坂本龍一さん「最期は京都で」 ボウイ氏ゆかりの地一時所有



1/10(水) 17:00配信 京都新聞

 世界的に活躍する音楽家の坂本龍一さん(65)が、長く住む米国ニューヨークから京都市内に移住しようと計画していたことを京都新聞社の取材で明かした。場所は故デビッド・ボウイ氏ゆかりの邸宅があった九条山(山科区)で、坂本さんとボウイ氏は映画「戦場のメリークリスマス」で共演している。坂本さんは2013年に土地を購入したが、翌年がんと診断されて売却した。坂本さんは「最期は京都で」と、京都への思い入れを語った。

 ■がん治療で断念
 ニューヨークに30年近く住む坂本さんは還暦を迎える頃に日本に戻ることを考えたという。東京で生まれ育ったが「東京にはもう魅力がない」と、芸術家や学者の知人が多い京都で物件を探し、九条山の土地に行き着いたという。
 その土地にはかつて、米国人の東洋美術家の故ディヴィッド・キッド氏が住んでいた邸宅があり、ボウイ氏がたびたび訪れていた。「ボウイが来ていたことも知っていた。近くに知人も住んでいて縁を感じた」と購入した。知り合いの建築家に依頼し、家の設計案を詰めていたという。しかし14年に中咽頭がんと診断され、治療に専念することになった。
 15年に映画「母と暮せば」などの映画音楽で復帰。昨年は8年ぶりのアルバムを完成させた。坂本さんは「京都は森も水も豊かで、おいしいものもある。当分ニューヨークで暮らすが、いつか(京都移住を)実現したい」と語った。