2017年度の癌治療認定医試験を受けてきました。

 

他の方の試験対策(ブログ等)を見て、かなり役に立ちました。

 

色々お世話になったので、自分も今後試験受ける方に役立てればと思い、このためだけにブログを立ち上げました(笑)

 

自分の覚えている範囲で、2017年度の試験内容を記載いたします。

 

すべて再現できているわけではないので、間違いがあるかもしれません。

 

不備・批判等は受け付けませんので、自己責任で参考程度に見ていってください。

 

それではいきます。

 

 

【2017年 癌治療認定医試験問題 前半】

 

1.がんの生物学・分子生物学(2問分)

がん抑制遺伝子は、正常組織では機能していない ×
一塩基多型は、エピゲノム異常である  ×
がんは、遺伝子単体の変異で癌化する ×
HPVウイルスは、がん抑制遺伝子の不活性化に関与する 〇
テロメラーゼにより、癌細胞は不死化している 〇
がん遺伝子の活性化は、分子標的薬の標的となる 〇
感染によるがん化は、遺伝的素因によるものである ×
正常細胞は、足場が不安定な場所で増殖する?  ×

 

2.家族性腫瘍 (再現困難)

Li-Fraumeni症候群の原因遺伝子はTP53  〇

 

3.腫瘍免疫学

・保険適応ではない治療は? 2つ
①抗PD-1抗体
②抗CTLA-4抗体
③インターフェロン
④ペプチドワクチン  〇
⑤活性化自己リンパ球導入  〇


・腫瘍の免疫抑制機構で間違いを1つ (試験対策問題集に類似)
①Treg細胞
②MDSC
③TGF-β産生
④CTLA-4の抑制    ×?
⑤がん細胞上のPD-L1発現


4.がんの疫学

・本邦におけるがん発生要因で上位2つは?

喫煙  〇
飲酒  × 
感染性要因  〇


・感度について正しいのは?
感度と特異度はトレードオフの関係となる 〇
感度を上げる事が重要である ×
感度を最も重要視する必要がある ×
がん疾患を有する患者群における陽性となる確率の事である     △??


5.臨床研究と統計学

・Time to eventに含まれるのは? 2つ
全生存期間  〇
無増悪生存期間 〇
奏功割合


・正しいの2つ
αエラーは、帰無仮説が正しい時、誤って帰無仮説を棄却してしまう事である 〇
βエラーは、帰無仮説が正しくない時、誤って帰無仮説を棄却しない事である 〇
βエラーは検出力である ×
αエラーは、帰無仮説が正しい時、誤って帰無仮説を棄却しない事である  ×
βエラーは、帰無仮説が正しくない時、誤って帰無仮説を棄却する事である ×


6.病理学

・誤っているのは?
CDX-2  大腸がん
TTF  甲状腺がん
NapsinA 肺腺癌
CD3  B細胞リンパ腫  ×
S-100  メラノーマ


・誤っているのは?
ISH法は核酸を検出する検査である
FISHでは、特殊な顕微鏡が必要である
非蛍光性のキットがある
長期保存のために、蛍光色素を用いる ×?

 

7.画像診断学

・RESICTで正しいのは?
画像における一連の評価において、同一のモダリティを用いる 〇
画像検査において、評価箇所に合わせて最適な撮影法を行う ×
その他×に似たような内容3つ

 

・糖尿病患者において注意する必要性がある検査は? 2つ
造影CT  〇
造影MRI
PET-CT  〇
造影バリウム検査
造影US検査


8.外科治療学

・TNM分類について正しいのは?
治療方針の決定に言及している
薬剤の治療効果の判定に用いる
臨床分類と病理学的分類の2通りの分類がある 〇
NとMの2つで決定する
癌取り扱い規約は、TNM分類に独立していく方向にある


・感染の予防について正しいのは?
執刀開始4時間前に抗菌薬投与
低体温
カミソリで剃毛
長時間手術における手術中の抗菌薬再投与 〇
大腸手術におけるCefazolin


9.化学療法総論

・悪心嘔吐について正しいのは? 2つ (再現困難)
低リスク群に対しては、コルチコステロイド単剤を用いる 〇?
CDDP投与に関しては、5HT3受容体アンタゴニストとステロイドを用いる 〇?


・血管外露出における、壊死性(vesicant)に分類される薬剤は?
GEM
MTX
5-FU
epirubicin  〇
cyclophosphamide


10.分子標的療法

・分子標的薬と抗体の組み合わせで正しいのは?1つ  (2016年度と同じ問題だったようです)
ALK   alectinib   〇
RANK  denosumab  × (RANKLが正解)
PD-L1  nibolumab   × (PD-1が正解)
VEGF  panitumumab


・血管新生阻害薬に特有の合併症2つ
高血圧  〇
タンパク尿 〇
肝機能障害
腎機能障害
皮疹


11.放射線療法

・直列臓器リスクとなる臓器1つ

脊髄 〇
肝臓
腎臓


・誤りを1つ
骨軟部腫瘍に重粒子線
前立腺癌に小線源
子宮がんに膣内照射
乳がんに定位放射線 ×
甲状腺癌に内用療法


12.緩和医療総論

・緩和ケアについて正しいの2つ
疾患の早期に行うことが大切 〇
クオリティ・オブ・ライフを改善するのが目的 〇


・オピオイドについて誤ってるの1つ (再現困難)
モルヒネのレスキューは1/6
オキシコドンのレスキューは1/8~1/4
フェンタニルは、モルヒネの75~100倍の効果あり
モルヒネの2/3とオキシコドンは同等


・正しいのは? (再現困難)
自宅では輸血できない  ×
自宅では点滴を使用できない  ×

 

13.精神腫瘍学

・正しいのは?
がん患者の約半数は何らかの精神医学的診断基準を満たす  〇
うつ病患者に抗うつ薬を投与する際、効果がでるのに3日かかる ×?
うつ病とは、うつ気分の状態が3日続く必要がある  ×?
うつ病に対し、SSRIの有用性は低い ×


・正しいのは?
病気や死を受容することを目標とする
医療者が最後まで訪れる事は避ける
非言語的なコミュニュケーションは避ける
心理的防御機構として否認が見られることが多い  〇
否認が認められた場合でも、強い精神的苦痛が存在するかどうか不明である


14.がん救急

・心タンポナーデについて正しいのは?
原因は悪性リンパ腫が最も多い
症状として、息切れ、浮腫、頻脈がみられる 〇


・高Ca血症について正しいのは?(選択肢再現自信なし)
Caが9を超えた場合に治療を行う
サイアザイド利尿薬を使用する
多発性骨髄腫では、Caが骨から血中に流入する事により発症する 〇
扁平上皮癌では、ビタミンが活性化されて発症する


15.がんの診療と倫理

・医療倫理の4原則で誤っているのは?
自立尊重
無危害
善行
正義・公正
個人情報保護  ×


・利益相反について正しいのは (選択肢不明)
線引いてるとこ出てました