、「会社を抱ける」とまで豪語して働き出す。その後も定期的にチンすることで営業成績もグングン上昇。家族サービスまでこなし、レンジ無しではやっていけない生活になってしまった。
 最初は喜んだ家族だったが、途中から心配になってくる。無理しないで今までのあなたで良いと妻に言われ手を取り合う両親を娘は「良い雰囲気」と言って二人をレンジに押し込み……。
 この話は、チンしても肉体は変わらないはずなのに出産出来た妻の肉体が一番すごいと思う。

『仮婚』
 友人が皆結婚・婚約してしまい焦る成美はバーにて、仮婚相談員という男に声をかけられる。それは2日間限定の結婚で、希望にあった仮旦那を用意するという。プランは年収によって異なり、エコノミー、ビジネス、ファーストの三段階。
 まずはエコノミークラス。指示されたアパートには仮旦那の雄一がおり、優しくて家庭的なのだがフリーターで主夫状態。
 ビジネスクラスの相手は銀行員。自分の作った食事を喜んでくれたが、休みも「これも仕事」と言ってゴルフに行ってしまう相手に幻滅。ファーストクラスの相手は執事までいるセレブ。仕事も家事もせず遊んでいられるが、母親を「ママ」と呼ぶ姿に幻滅。最初のフリーターともう一度会いたいというが、もう仮旦那を引退したという。もう一度会いたいと連絡をし、デートした公園で雄一と他人として会う。
 うん、ただのハートフルなオチじゃない所が良かった。騙しているみたいだけど、お互い満足しているなら良いんじゃないかと。

『ある日、爆弾がおちてきて』
 浪人生の聡は模試の結果が最悪で予備校の屋上で講義をサボっていると、空から女子高生が落ちてくる。高校の同級生・はるかにそっくりな彼女、パルカは自身を人間ではなく爆弾だと言う。証拠だと胸元には時計が埋め込まれており、彼女がドキドキすると時計は早く進み、針が12時を指した時爆発するという。早くドキドキするためにデートに行きましょう! と聡の手を引いて彼女は街へくり出す。
 はしゃぎ回る彼女に付き合ううちに、心臓が弱く学校も休みがちだったはるかとは違うことを理解する。そんな中、関東全域くらいはキレイになる威力がある。一人で爆発するのはときめきが足りないから周りも巻き込むと言うパルカに、死にたければ一人で死ねと聡は言ってしまう。泣いて走り去った彼女を追いかけると、はるかのお気に入りの場所だった高台に行き着く。そこではるかと同じく「この街に爆弾が落ちたらキレイに全部吹き飛ぶよ」と言った後、「二人でキレイにふき飛ばしちゃおうよ」と誘いかけ、ドキドキのクライマックスだというキスをせがむ……。
 うん、あるよねこういう話。死の間際の人の意識だけが最期の望みを叶えようとする話。ベッタベタだなーと思うけど、主人公が前向きになってトリとしては無難。

 今回は皆原作付きでしたねー。世界滅亡、幽霊とホラー寄りでしたが、『仮婚』の主夫ネタは個人的にウケました。ちょっと前に若い女性は主婦希望が多いって調査結果だした後にこのネタかと。やはり皆主婦(夫)が良いのか(笑)。

 一週間遅くなりましたが、『世にも奇妙な物語‘13 春の特別編』の感想。もう奇跡は起きず、放送日に予定が入るという不幸に見舞われ遂に録画機を購入しました。19200円也。……後悔は、していません。

 でもまあ、あまり今後の活躍は期待出来ないかも。毎回楽しみにしているこれですら、録画しちゃうと観るのが億劫になって一週間も遅くなっているし。でも後悔はしていない(笑)。



