九条山(キッド邸)))を、登って右に曲がると
ここに辿り着く。
僕は、玄関口でインターフォンを押した。
すると即座に
「おまちしてましたよ」の声と、門扉が開く音。
現れたのは、まぎれもなく69べいさんだった。
辺りにいい香りがする、これはアラミスだ。
「さあ、どうぞ」
69べえさんに案内されて、奥の居間に。
「そうか佐川さんも(清さん)も、外国まで荷物を運ぶようになったか!」と
感心したそぶり、お付き合いはとても古そうだ。
そしてその目は、どこかお茶目でやさしい。
ふと私は心の中で
「この御仁、京都どころか日本のフィクサーなのに?」と安堵した。
こんな人と出会うとは、
わしは、とてもラッキーである。
京都ロックの元祖は、やはりこの透徹したお爺さんだった。
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