天皇、皇后両陛下は26日から5日間の日程で、フィリピンを公式訪問される。首都マニラに滞在し、先の大戦で命を落とした日比両国の戦没者を慰霊するとともに、マラカニアン宮殿(大統領府)で催される晩餐会で天皇陛下がお言葉を述べるなど、両国の友好親善に努められる。歴代天皇として初めての同国訪問で、両陛下にとっては、皇太子夫妻時代の昭和37年11月以来、54年ぶり2回目のご訪問となる。

 今年は日本とフィリピンの国交正常化60周年にあたることから、昨年6月に国賓として来日したアキノ大統領から両陛下のご訪問の招請があった。国際親善を目的とする公式訪問という位置づけだが、同国は先の大戦最大の激戦地である上、両陛下は国籍を問わずに全ての戦没者の霊を慰めたいとの強い意向を持っておられることから、宮内庁は日本人戦没者の慰霊碑「比島戦没者の碑」と、フィリピン人戦没者が眠る「無名戦士の墓」でのご供花を日程に組み入れた。

 先の大戦中には、同国のルソン島で約27万人、レイテ島で約8万人、ミンダナオ島で約6万人など、多くの日本兵が戦死。フィリピン全域での日本兵戦死者は51万8千人に上る。また、同国側の犠牲者も極めて多く、110万人とも言われる。両陛下の「ご慰霊の旅」は続く。

ヤフーニュース

ご無事を祈る。