『呪web

 嫌味ったらしい上司にいびられ、彼氏とはすれ違い気味のミサキ。そんなある日、嫌な奴を呪ってくれるという呪webを見つける。代金に応じて呪いのレベルは五段階。クレカで前払い、名前を打ち込めば呪われた動画が届くという。上司の名前をイタズラ気分で打ち込むとプチ呪い(百円。シャツにうどんの染みをつけられる)が成就。でも気持ちは収まらず、一万円分の呪いをかける。結果、心筋梗塞で倒れたとの話を聞き、罪悪感に苛まれたミサキは指名手配犯に呪いをかけることで帳消しにしようとするが、その証拠動画には彼氏と同僚の恭子が映っていて……。

 前回の『心霊アプリ』といい、やっぱりこういうネット関連はかかせないのですね。そして何故か必ず最後は自分も呪われる……。ベタだけどクレカ払いというビジネスライク感は『地獄少女』の大人版という感じかと。



『石油が出た』

 石油が激減し、燃料が無く停電も日常茶飯事。戦後最悪の不況の中、絶賛就活中の主人公の尿から石油成分が検出される。国立人体科学研究所に連行されそうになるところを逃亡、行き倒れていたところを過疎に悩む村の村長に助けられる。

燃料が無く困っていると聞き、主人公は助けてくれた礼に自分の尿を石油代わりに渡すと、エネルギー課課長という仕事を与えられる。仕事をひたすら水分を取り、石油(尿)を出すこと。一日のノルマは1000ℓ。楽では無いし、村長にはノルマ増を求められるが、村人の期待に応える為主人公はがんばろうと決めるが……。

 ……上品なネタかはさておき。ヒロイン、「おしっこで世界を救って」とか言い出すし。

 でもあのラストは『世にも~』らしくてよかった。あの後味の微妙さが。



AIRドクター』

 フライト中に体調不良者発生、医者のフリした医大生は「医師として当然のことをしたまでです」という一言が言いたいが為に猛勉強をしたが医師免許試験不合格。両親、恋人に借りた金を自らの保険金で払うべく死に場所を探して旅行中だったが、医者として感謝されたいが為に名乗り出てしまった。だが患者の状態は悪化、緊急手術が必要な状態になり思わず「麻酔医と看護師が必要」と口走ってしまうと看護師(本当はコスプレナース)、

麻酔医(ただの編集者増井さん)が出てきてしまう。器械が無いので成田に戻りましょうと言うと、「ハワイに行け」と言うナイフ片手に脅すハイジャック犯(ただの会社員。有給を無駄にしたくないから行きたい)、人質にされた客室教務員(過激派テロリスト。仲間がもう1人いる)、機長(ただの客室教務員。本物と副機長はハーブティーを差し入れたら眠ってしまった)、エアギター日本一(と、勘違いされた医者。トラウマでメスが持てない)、奥さん(と、勘違いされた患者の隣に座っていた女性)、時計(に、勝手に勘違いされた温室計。機内は快適らしい)。皆がちょっとずつ嘘ついたり勘違いされながら、緊急手術は始まる……!

 うん、この空気大好き。緊迫感がありそうでない感じが。「ニセモノじゃないよ」と語る、あの子どもの曇りない瞳はまぶしかったです。



『不死身の夫』

 長年の夫婦生活で夫に生理的な嫌気がさいた三恵は、ある日夫を殺してしまう。その後友人達と食事に出かけ、帰ってきたら死んだ夫を発見、という風を装うつもりだったが家に帰ると夫は何事も無く生きていた。やり損ねたのかと思い、絞め殺し死体を山中に埋めるが復活。睡眠中に刺殺、死体を燃やすが不死鳥のごとく復活。復活の理由は再生保険。再生保険とは、万が一死んだら死体と細胞の一部から作り出したクローン体と交換する、富裕層向けの保険らしい。夫の自分に対する愛に感動し涙するが、自身の浮気がばれてしまい、怒り狂った夫に絞め殺されてしまう。愛する妻を殺してしまったショックに夫は……。

