まだ秋に差しかかって間もない頃、もう少し寒い風を
感じ始めたら、きっとてんぷらが食べたくなるはず!
と思い立ち、銀座の名店『近藤』に予約を入れました
・・・さて、予約当日。
この日は11月下旬ぐらいの気候とも言われるほど寒く、
絶好の???てんぷら日和となりました
ご一緒したのは、誘うならあの方しかいない!とひらめいた、
『てんとも(←天ぷらを一緒に食べる友達)』と勝手に呼んでいる
職場の上司。グルメで話も面白く、良きアドバイザーでもある上司。
もちろんお誘いしたら喜んで馳せ参じて下さいましたよ~
以前上司と食べに行ったてんぷらはこちら→☆
私と違ってお忙しい上司なので、私は一足お先にお店に到着。
少し緊張しながら暖簾をくぐると、誰よりも大きい声でご主人が
『いらっしゃいませ~~!!』と声をかけてくださいました。
お席はご主人の揚げるカウンター席。
実はいつも楽しみにブログを拝見しているひめさん から
予約時に『ご主人側の席で』とお願いするとぃぃですよ~と
嬉しいアドバイスをいただいていたのでその通りにしたところ、
ちゃんと近藤さんご自身の揚げるカウンターが用意されていました。
私はてっきりカウンターの中でご主人側とお弟子さんとで2人で
揚げているものと思っていたのですが、ご主人が揚げる15人の
カウンター席と、お弟子さんのカウンターはお部屋から違うのですね
ひめさんのアドバイスに従って大正解でした
・・・さて、上司を待っている間、かの有名なご主人の動きを
じっくり観察 語弊があると思いますが素人の私には衣をつける
様子も揚げる様子も、まったくもって適当にすら見えます(笑)
そのぐらい動きは自然で、特別なところは何もないのです
私と比べるなとお叱りの言葉が飛んできそうですが、
でトンカツやコロッケを作るときには、いつも母から、
片手は綺麗なままで蛇口をひねったり菜箸を持つ手にしなさい。
卵や衣で汚す手はもぅ片方の手にしなさいと言われてきました。
ところがご主人ときたら、両手で衣をつけてその手で油に
バッシャーン!と油が跳ねてもお構いなしといった様子で
放り込んでいて・・・(笑)
衣をはたくときも私は丁寧に手でパンパンとはたきますが、
ご主人はお箸ですぅ~っとなぞるだけ。
でもちゃんと余計な粉は落ちている・・・。
プロのなせるワザって素人目にはやっぱりよくわからないものだわ
などと思いながら目が乾くほど観察していると、遅れて上司が到着!
今回は私からお誘いしたこともあり折半のつもりだったので、
無難に『てんぷら定食』をお願いして、そこに名物のサツマイモを
加えたいな・・・なんて考えていたのですが、すかさず上司から。
『そんなしょっちゅう来るわけないんだから、前菜2品つきの
真ん中の(お値段の)コースにして、追加したいものはみんな
追加してみようよ』 と嬉しい?一言。
上司も初訪問の『近藤』さん。
食べログなんて一切見ない上司は、サツマイモがどのぐらいの
大きさかなんて知るよしもなく、私が止めるのも聞かずに+αで
『サツマイモ、ニンジン』を、そして今が旬でサツマイモより
美味しいと言う『カボチャ』をオーダー。
それを脇で聞いていたご主人が『ニヤリ』と笑ったのを、
私は見逃しませんでした・・・(笑)
・・・さてさて気を取り直して早速コースの始まりです
まずは前菜1品目。
サツマイモと海老のすり身のお椀です。
ふわ~っと上がる湯気に冷めにくいとろみのついたお椀。
冷えた体も瞬時に暖まる1品。
続いて前菜2品目は、もみじの可愛いカラフルな1品。
芋茎(ずいき)の黒胡麻和え、アンキモ、サヨリの
お刺身、大きな貝、(貝は種類を忘れちゃいました)。
貝の身は信じられないほど弾力があってひたすら美味しいし、
お刺身は一見淡白そうなのに、甘みすら感じる濃厚なお味。
でも何よりアンキモがあまりに美味しすぎて、最後に少しだけ
残していたら、上司も同じことしてました(笑)
これには2人で大笑い!
