飲食関係の知人のお誘いでランチに行ってきました![]()
行き先は当日まで内緒
待ち合わせは六本木一丁目のティーキューブだったので
てっきりエディション に行くのかと思ってました(笑)
そこから歩くこと5分ほど。
閑静な道をテクテク歩いていると突然姿を現した質素な
佇まいのお店。それが今回お世話になった楽亭でした![]()
一度行ってみたかったお店の1つ。
なぜか男性にファンが多く、とても気になっていました。
ガラガラと引き戸を開けて入ると、これまた控え目な内装の
とても小さな空間が。壁にかかった1輪の椿以外、本当に
飾り気がなく、でも何とも言えず清潔感を感じるお店でした。
お店は店主の石倉さんとお弟子さん、そしてサービスの
女将さんの3人で切り盛りされているようで、席数も10席ほど。
コート掛けはなく、縁側のような場所に畳んで置きます。
偶然にも知人の元上司が接待で海外ホテルの支配人とご一緒に
いらしていて、私達とその上司の方を含め、もう1組はご家族で。
その3組(計8人)で、今回の舞台は始まりました。
突き出しは平目と菊の合わせ。
弾力のある平目にクシュクシュとした大輪の菊から
染み出すお出汁の味は、とてもホッとする味でした。
さて、いよいよ天ぷら・・・といきたいところですが、
こちらはご主人がお1人で8人分を一度に揚げるので、
コースにお刺身を頼んでいない私達は、お刺身を頼まれた
他のお客様を待つことになります。
でも、なんとなく日曜の昼下がりとぃぅこともあってか、
待つ時間も楽しい会話の時間となり、まったく苦になりません。
こちらのお店はなんだか時間の流れが緩やかなようです。
・・・さて、いよいよお待ちかねの天ぷらコースの始まりです![]()
まずは海老から。
大ぶりの海老はぷりっ!としていて食べ応え充分。
先日『近藤』でいただいた海老は(☆ )、身は小さめで
甘エビのようで、中はレアな感じがとても新鮮でした。
そのことを知人に伝えると、ご主人のこだわりかもしれないので
一概には言えないけれど、中がレアでも温度は温かくなければ
いけないと思う、とプロらしい一言。
ふーむ・・・。なるほど好みの分かれるところですね。
話は戻って続いては海老の頭。
こちらは身から想像できるように、サイズがとても大きい!
足の部分で上顎が切れたらどうしようと心配だったのですが、
口に入る瞬間にしゃりしゃりと音を立てて入っていきました。
もちろんお塩につけていただきましたよ~![]()
・・・そうそう、言い忘れましたがこちらはお塩、レモン、天つゆと
大根おろしとフルラインナップです![]()
高く盛り付けた大根おろしが華やかでした。
お次はハゼ。
こちらもビックリするほど身が大きくて、想像以上にふっくら。
外側はパリッとしていてあまりに美味しいので、まさかこちらが
ハゼとは・・・。ハゼを侮っていた自分に反省です![]()
続いては初めましての1品でした。
ハンペンのような物体は、なんと酒粕。
酒粕の天ぷらなんて初めて見ました![]()
でもこちらは残念ながらインパクトが強すぎて・・・![]()
お次はカボチャ。
口の中が酒粕でいっぱいだったので嬉しいお野菜![]()
喉に詰まりやすいカボチャですが(笑)小さくカットしてあり
とても食べやすいサイズだったのが嬉しい配慮でした。
続いて海老が再び登場![]()
あ~これ、さっき美味しかったから嬉しいな
と
思わせるところが、ニクイ演出ですね~![]()
順番がだんだん怪しくなってきましたがご了承下さい![]()
お次はキス![]()
こちらは安定した美味しさ。
海老でも何でも、私は尻尾まですべていただきます![]()
続いては椎茸。
準備の時点から気になっていた1品。
大きい椎茸に海老のすり身を詰めたもの。
想像以上の美味しさでした。
どれもそうですが、程よく食べやすいサイズに
カットされているのが本当に嬉しい![]()
ただ、1品毎に懐紙を替えてくださる『近藤』とは違い、
こちらは最後のかき揚げで替えるまでは1枚で通します。
私は特に気になりませんが、気になる人もいるのかな。
私は美味しく食べているときに自分の周りを人に動かれる
方が気になるので、楽亭さんスタイルの方が好みかも。
続いては三つ葉。
こちらは茎部分までかなり長~いサイズで出てくるので、
最初は三つ葉だとわかりませんでした。
茎の部分もほんのり三つ葉の香りがしていて
爽やか!!とても美味しかったです![]()
続いてはイカ。
イカはあまり得意でない食材の1つ。
それは以前イカスミパスタを自宅で食べていたところ、
イカの身が大きすぎて喉に詰まり死に掛けたから(笑)
でもこちらは期待通り食べやすいサイズで安全面もばっちり![]()
お次は生姜。
こちらも今回初めて出会うものでした。
ピンク部分までの長~い生姜を先端部分だけさっと揚げて。
ピンクのもち手を持って『端っこだけ』噛みます。
ピリリとくる辛味に目が覚めました(笑)
〆?は名物と言われる穴子。
こんなにいただいてぃぃんですか?!って聞きたくなるほど
ふんだんに盛られた大きな穴子は泥くささもなくて
すごく美味しかったです![]()
ご主人は(当然のことながら)黙々と揚げていらっしゃいますが
頑固そうなところや、名店だからと言って奢ったところはなく、
本当に素朴で優しい感じ。
途中、手が滑って揚げたばかりの私の天ぷらを取り落としたり
したときに見せた謝罪っぷりは、こちらが恐縮してしまうほど。
ある意味素人っぽいところが魅力的なご主人でした。
時折見せる笑顔が見たくて本当はもっとお話したかったけれど、
職人の仕事中に話しかけてはいけないと自制しました(笑)
最後に天丼までたどり着けず、小柱はかき揚げでいただきました。
甘みのある小柱にさくさくした衣が絡まってフィナーレに相応しい
お味&食感でした![]()
大満足でお店を後にしたあと、ふと思ったことが。
あんなにお腹いっぱいだったはずなのに、今誰かに
10キロ走ってこい!!と言われても全然走れてしまいそうな
ほど、自分の体が軽い・・・!!
それは天ぷらの衣が軽かったからなのか、
それとも、あそこでいただいた天ぷらは幻だったのか・・・
そう思わせるほど、なんとも言えず独特の空間でいただく
天ぷらは、どこか郷愁の香りと言いますか、田舎の祖父が
揚げているような、なんとも懐かしい、心温まるお店でした![]()
近藤さんとはまったく違ったスタイルのお店ですが、
どちらもそれぞれの魅力がある素敵なお店だと思います。