 ……妻の方が一枚上手ってことですね。良くも悪くも。



『階段の花子さん』

 夏休みの小学校。主人公が一人で日直をしていると教育実習生に来ていた小谷という女子大生が忘れ物を取りにやってくる。鍵がかかっていたはずの校門から来た彼女をいぶかしがり、校内を見回りながら『階段の花子さん』という話をする。音楽室から飛び降りた女子児童の霊が出るというよくある七不思議のひとつであり、花子さんから食べ物をもらってはいけない、願い事をする時は望む物をあげる、花子さんに会いたい時は階段をきれいにする、花子さんに聞かれた質問に嘘をついてはいけないなどのルールがある。

やがて話題は事故死したとされる女子児童の話に変わる。彼女はクラスで浮いており、家庭では虐待を疑われていたので事故死ではないと小谷は疑っていた。女子児童に親身に相談にのっていた主人公が殺したのでは、と疑う小谷の前で、小谷から「今からバスで行く」と電話がかかってくる……。

 何か短時間で押し込んだ感があるので、もうちょっと彫り込んでほしいなあと思ったけど、基本二人芝居だとこんなモノでしょう。オチが投げられているけど怪談としてはアリ。

 

 今回は原作付きは『階段の花子さん』のみ、脚本ばかりでしたね。個人的には『AIRドクター』みたいなライトな話を多めにして欲しいです。あと、『呪web』みたいなネット・ケータイ・スマホネタは散々やっている気がするからもういい……。ラスト、ほぼ同じだし。






 さあ、やって参りました。『世にも奇妙な物語’12秋の特別編』! 放送日を知ったのは先週ですが、今回も仕事も予定もありませんでした! 奇跡です。本当に。また録画機を買わずに済みました。




『心霊アプリ』

 予備校の受付で働くサオリは予備校生の子に『心霊アプリ』という心霊写真を撮れるアプリを教えられる。心霊写真を撮って楽しんでいたが、恋人の和人に「霊をからかうと災いが起こる」と忠告される。ある晩、バージョンアップの通知が入り、規約も読まずバージョンアップし、片っ端から撮影した人物を心霊写真として楽しんでいたが紹介してくれた子たちはバージョンアップの通知など来ていないという。その後和人にプロポーズされご機嫌だったが、心霊アプリで霊として撮影した人たちが次々に死んでいく。恋人も死んでしまうと思い心霊写真から削除しようとするが、削除が出来ない。その後和人も死に、アンインストールしようとするが出来ない。利用規約をみると「撮影した霊は本物の霊になります」の一文が。唖然とするサオリを余所に、スマホの画面いっぱいに「次の霊を取りこんで下さい」と表示され、サオリは……。

 ホラーとしてはスタンダードなネタだけど、スマホとアプリというのが新鮮でした。



『来世不動産』

 セミが喧しく鳴くある日、入院していた主人公は気がつくとベッドから見知らぬ高原の中にいた。一つだけ見える家に向かってみると、『不動産』の看板が。そこは来世不動産という、死んだものが次に生まれ変わる物件を探す場所だという。主人公は人間を希望するが、従業員曰く人間は人気物件なので、前世の行いを考慮した上で決まるらしい。データとして顔を洗った数(3万超え)、ポイ捨てをした数(300ちょっと)。アリを踏んだ数(675。アリから苦情有)。コンビニで傘を新品と自分の古いのとすり替えた数(19)。好きな子のリコーダーをなめた数(8)。いじめられた人を助けた数(9)。その他諸々。行いは割と良い方らしいが、人間は数が少ないので、犬(主人公の行いなら種類も選べる)やミル貝(のんびりしていて長寿を希望して。とりあえず砂の中でじーっとしている)、乳牛(のんびりしていて環境は良い。定期的に乳は搾られる)を勧められる。とりあえず乳牛内見(※牛を見て牛乳を飲むだけ)と伊勢海老内見(伊勢海老を食べるだけ)をするがピンとこない。そこで最近人気のセミを勧められる。何でも最後の1週間外で生きる時間が人間の性交の100倍気持ち良いらしい。主人公はアブラゼミに入居に決意したのだった……。 

……何? あの教育番組とか動物図鑑で出てきそうな映像は。そして特にオチも無い。ちなみにアブラゼミの長男って何なのでしょう?



