なぜ瞑想を強調するのか。瞑想、観照、見守ること、観ること…。



前のハリーポッターの記事に準ずれば「ハリーであることを自覚するため」だ。私たちダニエル・ラドクリフは(?)とにかく自分の演技をしたがる。若手の俳優が下北沢の居酒屋でくだらない演技論をかましているかのごとく、「これが俺の演技だ」「個性を出すにはどうしたらいいか」「アドリブをどこでいれるか」「脚本家の言うことなど聞いてられん」などとわかった風なことを言っている。が、素晴らしい役者とはまさに脚本家の描いた通りに演技をし、その物語の完成に貢献するのが本来の姿ではないだろうか。



私たちの脚本は宇宙によって描かれた。厳密に言えばこの脚本通りに演技せずに若手の俳優のごとく自我丸出しの動きをしだすこともその脚本には描いてあるのだが、それに関しては置いておこう。私たちが一番身近に感じられる脚本はこの肉体の遺伝子、産まれ落ちた環境、そして周囲からなされる条件付けだ。これら三つからあとは歩むべき物語を歩む。はずなのだが、私たちはそんなことは受け入れられない。大人になるにつれて「高学歴であるべき」「この仕事につくべき」「恋人や家族を持つべき」などといった他の若手俳優あるいはベテラン俳優の意見に惑わされてしまう。そうなると自分が一ハリーであることを忘れ、独自の動きをしだしてしまう。



そうなるとハリーが歩むべき道を当然歩めない。ハリーは畜生さが売りなのに、良心からマルフォイを攻撃しなかったり、親切心からダンブルドアへ毒を飲ませなかったりするかもしれない。すると物語はよどむ。もちろん他の俳優の演技論に少しの間騙されているだけなので、時間の問題で「そういや俺ハリーだったわ」ということを思い出して本来の物語にはいずれ戻るだろう。要は時間の問題ではある。



とはいえわざわざそんな時間が過ぎるのを待つ必要もない。今まさに私はハリーであり、宇宙が描いた物語を歩んでいることに疑いようはない。他の俳優のくだらない演技論を忘れればいいだけだ。であるからして、この肉体がする自然な動きをただ見守ること、ただハリーがやることを観ていることというのが私たちを本来の物語に戻すことに役立つ。



私たちは自分の力でどうにかしなければならないと考えてしまう。が、宇宙はハリーを創った時に既にハリーがハリーとして動くゼンマイを仕掛けており、あとは何もしなくてもハリーはハリーとしての物語を完遂する。逆に私たちはその本来のハリーの人生を邪魔して「いやいやマルフォイを攻撃するのはさすがに?」とか「ダンブルドアに毒を飲ませるのはちょっと…」などと「自分の善悪」を持ち出す。その善悪を元に行動をしても別に構いやしないが、それが宇宙の設計とはズレているがために物語に摩擦が生じてしまうのだ。だからそんなことはせずに、ただハリーがゼンマイで勝手に動いているのを「観ている」のだ。瞑想をすると人生がスムーズにいきだす、というのはこの由縁である。



「全ては幻だ」ということを聞いたことがあるかもしれない。インドのシャンカラだっただろうか、彼がいつも「全ては幻だ」なんて偉そうに言うもんだからある時周囲の人たちにマリオカートの赤甲羅のごとくゾウをけしかけられた。当然彼は避ける。恐れおののく。すると周囲の人たちは「おいおい幻じゃなかったんかw」と煽り散らかした。それを聞くとシャンカラは「いやこれも幻なんだが?」。



周囲の人たちが思い込んでいる「個人として恐れおののいているシャンカラ」という個人的行為者は幻だ。ハリーポッターでいえばダニエル・ラドクリフの存在である。映画にはハリーだけがいるのであってダニエル・ラドクリフがいるわけではない。よくこの個人的行為者、自分、自我といったものは影に例えられるが、映画の中のダニエル・ラドクリフと同じように「あると言えばあるし無いと言えば無い」「いると言えばいるしいないと言えばいない」のだ。



5000年前にシヴァが恋人のデヴィに語った「ヴィギャン・バイラヴ・タントラ」というものがある。直訳すると「意識を超えていく技法」だ。計112の技法から成っているのだが、その中の一つに「人生をドラマとして見る」というものがある。これなんかはまさにこれだ(語彙力不足)、自分が1人のハリーであることを自覚すること、ただ宇宙が描いた物語を演技しているだけだと想起すること…。



そうすればみんなもハリーになれるのだ。とはいえ地球に80億ものハリーがいたらうんざりするだろう。宇宙もどうやらそこまでバカなわけではないらしく、みんな違うように、それぞれの物語を用意してくれた。だから「◯◯みたいになりなさい」などと言う親、先生、社会は的外れなことを言っているのだ。誰もがその人自身の物語を歩むように脚本が描かれている。だから何者になれずとも、もうきっと大丈夫だ。





────────────────────


神か仏かそれとも己か
この世に引いた数あるボーダーライン
超えられないのは本当に線か
空回り絡まる思考回路
右の耳から洗脳済みのエイリアンズ
五月蝿いな

秘められた真実を
神様の名前を
地球の陰謀をこの時代に暴きたい
何者になれずとも
もうきっと大丈夫
誰もが幻を信じてやまない

地球儀の中を丸くくり抜いて
矢印足したら一つのボーダーライン
記号化される愛thenTT
男も女もその他の類も
無自覚の中で傷つけあったエイリアンズ
愛おしいんだ

爽やかな風吹く間に間に
自分らしさなどただ下らない
乱れた呼吸の隅
命を感じている

秘められた真実を
神様の悪戯を
今世紀最悪な嘘を
この時代に暴きたい
何者になれずとも
もうきっと大丈夫
誰もが幻を信じてやまない

気まぐれな旋律を
神様の名前を
地球の陰謀を
この時代に暴きたい
何者になれずとももうきっと大丈夫
誰もが幻を信じてやまない

The era will be over.

────────────────────




にほんブログ村 哲学・思想ブログへ