チョイと思うところあって、書いてみます。
以下は、ある不動産店の営業社員(以下、営)と、お客様(以下、客)の会話です。
客『ところで、このマンションは駅からどれくらいの距離なの?』
営『ええと、最寄の駅からは7分ほどですね。』
客『でも、不動産の方が言う7分って、実際は10分くらいかかるでしょう?』
営『確かに歩くスピードには、個人差がありますからね……
ですから、私たちは80mを1分に換算して、お伝えするように指導されているんです。』
客『ふ~ん………』
営『』
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
物件から最寄り駅までの距離は
不動産の表示に関する公正競争規約施行規則 第11条の(8)~(10)に記載されていますが
要約しますと
『物件から交通施設までの最短距離を、80m=1分に換算し、80mに満たない端数距離は1分に繰り上げ』。
例えば、240m=3分、880m=11分。
300m=3分+60m≒4分、1,000m=12分+40m≒13分となるワケです。
ちなみに、その途中の信号や坂道による時間の加算や
交通施設の入口から乗車口までの距離は一切加味されません。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
営『確かに歩くスピードって個人差があるからなぁ~……
そうだ実際の距離なら個人差は無いから、お客様には距離でお伝えしよう
』
客『ところで、このマンションは駅からどれくらいの距離なの?』
営『ええと、最寄の駅からは500mです。』
客『500mって、歩いたら何分くらいかかるの?』
営『ええ~と、80mを1分に換算しますので、約7分ですね……』
客『ふ~ん………でも、不動産の方が言う7分って、実際は10分くらいかかるでしょう?』
営『(TдT)』
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
営『お客様は、駅まで○○分っていう表記に慣れているからなぁ……
○○○mですって言ってもわかりづらいよなぁ~
でも、スピードには個人差が……あ、そうだ』
客『ところで、このマンションは駅からどれくらいの距離なの?』
営『はい、最寄の駅からは500mです。
ところでお客様は、現在のご自宅から○○駅入口まで何分かかっていますか?』
客『え?今は8分くらいだけど?』
営『(地図を見ながら)なるほど。今のお客様のお住まいから○○駅までは約800mです。
それを8分というコトは……お客様、歩くのが早いですね(笑)
今度の物件から駅までは約300mも近くなりますので、お客様でしたら5分ほどですよ。』
客『ああ、そんなに近くなるんだ!この物件、イイですね!』
営『』
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ハッキリ言って、調べるのに手間はかかりますが
お客様が実際に歩くスピードという基準が明確なため
営業社員もお客様もわかりやすいというメリットがあります。
また、お客様が現在お住まいの近辺の地図をご覧いただきながら
『今度の物件は今より200m近くなりますので、今のご自宅手前のコンビニくらいまでですね。』
『今より100mほど奥になりますので、いつも使われているスーパーくらいの距離ですね。』
といった補足も付け加えますと、お客様のイメージはさらに明確になることでしょう。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
多数のお客様から『わかりやすい!』との評価を得て、少々得意になっていたこの営業社員。
しかし、ある日、落とし穴が待っていました
客『ところで、このマンションは駅からどれくらいの距離なの?』
営『はい、最寄の駅からは500mです。
ところでお客様は、現在のご自宅から○○駅入口まで何分かかっていますか?』
客『え?今は会社まで毎日、車で通勤しているから、歩いたことが無いなぁ……』
営『ヽ(;´Д`)ノ』
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
このようなお客様、決して少なくはありません。
その他にも、最近まで学生サンだったりすると
『学校まで毎日30~40分歩いていました(`・ω・´)』
『いつもは自転車です(`・ω・´)』なんてことも有り((笑)
今でこそPCの地図ソフトや、Googleマップなどの計測ツールが豊富ですが
昔はホントに大変でした……
結局、この営業社員は、明朗な距離の説明方法を確立できぬまま
現場から去ったようです。
不動産営業は大変ですが、奥が深くて楽しい♪
ガンバレ、営業社員!(←他人事w)
一位争い激戦中
ご協力のクリックを!
好立地の投資物件! ⇒ コチラ