今回は一(いち)とは何か
 新聞を広げれば、世界各国で戦争の記事がない時はありません。ほとんどが宗教に絡んだ戦争が多く、嘆かわしい。
 テロ活動による残虐な殺し合い、いがみ合い等も多く、今世界は大変な事になっている。
 一(いち)を忘れているのではないか。スポーツにしてもよくスランプになることがある。ゴルフのジャック・ニクラースなどは自分の先生に礼を尽くして修正をお願いしたとのこと。一(いち)に返る事をしている。他のスポーツでも同じである、良い選手は一に戻って基本をやり直す事から始める。
 武道においてもどうしても行き詰ってそれ以上は出来なくなった場合は早く一に返って基本を遣りなおす。その気持ちが無ければ、良い武道家になれない。又、武士としても程遠い。教えを受けた先生に礼を尽くして教えを乞う事が大切である。
一(いち)とは何か。
Ⅰ、一は真理である。万物一理によって生じた、即ち根本である。
Ⅰ、一は万数の始めである。
Ⅰ、一は乾なり天に象(かたど)る。天は一を得て清くなれる。
Ⅰ、一は坤なり地に象(かたど)る。地は一を得て寧(やすく)。人は一を得て聖となる。
◎世界の宗教による一(いち)の教えを書いてみたい。
1・孔子曰く、我が道は一を以って貫く。
1・道教曰く、元を抱いて一を守る。(抱元守一)
1・儒教曰く、中を執りて一に貫く。(執中貫一)
1・仏教曰く、萬法は総て一に帰す。(萬法帰一)
1・耶教曰く、黙祷をして一に親しむ。(黙祷親一)
1・回教曰く、真を清めて一に返る。(清真返一)
 宗教団体の理念としては一を一番にあげているのが多い。
 私達も一に戻って考える事も必要な事かと思います。