なぜ調査結果に被害者性別が盛り込んでいない?(スペインカトリック教会の聖職者による性的虐待調査) | mojorのブログ@事件等を教訓に己を律しよう!

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スペインのカトリック教会で、過去に聖職者によって少なくとも20万人の未成年者が性的虐待を受けていた可能性があるという報告書がまとまり、波紋を広げているとの報道が出ました。世界各地のカトリック教会で聖職者による未成年者への性的虐待が問題になる中で、スペインでも去年2月から国による調査が行われてきたといいます。
 
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NHKニュース  スペイン
スペインのカトリック教会 20万人の未成年者が性的虐待被害か

 


調査委員会は27日、これまでに8000人以上を対象に調査を行った結果、国の成人人口のおよそ0.6%にあたる人が、子どものころ教会の聖職者から性的虐待を受けたと推計されるという報告書をまとめ、地元のメディアは被害者は20万人以上に相当すると伝えています。

スペインのカトリック教会はこれまで、調査への協力を拒むなど真相の究明に消極的で、27日に記者会見した委員会のメンバーは「教会は長年にわたり虐待の事実を否定したい、隠したいという願望があった」と厳しく批判し、被害者に賠償するための基金の設立を提言しました。

カトリック教会の聖職者による性的虐待をめぐっては、アメリカやヨーロッパの各国で調査が行われ、隣国フランスでも21万人を超える未成年者が被害を受けたと推計されていて、スペインでの調査の結果も波紋を広げています。

 

記事画面

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記事を読み、8000人以上を対象に調査には性別を捨象した調査だったのか、それとも報道がそれを報じなかったのか疑問がわいてきました。
確かにカトリックでは司祭の身の回りを世話等する侍者は男の子ですね。男性たる神父を養成するミッション教育も対象は未成年を含めた若い男性でしょう。またカトリックの聖職者は婚姻や異性と性的な関係を持つことが宗規にて禁じられていますから、いきおい人間誰しもが持つ性的欲望は身近な少年に向けられがちであることは想像に難くはありません。
 
しかし今回の報道では被害者群の性別割合が報じられていないから、それは読者・視聴者の推察にゆだねることになってしまいます。
国が行ったという調査委員会は、カトリックの同性愛を厳禁する伝統宗規と宗教指導男性たる神父・司祭、教育者による性的加害対象のほとんどが少年であることの矛盾がつまびらかになることへ忖度する必要はいささかもないのではないでしょうか。
同委員会が意識してあえて被害者性別を公表しない、もしくはそもそもの調査に盛り込んでいなかったのであれば、記事にある同委員会のメンバーをスポークスマン(ウーマン)としたものと思われるカトリック批判はブーメランになっていないでしょうか?
 
なうてのキリスト教国のスペインのことです。国民の多くはカトリック信徒でしょう。もしかすると調査委員会の各委員がカトリック信徒で、少年への性的加害のみは扱わないとの忖度もしくは調査対象を特定する際の資料入手等の件で国内カトリックと何らかの取引でもあったのでしょうか。
 
報道する側も、被害性別の不明については記事の中で何か言及すべきでした。
 
いずれにせよ率直に言って肝要な部分が報じられていない記事だと思ってしまいました。