さあ、今年もやって参りました。『世にも奇妙な物語’12春の特別編』! 不思議なことですが、この番組の放送日は必ず予定が入っていないのです! ……いえ、普段もほぼ空いていますが。
とにかく今回も感想、参ります。
『スウィート・メモリー』
病院で目を覚ました佳恵は、刑事に部屋で倒れており、隣で男が死んでいたことを知らされる。刑事に見覚えはないかと見せられた写真の男は、以前から佳恵につきまとっていた男だった。
佳恵は覚えているのは事件当日、ストーカーがドアをこじ開け、佳恵の部屋に侵入。暴れだした。そして「お前のせいでオレの人生は滅茶苦茶だ」と叫ぶ……それ以降の記憶はない。刑事に真実を教えてくれと縋りつくと、刑事は驚きの事実を述べる。つきまとっていたのは男ではなく、佳恵の方。大量に送りつけた手紙は佳恵の自演、同じマンションへ引っ越してきたのも佳恵。同席していた医師が言うには、幼少期から周囲に溶け込めなかった佳恵は、自分の都合の良い世界を妄想するようになり、次第に現実と妄想の境目が分からなくなったのだと。そして、男が自己防衛の為自室に取りつけていた隠しカメラの映像には、男の部屋に侵入した佳恵の姿があった。そして、怒り狂う男を佳恵は灰皿で殴りつける。その映像に映る女の顔は現在の佳恵ではなく……。
うん、分かりやすい話。ブレイク前の向井君も出ていた『これ……見て……』とか、『午前2時のチャイム』みたいな。それにしても動きの無い話ですね。回想以外病室から出ていない(笑)。
『7歳になったら』
あと4日で誕生日を迎える鈴木福君……じゃなくて一海は、突然跳び箱が飛べるようになった友達に「7歳になったらできるようになるよ」と言われる。そして周りの空気もおかしい。その日の放課後、両親が違う子と歩いているのをみかける。その話を両親に話すが「二度とその話をするな」と一蹴される。そして誕生日の前日、クラスの子に「7歳になったら、長い塀に囲まれた建物に……」と不思議な話をされるが、先生に止められる。その後、長い塀に囲まれた建物を探していると、自分にそっくりな子をみつける。施設にいるという彼は、誕生日も同じだが跳び箱も掛け算も出来るという。
そして誕生日当日、遊園地に行くが両親の様子がおかしい。7歳になると何があるのか両親に問い詰めると、母親が言う。「施設にいる一海も、私たちの子なの」と。
その世界では、優れた子を残す為子どもが産まれたらクローンを作り、一方は家族、一方は施設で育てる法律が施行されている。そして7歳になったら優秀な方を家族に渡すのだ。優秀ではないと判断された一海を両親は「もう無関係なの」と見向きもせず、回収車に乗せられるが……。
……まあ、主演が子どもだから無難なオチかと。クローンを作って優秀さを競う話だと
喜多尚江の『空の帝国』のイメージが強い私ですが、これはちょっと微妙。折角ならもっと堀深めてほしい。
『家族(仮)』
独身の会社社長、小野寺はある日帰宅すると娘と妻が出迎えた。自分には妻子を持った覚えはない。45年間独身を貫いている。疲れているのだとさっさと休むが、その後も妻子は存在していた。戸籍謄本を確認すると未婚であることを確認出来た。それを問い詰めると「貴方は籍を入れてくれなかった」と泣き崩れる。病院でCT検査を受けるが問題無し。だが、アットホームな空気に幸せを感じるようになる。
そんなある日、「私は逆誘拐犯だ。妻子を引き取ってほしければ金を払え」という電話が入る。だが断る! と断ると突如娘に台本を渡され、ドラマスタッフと役者(16歳の娘)が自宅に入ってくる。10年後、すっかり問題児と化した娘、悪徳商法に引っかかった妻という現実(予想図)をみせられる……というかやらされる。そして20年後、二次元に走った娘とオバサンと化した妻。30年後、老化に悩む妻の相手をさせられる。そんなアットホームなだけじゃない家族の一面を見せつけられた小野寺は金を払い、妻子を始めとした役者、スタッフは去っていくのだった……。
言いたいことは分かる。すごーく分かる。私は大好き。前回の『耳掃かき』みたいに、シュール枠をぜひ設けて頂きたい。
『試着室』
同窓会に向かう途中、ドレスを汚された柏木美沙はたまたま見かけた服屋に入る。代わりの服を試着室で着て出ると、何故かそこはパーティー会場。違う人と被ってしまい、「この服じゃ駄目だ!」と叫んだ瞬間、そこは試着室。店員は言う。「服を選ぶということは、貴方の未来を選ぶということです」。2着目は周囲には高評価。しかしセクシーなドレスの人にお目当ての先輩は釘付け。セクシー系、着物、コスプレ、民族衣装、舞台衣装風、清楚系など、色々試着するが全てスルー。先輩に直球でどんな服が良いかと尋ねると、「演劇部の柏木らしくない」と言われる。店内でドレスをひっくり返した揚句、着たのは汚されたドレスだったが……。
主演が忽那汐里さんのせいか、どうも店員が家政婦の三田さんの模倣のようにしか見えない件について(笑)。でも、服で気持ちも変わるし、服だけ変えても仕方がないこともあるのも事実。こんな爽やかなお話も1つは必要ですね。……でも、サングラスは変えなくて良いと思いますよ、タモリさん。
『ワタ毛男』
「イカは、お嫌い?」と尋ね歩くバルタン星人……じゃなくて被り物の男。彼の正体は都市伝説協会の怪人課の橋本。都市伝説協会とは、人々に高度経済成長にて忘れられた暗闇への畏怖を思い出させることを目的とした国立機関。それぞれ迷信課、陰謀課、宇宙課、怪人課などがある。活動は身内にも秘密。変質者として逮捕されず、それでいて恐怖を抱かせなくてはいけない難しい仕事である(ちなみに逮捕されてしまい服役中の者もいる)。
橋本はある日、巷で噂になっているというワタ毛男の存在を知る。ワタ毛男は「ふいて、みませんか」とふくまで最高時速60キロで追いかけ、ふかせた際素顔を見た者は正気でいられないという。
先輩に頼まれ、吉本はそのワタ毛男をやっていた余木に会いに行く。余木は口裂け女をやっていた妻を、噂により実態化した口裂け女に吸収されてしまったという。ワタ毛男も実態化してしまうのではないかと恐れやめたが、忘れられたくない思いでインターネットに書き込んでいた。現在のワタ毛男は、余木の書き込みにより噂が広まり実態化したものだという。その後、余木は橋本の目の前でワタ毛男に吸収されてしまう。
数日後、トイレで用を足していると隣の男が橋本に尋ねる。「ふいて、みませんか?」。
うーん、噂が怖いのは分かるけど、さらっとし過ぎていて「え? これで終わり」感じでしたね。昔放送された『呪い裁判』は真ん中だったからまだしも、今回はこれがトリだから何だかちょっと……。
今回はOPが逆鱗の語源でしたが、多分今年が辰年だからそれにかけているところもあるのかと。でも、『ワタ毛男』以外脚本で原作無しというのは意外。数年前まではマンガ原作ばっかりだったのに。