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昔々 自分の星の資源を全て食い潰し
食糧を他の星に求めて ある生物が地球にやってきました この生物は類人猿を改良し 他種を滅ぼしながら
無尽蔵に殖える「人間」を創りました
そして 収穫の時期がやってきます
人間を捕獲し 繁殖させ家畜化
彼らは その巨体を支える安定した食糧供給を実現し 食う食われる関係として 人間との共存を可能にしたかに思えたのですが…
一部の人間たちの反乱にあってしまい
その生物は絶滅寸前まで数を減らされてしまいました
🔵
しかし彼らにはプランBがあったのです
「力で従わせるんじゃない」
「人間が自ら喜んで服従する世界を実現するのだ…」
そうして彼らは人間社会の中枢に手駒を送り
政治・教育・報道を長い時間かけて変化させ
さらに長い年月をかけ 人間の文化と価値観を変化させる
結果 人間は彼らを「天人」と崇め 自らを捧げるようになり
頂点捕食者となった彼らは 遂に安住の地を手に入れたのでした
めでたし めでたし
食糧人類Re: -Starving Re:velation-. 蔵石ユウ/イナベカズ/水谷健吾 第5話より
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しばらく前にこの作品の前作にあたる「食糧人類」を読んだことがあった。その続編が出ていたことは知っていたのだが読んではいなかった。
つい先ほどからその続編を読んでいたのだがこれが非常に面白い。
なぜかって?今の人類をそのまま描写しているからだ。
ちなみに引用した文章の🔵で区切ったところより手前が前作で、それ以降が今作にあたる。
前作を読まずとも完璧に楽しめるように描かれているので心配はいらない。まあその辺りは漫画家さん流石としか言いようがない。
この「人類を食糧にする」的な喩えは昔から使われてはいる。
精神世界で有名なロシアの神秘家のゲオルギー・グルジェフは「ある生き物が月という装置を使って人間の感情エネルギーを採集している」と自身の著書のベルゼバブの孫への話の中で語っているし、
また無明庵EOも「宇宙生命体が人間の感情エネルギーを利用している」と語っている。
これらの話が本当かどうかは知らない。が、この例え話は「人類が今奴隷である」ということを人類に理解させる為に極めて優秀なのだ。
今日も、明日も、明後日も私たちは生き続けて行く訳だが、果たして「自分」として生きているだろうか?
それとも社会に条件づけられた、何一つ自分を持たない「奴隷」として蠢いているだけだろうか?
奴隷は楽だ。身の安全が保障されている。多くの日本人同様「世界最高寿命」を達成できるに違いない。
自分は苦しい。何の保障もない。組織の為でも、体面の為でも、身の安全の為でもなく、ただ自分のやりたいことだけをやる。多くの人間を敵に回すし、今身の回りにある関係はほとんど断ち切れるだろう。
こうやって比べてみると…
やっぱたくさん食べて、長生きして、たくさん子供作って、「奴隷」として「天人」に良質な肉を提供した方が幸せかな?
ちなみにここで6話まで無料で読める。6話までだけでも、今日本で出版されているどんなスピリチュアル本よりも為になることを保証する。