山田洋次監督、松竹100周年記念映画。
志村けん主演。
共演は菅田将暉。志村の若い頃の菅田将暉が演じる。
他に、永野芽郁、宮本信子が出演。
原作は原田マハの同名小説。
タイトルから想像する通り、映画への愛情にあふれた作品です。
ギャンブルと映画をこよなく愛する借金まみれのダメ親父が主人公。素人ながら映画についての思いを書くことがテーマになっていて、映画レビューブログなんかも出てきます。
何これ。めっちゃ観たい。
小説はもちろん志村けんさんを意識してるわけはないんだけど、そう意識して読んでると、もう志村さんにしか見えなくなってきます。
脳内で映像が、志村さんの演技が再現されます。
さすが山田洋次監督。見る目がすごい。
あえてコメディアンの役ではなく、「こだわりの強いダメ親父」役というのが面白いと思います。見てみたかった。
志村さんはコント一筋で、俳優として出演したのは1999年の「鉄道員(ぽっぽや)」くらいなんですね。
ドリフターズの映画も荒井注時代のものばかりだから、端役でしか出てない。
今回の企画は実に20年ぶりの映画出演。50年のキャリアがあって、なんと映画初主演なんですね。
満を持しての、晴れ舞台。それなのに…。
山田洋次監督のコメント。
「キネマの神様」の出演辞退でがっかりしていたぼくにとって、言葉を失うほどの衝撃です。志村けんさんは日本の喜劇の世界の宝でした。その存在がどれほど貴重だったかを、彼が少しでも自覚して健康に留意してくれていたら、と彼の早死が口惜しく、残念で残念で仕方ありません。
ついこの間、テレビで元気なところを見たのにね。この暴力的な持っていかれ方は、「自覚して健康に留意」したところで、どうにもならない気がします。
本当に、何ということなんだろう……と思うしかないですね。
小学生の頃のヒーローだったなあ。物心ついた頃、最初のヒーロー。
ドリフで、志村さんで育ったようなもんです。同じ世代の人はみんなそうだと思うけど。
有名人が亡くなるのを何度も見てきたけど、これはない…と思ってしまいます。
こんなのは、ない。
「キネマの神様」は2020年12月公開予定です。志村さんの役をどなたがやるのかは、まだ決まっていません。
志村けん主演の「キネマの神様」は、幻の映画になってしまいました。本当に、本当に、観たかったなあ……。
ご冥福をお祈りします。合掌。
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