前菜からテンション上がりっぱなしでしたが、
襟を正してぃょぃょ本日の主役、てんぷらの登場です
まずは1品目、海老の頭。
パリッパリの海老の頭は、もちろんお塩で。
鉄板焼きでいただく海老の頭も美味しいけれど、
天ぷらの海老の頭は小さい頃から大好物でした
続いて2つ目、海老の身(尻尾つき)。
海老は身の柔らかさがまるでお刺身でいただいているような味わい。
言うなればミディアムレアってところでしょうか
4品目はアスパラ。
こちらは上司がナンバー1に挙げていました。
高級ホワイトアスパラかと思うぐらい極太のグリーンアスパラ。
繊維なんてもちろん感じません(笑)食べ応えがあり鼻に抜ける
味も良くて上司は感動しきり。春はもっと美味しいのでしょうね~
5品目は茨城県産のレンコン。
こちらは私のナンバー1厚みのあるレンコンは、あの糸をひく
粘っこさはないのに、シャリシャリとした食感は残されていて・・・。
レンコンでこれほど甘みを感じたことはなかったです。
この甘みとお塩の辛味のバランスが素晴らしくて、追加したいぐらい(笑)
6品目は江戸前キス。
少し土臭いようなキスは、少しもろもろした感じとぃぅか、
口の中ではらはらと崩れていく繊細な舌触り。
こちらもお塩でいただきました
7品目は包丁で綺麗に切れ目の入ったお茄子。
2つのうち1つはお塩でいただきましたが、天つゆの方が
やはり合うみたい大根おろしに生姜も入っているので
間違いない組み合わせです
切れ目にしっとり染み込んで、とても美味しかった~
8品目は意外や意外。栗の天ぷらです
ホクホクとした栗を天ぷらでいただくのは初めて。
もぅ口の中が火傷するのも忘れて、美味しくいただかなくっちゃ!
と熱いうちに急いで食べていると上司から、
『もぅ20代も後半なんだから落ち着きなさいよ・・・』と
笑われてしまいました
続いて9品目は松島のハゼ
キスとは違い、こちらはふっくらとした優雅な印象。
豊かで身がたっぷりある感じ。(うまく言えませんが・・・)。
10品目は茨城県産の原木椎茸
元々の大きさが信じられないほど超!特大サイズ。
それを4等分して半分ずつ上司と私に。
ぶりっとした食感の奥にかすかな衣の存在を感じて、
じゅわ~~っと香ってくる椎茸の香りは、普通の椎茸ほど
濃くなくて、意外にもさっぱりとした香りでした。
11品目は小玉葱。
楊枝が刺さっているけれど皮と衣が滑って食べにくい(笑)
ぬるぬる具合や熱さと格闘しながら口へ運びます。
甘みがあってこれも美味
12品目、コースのラストは江戸前穴子。
骨がたっくさん見えているのに口に入れると全然気になりません。
こちらは天つゆでしっとりといただきました。
この後は追加でオーダーした3品です。
しかしご想像の通り、もぅ2人ともお腹いっぱい(笑)
最初にご主人が『ニヤリ』と笑った意味をいまさら痛感
でもそこは優しいご主人。
最初から舞い上がりすぎていた私達を不憫に思ったのか(笑)
『半分だけ食べて残りはお土産にしましょうか?』と
嬉しいお言葉を・・・
でも、揚げたてが美味しいと言われるてんぷらをに持って
帰るなんてご主人に対して失礼極まりないな・・・と落ち込んでいたら
その心までも見抜いたのか、またまたご主人から、
『アルミホイルに包んであっためると、結構美味しいんだよ』
って優しい一言・・・
優しい上司も、『近藤さんの揚げたてんぷらをご両親にも
食べていただけるし良かったね!』って・・・
優しい皆様に囲まれてほんと幸せです
そんなわけでじっくりと揚げられたサツマイモ、
カボチャの4分の1サイズを心置きなくご相伴
話題のサツマイモ、確かに美味しかったけれど、さすがに
ご主人が『今はこっちの方が旬』とおっしゃるだけあって
カボチャの美味しさは感動ものでした
続いてはフレンチからご主人がヒントを得て始められたとぃぅ
ニンジン。 こちらは千切りしたものをかき揚げのように
集めてふわっと揚げ、山のようにして出される、目にも美しい1品。
上司はオーダーのときから、
『あんまりって好きじゃないんだよな・・・』なんて
子供みたいなこと言っていたのに食べた瞬間、
『ん~~!!!これは旨いっ!!!
近藤のニンジンなら食べられるぞ・・・!!!』と大絶賛
甘いニンジンとサクサクの衣、つけたお塩とのバランスが
ベストマッチで、お酒のお供に止まらなくなりそう
〆は天茶、天丼から選べますが、私はもぅお腹いっぱいなので
かき揚げのみをいただくことにしました。
小柱と三つ葉のあっさりとしたかき揚げと、
評判の赤出汁にお新香、すごく幸せな気持ちになりました
に帰ってお土産を渡したら、野菜が大好きな家族は大喜び(笑)
ご主人に言われた通りホイルに包んで温めたら、
ちょっと高級な焼き芋の味がしました(笑)とても美味しかった!
また春のお野菜が出る頃、今度は母を連れて行きたいな~
こちらはとにかくお野菜が美味しくて、極端な話、お野菜だけでも
ぃぃぐらい。正直お魚の記憶よりお野菜の記憶の方が鮮明です。
季節のさきどりに、節目節目でてんぷらを、なんて優雅かも~