(過去ブログ 第九演奏会① の続き)
ベートベーン作曲「第九」演奏会の合唱団に、K君と私の2名で応募しましたが、以下の難関を突破しなければなりません。
【難関1】K君が最初から全く興味無しと言うかも。
【難関2】練習が面白くないとかでK君が途中でやめるかも。
【難関3】てんかん患者の参加について運営の理解が得られるだろうか。
【難関4】万が一本番で発作が起きたらどうする。

まず【難関1】
K君は何事も「初めて」に対してとても慎重で、選り好みが激しいです。

食べ物、人、場所、行事、どんなものでも最初の一歩を踏み出すのに時間が掛かります。

新しい一歩を踏み出さずに特定の限られた物事を繰り返すことで満足する(安心する)傾向が強いです。
(これはてんかんの副次的な特性かもしれません。)
よって、こんな大イベントに出ることに対して、簡単にウンと言わないのではと思っていました。
ところが意外にも、特に説得を要することもなく、K君はウン、のお返事。
おそらく、K君が小さい頃から私が車で第九を聴いていたので、曲は「初めて」ではなかった、というのはあるでしょう。
それと、人前でステージに立つということについては、もしかしたら学校の合唱コンクールを想像したのかもしれません。
OK,OK、本当はその何倍も壮大なイベントなんだけどね。
多くは語るまい。
理由はどうあれ、まずは一つ突破です。

次に【難関2】
演奏会本番までに10回程度の練習会があります。
正直なところ、合唱の練習って、思春期男子高校生にとっては全く面白くないと思うのです。
 ・発生練習では直立してひたすらアーとかオーとか・・
 ・パート練習では楽曲の面白さがみえない
 ・歌詞はドイツ語でなんのことやら
 ・参加者の平均年齢は男女とも50歳(推定)、未成年はK君だけ
挫折の要素がたっぷりありますね。
合唱に行く時間があるなら、釣りに行こうぜ、と言い出しそう。
ですから、とにかく私が盛り上げなければ、K君を誉めまくらなければ、とリキんでいたのですが・・
これもまた意外にも、むしろちょっと楽しそうに練習に行くのです。
やっぱり歌うことが好きだったのですね、J-POPに限らず。
それと、先輩参加者の皆さんが、K君を盛り上げてくれた(持ち上げてくれた)のも大きかったと思います。
この手のイベントは、若い参加者が重宝されるのですね。
練習中や練習後に皆さんからよく声を掛けてもらえました。
「若いのに難しい曲に挑戦してすごいね」
「よく声が出てるね」
「高校生は勉強もあるのにえらいね」
思考回路が比較的単純なK君の自尊心をくすぐってくれたのだと思います。
ということで、10回の練習を乗り越えることができました。

さて、本当の難関は【難関3】【難関4】です。
てんかんのハンデから来る難関です。
[続く]