世の中のプロデューサー・制作・演出家たちがよく同じ話をしている。

 

「あの子は優先順位間違っちゃってるよね」

 

今までは笑ってきたり客観的にみてきたりしている立場だったのだが、

プロダクション業務もやるようになってきて、改めて思う。

間違っちゃっている人めちゃめちゃ多いな!!

と。

 

例えば、

◯◯月から稽古が本格的に始まるので、その期間中に稽古に集中できるために今の時期はバイトに専念しよう。

 

これ、めちゃめちゃ理解できる。目的に対して行動が明確に向いているもん。

演劇界、いや、一応ここでは芸能界にしておこうか。そこで多いのが、下記のパターン。

 

その日はバイトなんで行けません(早退します遅刻します)。

これが稽古だとなんとかなることも多い(学生出ている芝居とかだと学業優先な考えもあるから遅刻早退にはある程度は寛容)。

でもこれが撮影だったら?その日に来れない人はもういらないよね。

 

オーディションもしくはオーディション前の段階で、スケジュール出してください。

というと、目一杯×ばかり書いて出してくる人がいる。

主催側制作側の立場からすると、この人なんで出してきたの?なんで出演OKしたの?

と考えてしまう。募集要項に「NGがある人は事前提出してください」

と書いてあるとして、その読み取り方できていますか?

と思ってしまう。

ものすごい条件にマッチするとか、ものすごいフォロワーがいてどうしてもこの人のオファーしたいとか特殊な能力を持っているならともかく、他の人で差し替えが効くレベルで提示をどうするのか考えたことあります?

「NGがある人は事前提出してください」

の読み取り方は、

「スケジュールOKの応募者の中でピンとくる人がもしいなかった場合、次の候補としてあなたたちの中から選ぶことがあるので一応、応募してください。」

という意味で、撮影(稽古)スケジュール自体をあなたたちに合わせますよという意味ではないです。

学生なので学校優先はもちろんスタッフ側もできる限りそう考えてはあげます。

でも、その仕事で生活している人たちが、あなたのためにスケジュールを合わせる必要性をあなたが提示できますか?

それって本当に仕事にしたいことなんですか?

って、逆の立場なら思いませんか?

学生ならまだしも、フリーターの自称プロの役者。もしくは謙虚に役者の卵と言っている人たちにも本当にこれが多い。

その調整に融通が効くことまで考えて今のバイト選んでいますか?

その時点で優先順位がもう崩れかけていると思ってしまいます。

決められたもの決まっている条件の中で最大限にやれることをプロと言うし仕事だと思っています。

悪いけど技術力とかはその次です。

(先にも書いたけど何か圧勝しているものがあるなら話は別だ)

 

僕もオーディションする側に居ることあるので、そういう時に、こういう質問をします。

 

「アルバイト何やっていますか?」

 

持ち時間と人数にもよりますが、

簡単な雰囲気で聴きます。軽く心を解きほぐしていく流れの中で他愛もなくそういう話をします。

「シフトとか大変でしょ?」

とか聞いたりします。

ごめん。実はそのあなたの心情には対して興味はないんだ。

探っているんだ。状況を。

わかりやすくこの期間中は優先してくださいという団体もいるけど、主催側は主催側で、お金を多くきちんと払えるわけじゃないので強くは聞けないから探り合いなんだ。

ステージギャランティもしくはキャッシュバック(併用も)がほとんどの業界なので、稽古に何回参加しましたがイコールギャラに通じるわけではないので、どのくらいでることができてどういう感じでスケジュール組んでいるのかを探ります。

 

さらにもう一つ

スケジュールブッチしてくる人はめちゃめちゃ印象悪いです。

これ主催側でも多いからなんとも言えないんだけど(自分たちの公演延期しておいて言える立場じゃないし)、

「やっぱりダメになりました」

これをすぐに言えちゃう時点でその人には仕事はもうふらないふってこないと思った方がいい。

 

理不尽じゃん。そんな劣悪環境なの?

今時そんな世界なの?変えた方がいいよ。もっとそれぞれの自由を尊重して。

労働時間が。

色々思う人もいるかもしれない。でもね、変わっていった方がいいこともたくさんあるけど、

ひとつだけ変わらないのが、

「本当にやりたい人」

だけがいる世界で、さらにその中の「売れる実力がある人」だけが生き残れる世界です。

だから優先順位を間違えている人たちは、「本当にやりたい人」には僕たちからは見えません。

実際には、優先順位を間違えている人の中に「本当にやりたい人」がいるのだと思います。でも、その人は気がついて優先順位を変えない限り業界からはそういう存在には見えないのです。

 

この業界の仕組みを理解している職場もたくさんあります。

同じ立場の俳優さんが経営している店だったり元芸能系の仕事をしていた人がやっている職場もたくさんあります。

コロナ禍を通じて、僕自身も、そういう人たちが定期的収入を得られる労働環境を整える側にいます。

神奈川限定なら紹介もできます。

 

まずは優先順位から見直しませんか?

なるべく多くのチャンスを手に入れられる環境整理。

自分がどう売れたいかどういうジャンルに行きたいかの自己分析。

そのための最短の道筋を描く、そしてその道筋を日々アップデート。

 

これがまずは基本です。

そして正しいレッスン、正しい出演でキャリアを磨いていくしかないのです。

 

あと、もう一つこいつとはやらない。と思うのが催促しないと宣伝しない人ね。

俺なんていやらしいから全員がやっているかチェックするところから1日が始まります笑

 

まあいっぱいあるなー。

歌とダンスのレッスン歴ないのに商業ミュージカルのオーディション受けるとか、言われたらどうするなんて話もしました。

韓国なら出身大学と師事した先生まで経歴に求められます。

日本は免許がないです。名乗れば自称プロです。もちろん不遇な才能あるアーティストたちもたくさんいます。本当にたくさんいます。コロナ中に初めて自分で色々企画する側に回ったちゃんと「プロ」な方々もたくさんいます。

僕はなるべくそういう方の助けをしたくて、そういう人になって欲しい人たちを含めて色々声かけをして今のプロダクション事業部があります。

仕事を探す能力は必要ないと思うから少しでも情報を手に入れるために僕らを利用してくれればいいけど、ただ出すだけなんだから(しかも出すのもうち)連絡くらいまめにすればいいのにな。出してみればいいのになってだけです。

(上の例みたいな無鉄砲な応募じゃなくてね)

 

この辺りはこの1年で変わってきた目線なんだろうな。

ますます嫌な人間になっていくな笑

そしてこれは自戒の意味も大いに込められていることだけきちんと明記しておく。

 

あ、これ読んで共感したフリーランスの方居ましたら、エージェント契約やっております。

全く営利的じゃないです笑えるくらい。もう少し営利的になりたいからよかったらご参加ください。

 

 

 

 

笹浦今後の予定

 

笹浦舞台監督

Dance Company MKMDC

「ORICHIKA15」

7/10,11

@和光市民会館大ホールサンアゼリア

 

笹浦舞台監督

Envisionnexstage

「Footstep vol.1」

7/24,25

@埼玉会館

 

笹浦舞台監督

ヒロセプロジェクト

「彼女はきっと魔法を使う2021」

8/7〜11

@ラゾーナ川崎プラザソル

 

笹浦演出

静岡市子どもミュージカル

8/21,22

@静岡市民文化会館

 

笹浦舞台監督

Envision Nextage

「InterXion」

9/4,5

@シアター101

 

笹浦ディレクター

「あの日から産まれたもの〜想いを風化させないために〜」

9/11

@くにたち市民芸術小ホール