『蛇口』

 主人公には変わった能力があり、柱やベンチなど、変な場所で蛇口見つけてしまうのだ。そこからは赤黒い液体があふれ出し、その後誰かが死ぬ。最初は母の自殺。友人や上司の時も。だが必ず死ぬわけではなく、血ではなく透明な液体が出る時は助かる。自分の身近な人間が生死をさまよう時、蛇口は現われるようだ。

そして今日は妻。妻の父の別荘へ行く途中に事故にあったというのだ。元々妻の方が稼ぎが良い上、自宅は妻の父の遺産で建てた物。元々肩身の狭い生活だったがある日不倫も目撃してしまい、妻に対しては憎しみしか残っていなかった。娘には入院に必要な物を取りに行くと言って自宅に戻り、庭のベンチにあった蛇口をひねる。すると透明な液体があふれ、その直後に娘から一命を取り留めたとの連絡が入る。なぜ死なないんだと落胆していると、2階の壁に蛇口がはえているのを発見する。手をのばして蛇口をひねろうとするが……。

 ……終始夫目線なので妻がどう思っていたのか不明ですが、後味の悪い話。



『相席の恋人』

 結婚願望の強いOL山田スズ。同棲中の良樹を運命の人と思っていたが、ある日いつも行っている喫茶店で相席になった初老の男性に「僕はきみの恋人なんだ」と言われる。

周囲の客が消えてしまう不思議な状況下で言われたので夢だと思っていたが、その後もまた男性は現われ、「ここは未来の時間で、僕と君は同じ年だ」と言われる。スズは警戒するが、自分の好みや趣味を全て知っており、自分がプレゼントした父の形見の時計を持っていたので現在の恋人の良樹だと確信する。しかし良樹と男性の好みが合わない。

 ある日、良樹が別の女性といるのを目撃してしまい、それを追及すると時計を返され別れを切り出される。「あの男性は誰?」と思い喫茶店へ駆け込むが、男性は現れない。代わりに従業員から手紙を渡される……。

 ……うん、無難。その一言。でも『蛇口』が後味悪すぎたので丁度好いかと。



『ヘイトウイルス』

 近未来、憎しみはヘイトウイルスというウイルスに感染によるものだと医学的に証明されていた。ワクチンを投与し治療すれば、一生残るケガを負わせた相手でも、肉親を殺した相手でも許すことができるのだ。ヘイトウイルスの研究所の医師であるサエキの妻が殺され、その犯人が斉木に面会を求めてきた。犯人のクリタは「復讐だ」という。昔ウイルスに感染したクリタがサエキの娘を殺し、栗田から感染したサエキがクリタを殺そうとした際止めに入ったクリタの母を殺してしまったのだ。当時二人は治療され許しあったが、クリタが再感染し復讐に現れたのだ。再びサエキから感染させられたサエキは隔離病棟に移されたが、強いワクチンを求めて脱走してしまう。その際、「ヘイトウイルスの存在を植え付け、ワクチンで治ると洗脳する」と書かれた資料を見つける。それを所長に問い詰めると、「憎しみが無いユートピアが何故いけない?」と逆に聞かれる。サエキは理性だけでクリタを許してみせると言い、クリタと面会する。憎しみに耐えて彼を許そうとするが……。

『スマップの特別編』以来? 草薙君出るの。『13番目の客』に比べるとシンプルな話ですが、全くのSFとは思えません。常識、非常識だってその時代の刷り込みみたいなものだし。


 

 何だかすごく好みの別れる作品でしたね、今回は。個人的には『来世不動産』のシュールさは秀逸だったと思います。