昨日は青山の天ぷら屋さん天青に行ってきました
天ぷら屋さんはあまり行ったことがなかったのですが
自称「美味しい物を食べるのが大好き」な上司が
「つきの天ぷら屋さんに行ってみよー
」と
予約をして下さったので、何事も経験!と行ってきました
お店は外苑前の駅からハーゲンダッツのところを
外苑西通り沿いに進むこと3分ほど。
建物の急な階段を上って2Fに行くと天青です
カウンター10数席ほどのこじんまりした店内の奥には
テーブル席の個室があり、さらにその奥にもカウンター席が
あるように見えたのですが、真相やいかに。
・・・さて、私は梅酒、上司は日本酒でまずは乾杯
最初に出てきたのは、ほうれんそうのおひたし、
大根おろしにいくらを乗せたもの、
そして海老の頭、穴子の骨をくるりと丸くしばったもの、
キス・めごちの骨の計3皿。
こちらはお塩につけていただくのですが、
このお塩、沖縄のお塩だそうで、それを丁寧に
ごにょごにょと処理をして(←すみません、食べるのに
夢中で聞き逃しました)、粒々がまったくない、
まるでベーキングパウダーのようにふんわりした
パウダー状になっているのです
お味は普通のお塩より塩気が強く、そのままだと辛い!
という感じなのですが、これが天ぷらとよく合うんです
それにしても海老の頭って本当に美味しいですよね
しっかりカルシウムを摂取し、早くも次への期待が高まる私
そんな私の期待を裏切ることなく、続いて現れたのは
ふきのとう
なんだか春を感じてしまいますね
ふきのとうは、まわりのビラビラしたところをいっぱいに
開いた状態で揚げてあります
ほんのりしたエグミと、そしてまたお塩とのコラボが絶妙
続いて小ぶりな海老がなんと3本も・・・
こちらの海老、尻尾の部分がまっすぐ綺麗にカットされています。
そういえばこちらのお店は海老が有名と
ミシュランにも書かれてました。
ご主人の後ろに水槽があり、そこで悠然と泳いで?いるを
ご主人が素手で取ってその場で処理。
ちょっと可哀相な気もしますが「皆さんに美味しく召し上がって
いただくことが海老にとって1番幸せなこと」なのだそう(笑)
キス・めごちなどの定番のほか、興味深かったのが
お茄子と一緒に出てきたレンコン
このレンコン、見た目は普通なのですが食べてみると
なんとも言えずもっちりとした食感が不思議。
少し半生でぬめりを残しているのかな?と思っていたのですが
私の疑問に気づいたのかご主人がすかさず、
「変わった食感してるでしょ。これは加賀のれんこん。
もっちりとした食感が特徴なんですよ」と。
なるほど~私の心を読んでますね
また、舞茸が出てきたときにはご主人が
「急いで天つゆにつけてみてください。
音が出ますよ」
・・・とニヤリ
急いで天つゆにつけると、じゅわ~~~っとぃぅ音が
広がり、香りがふわ~~~っと立ち込めます
香りもいいし、大きくて食べ応えのある舞茸でした。
生醤油でいただくふわふわの穴子も美味しいし、
子持ちワカサギも磯の香りがして最高だし・・・
でも、ケースに入ったあれも気になるな~と思っていたら、
ちゃんと出ました
海老のすり身を入れた巨大椎茸
プリプリを超えてブリブリの椎茸、肉厚です
そういえば目の前に掛けられている、字が木彫りの
お品書き。「あおり傘」というのがあるけれど、
あれはこの椎茸の意味ですか?と伺ったところ、
「そう。でも天青オリジナルの呼び方だから、
他の店で言っても通じませんよ」とまたニヤリ
上司に「和食屋さんにほとんど行ったことがないので
天ぷらもあまり食べたことがない」と話していたのを
聞いていたのでしょうか(笑)
他店で使わないように気をつけなくっちゃ(笑)!
続けてご主人、お品書きの題字の後に書かれている、
「憚乍口上」という文字を指して、
これ何て書いてあるかわかりますと。
上司とウンウン言いながら考えたのですが
さっぱりわからず、あえなく降参
すると児玉清風のご主人、顔色1つ変えずに、
「これはね、はばかりながら口上、
って読むんですよ」ですって・・・・・・
ご主人、淡々としているのに意外とユニーク
そのギャップに上司は大爆笑、私はびっくりしすぎて
まさに何も言えねー状態
他に気になる食材ありますかと聞かれ、
気になっていた万願寺唐辛子を。
この万願寺唐辛子、青いものはよく見かけますが
こちらは赤と青がありました。もちろん赤を。
長さが10cm以上もある唐辛子。食べにくそうにしている私を
見てすぐにご主人が、「これは切った方がいいかな。」と
すぐに撤収。こんな気遣いも嬉しいですよね
そしてとうとう〆の時間がやってきました。
最後は海老のかき揚げですが、天丼、天茶、
天バラとありますが、どうしましょう
・・・天バラそれはなんですか
ご主人、またしてもニヤリ
おそらく毎回聞かれるのでしょうね(笑)
天バラは天青オリジナルで、
かき揚げをバラバラにしてごはんと混ぜて、
三つ葉を散らしてます。
またしてもオリジナルメニューが登場!
これで天バラにしない意味がわかりませんよね
ちなみに他のお客様も天バラにしていました(笑)
かき揚げをバラバラにした・・・というので
かなり下卑たというかざっくりした感じを想像していたのですが
これがまた綺麗な器に上品な盛り付けで、
海老のオレンジと三つ葉のグリーン、そして小粒の胡麻
(珍しい1~2mmぐらいしかない胡麻!)がかかった、
とても美しい〆ゴハンが登場しました
海老のプリプリ感、衣のサクサク感、そして
三つ葉の香りがベストマッチで「おかわり下さい」
・・・はさすがにやめておきました(笑)
青森で取れたシジミのお味噌汁も綺麗な白濁色で、
こんなに美味しいお味噌汁は久々にいただきました
最後は透明の可愛いガラスの器に入った、
富士りんごのシャーベット。
の皮が点々とシャーベットの中に入っていて、
とてもキュートなビジュアルにノックダウン
最初から最後まで堪能させていただきました
そうそう、この日、外国人のお客様がみえてらしたのですが
ミシュランを読んで予約され、頑張って地下鉄に乗って
地図を片手にお店までたどり着いたのだそう
女将さんが嬉しそうに話してくださりました
そもそも外国人旅行者のガイドブック目的で作られたという
ミシュラン。実際にミシュランを見て、フレンチやイタリアン
ではなくこの天ぷら屋さんを選び、嬉しそうにデジカメで
天ぷらを撮影しながら器用にお箸を使って召し上がっている
お客様を目の前にして、なんだか感動しちゃいました・・・
最後にお店のカードをいただいて帰ろうとしたら
ご主人が「私の名刺でもいいですか?」とこちらを下さりました
美味しい天ぷらと、優しくて、実はユニークなご主人、
綺麗で優しい女将さんとミシュランを見て来店された
外国からのお客様。
なんだかいつものレストラン訪問とはまた違った、
素敵で貴重な経験ができた夜でした