そのお客様、築年数にはこだわらないので
とにかく安くて広いお部屋をお探しでした。
いくつかの候補物件をピックアップし
大家さんに連絡を取ります。
営業社員『大家さん、○○アパートをご紹介したいのですが……』
大家さん『ああ、今ちょうど空き部屋を掃除しているから見においで♪』
お客様に清掃中である旨を伝えましたが
それでも良いので見せてほしいとの返答。
早速ご案内に出かけます。
営業社員『お客様、先ほど申し上げたとおり清掃中ですが、どうぞご覧ください!』
そう言って扉をあけた瞬間、部屋の中からは過剰なほど爽やかな柑橘系の香り
何事か?と思ってお部屋に入るとそこでは清掃作業中の大家さんが……
大家さん『あら、いらっしゃい♪今は作業中でお見苦しいけど、キレイにするからね!』
その当時で築後30年ほど経過していたそのアパート
室内の壁には壁紙が貼られておらず、ペンキで塗装された壁なんです。
ご挨拶もソコソコに、再び以前の入居者が汚した壁をゴシゴシとこすりはじめる大家さん。
その手に握られたいたのは半分に切ったレモンでした
大家さん『いや~、前の人が結構汚してくれちゃって、なかなかキレイにならないわ~』
大家さんの足元に転がる十数個の使用済みレモンを見つめながら
絶句するお客様と営業社員………
大家さん、その”ばあちゃんの知恵袋”的清掃テクニック、間違ってると思います。
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現在のように大家さん同士のネットワークが無かった時代
オリジナリティ溢れたアパート経営が多くて面白かったです。
なかにはココには書けない様なぶっ飛んだ発想も………(^^ゞ
※このシリーズはあくまでも『与太話』です。