あれ?地震?と隣の席の後輩ちゃんと話していたら
徐々に揺れが強くなり、これは怖いとデスクの下へ。
デスクの下においているヘルメットをいつでも
被れるようにと準備していたら、それすらままならない
ほどガタガタと揺れが襲ってきました。
揺れることで力を分散させる構造になっている当社、
高層フロアの私はもうひたすら身を小さくしていることしか
できませんでした。
すぐに館内放送が流れるも、キャスター付きのキャビネットが
ザーッザーッとものすごい音を立てて左右に移動する音で
まったく放送が聞こえず、隣の後輩ちゃんと声を掛け合いました。
その後キャビネットは揺れの衝撃でまったく
動かない状態に・・・。
5分という時間がものすごく長く感じられて、
ようやくおさまってきた頃、すでにデスクから這い出して
ネットをチェックしていた方が、東北で巨大地震が起きている
ニュースを見つけ、みんなで青ざめました。
デスクから這い出してみるとキャスター付きの私の
椅子はどこかへ飛んでいっていました。
とにかく両親が心配で、携帯から母にメール。
そのときはすぐに無事という返信が返ってきたのですが
それ以降なかなか繋がらない状態に。
実は昨日は母と某レストランへ食事に行く予定でした。
最初はこれだけの影響があるとは思わず、
念の為レストランに連絡したときも「こちらは落ち着いてますよ~」
「ゆっくりいらしてくださいね」と言われ、普通に行くつもりでした。
母は「急なキャンセルはお店にご迷惑だから我が家は
レストランに近いんだし、1人でも行く」と自宅を出発。
私も電車が動いたら向かうつもりでした。
ところが状況は私達が思っていた以上に深刻で、
2度目の大きな余震以降、断続的に余震は続きました。
会社のエレベーターはすべて停止し、
鉄道は復旧の見込みなし。
会社から一歩も出てはいけないとの放送が入りました。
さすがにこれはレストランとぃぅ状況ではなくなり、
私は行けないと母に連絡を試みるもまったく繋がらない状態。
せめてレストランには連絡をと思ったら、なんと急遽
営業を中止することにしたと言われ、真っ青に。
他のレストランと連携したところワインセラーやオーブンが
倒れて営業にならないお店がいくつかあり、これから何が
起きるかわからない中で営業を続けても責任を取れない
ということで休業を決めたのだそうです。
それはご英断としても、すでに母は向かってるのに!
と思うと、体力がなく足腰が丈夫でない母がものすごく
心配になり、母が来たらよろしくお願いしますと伝えたところ、
お母様をこちらでお待ちします、と頼もしい対応に
少し心が落ち着きました。
母になんとか連絡しようと何度も何度も携帯に
連絡しましたが、まったくつながらず、
ようやく繋がった時にはすでにお店の近くまで来ていました。
自宅付近はたいした影響がなかったため
甘く見ていた母は、お店付近になって初めてこれは
大変なことになっていると実感。
これは長時間帰れなくなると踏んだ母は、とにかく
お店に行ってお手洗いを借りて、長時間かかるであろう
帰宅までの道のりに備えることにしました。
お店から自家製のパンを受け取り、お手洗いを
お借りして自宅へ向かった母。
(超人気店だけに次の予約をするためだけに
訪れた方もいらしたとか・・・)
ところが帰りのバスに乗ったという連絡を受けてから
まったく連絡が取れなくなり、自宅待機の父に何度も
連絡しましたが、全然帰ってこないし連絡もつかない
と言われ、またまた不安が押し寄せてきて。
満員のバスに閉じ込められて体調を悪くしている
母を想像して、心配で涙が出そうになりました。
しかし娘が思った以上に強かった母。
バスに乗る列は陸橋まで伸びる長蛇の列。
でもバス停に向かう途中のコンビニで買った肉まんを
陸橋の上で食べながら体を温め、バスは全然動かないために
歩く決意で降りる人が続出、早いうちに座れたのだそう。
結局母は、通常なら15分でたどり着ける自宅まで
5時間かけて帰ったのだそうです。
私はというと、今日は会社に泊まるしかないかなと
腹を括ったところで電車が運転を再開。
同じ方面の方と数人で23:30に会社を出発し、
0:30過ぎには自宅に到着することができました。
私にとって大切な人はみんな無事でしたが、
大親友のご主人がたまたま宮城へ出張に出ていて
昨日の夕方以降、連絡が取れなくなっているそうで
今はただただ連絡が取れるようになるのを祈るばかりです。
こうなってみて初めて思ったのは、
人と人との助け合いと、思いやり。
部長は私の沿線が復旧するかどうか、そればかり
心配してくださり、私が早々に今日は泊まると決めて
フロア内の静かな場所で1人ブランケットを巻いて
寝ようとしていたところ、復旧の知らせを伝えに
探しに来て下さいました。
会社に泊まることになった方も大勢いらっしゃるのに
なぜか皆さん私が帰れることを自分のことのように
喜んで下さり、なんだか涙が出そうになりました。
親戚や地方の方をはじめ、同じビルにいる役員さんまでも
安否確認の連絡をくださり、なんだか人の暖かみが
ものすごく身に染みました。
静かで、どちらかというと地味だなあ、なんて思っていた
オフィスのおじさま方も、自分の身の安全よりも家族の
安否をとにかく心配して、頻繁に携帯で連絡を
取っている風景を見て、ものすごく逞しく思えて・・・。
家庭的で暖かい人達、すごく素敵だなと思いました。
こんなときにと思いましたが、帰る家庭があることって、
すごく素敵なことだな、ってしみじみ思ってしまいました。
安否を気遣う相手、気遣ってくれる相手がいること、
この幸せな気持ちを大切にしなければいけないなと。
東京でもまだまだ余震が続きますので
引き続き油断せずに過ごしたいと思います。
とにかく今は節電ですよね!
暖房は極力入れず、不要な電気は消して、
今日は自宅でガスを使わないお食事になる予定です。
東北の被災された方々が1日も早く
元の生活を取り戻すことができますように。
多くの犠牲者の方のご冥福をお祈りすると共に、
1名でも尊い命が救われますように。