株式会社ユースターリノベーション様より故障した床下換気扇の交換依頼をたまわりました。

 

工事立ち合いの担当者様と依頼主のご主人様が、途中よりお留守にされたので、

ブログにより詳細報告させていただきます。

 

この度の器具はおよそ20年前にモイスコジャパンにて設置したもので、その役目を終え新しい器具にバトンタッチします。

 

 

 

 

 

これから床下に入ります。

 

 

①の換気扇が止まっていると連絡を受けていたのですが、入ってみると③₁も止まっていました。

辛うじて②だけが動いていたのですが、取り付けから20年経過しているので、

近い将来に起動不能となるのは間違いないと思われます。

 

このような状況で、3台全て交換工事となりました。

 

 

 

まず、器具を更新するにあたって、現状回復+αの提案を行います。

 

床下を点検し、簡単な基礎伏せ図を作成し換気扇の配置を検証します。

 

3台の排気型が取り付けてあますが、トイレ下①とキッチン下②の器具は、通気孔を介して外気に排出していますが、③₁の排気型は、床梁に吊り下げてあり送風・攪拌の用に供しております。

 

しかし、9ヶ所の通風孔に対して、外気に排出している器具が①と②の2台のみでは少なすぎます。

 

2ヶ所から排出して、7ヶ所から外気が流入しますが、排出した箇所の気流は強くなりますが、流入ヵ所の流量はそれぞれにばらつきはありますが、2/7となってしまいます。

 

 

そこで③₁は設置場所を変更し、脱衣・洗面所の真下に取り付け、外気に排出させます。

 

 

この配置により、3台の排気型は排出を受け持ち、外気流入ヵ所の流量も3/7とアップし、床下全体の通風が向上します。

 

しかし、床下換気扇を設置するには、決して安くはない費用が発生します。そこで換気扇の効果をさらに極限まで向上させるためには、器具により排出される空気が、できるだけ長い経路を通過してより多くの湿気を外に運んでくれる経路を設計します。

 

そこで、AとBの通風孔をポリカーボネートパネルにより塞ぎ、できるだけ換気扇の対角線の反対側の遠い通風孔から、外気を吸い入れるように仕向けます。

A

                 

 

B

                 ↓

 

この作業により、吸入側の流量は3/5となり、さらに床下全体の均一に近い気流の増加が達成されました。また、北側の通風孔は床下換気扇のパネルとポリカパネルにより塞がれる形となり、冬期の北風を遮断する役目も果たします。

 

 

 

これより①を交換します。

 

 

 

よく見ると、

 

 

 

ん~!

ビスが上3本しか止まっていません。しかも上方には基礎と土台の段差と右端には大きな隙間が空いており、排出した空気が各々の隙間より還流してしまいます。

 

 

つまり、効率が悪いのです。

 

 

そこで、上方には木材のスペーサーを、右端にはポリカのパネルを取り付けます。

 

 

さらに、器具の脱落と不正振動を防止するために、8本のビスでしっかりと基礎・土台に固定します。

 

 

これでOK!

 

 

上の画像を見て、器具がさかさまに取付いていると騒ぐ輩がいるかもしれませんので一言添えます。

 

 

以前、ヤフー知恵袋で、

「訪問し床下を点検した業者が、床下換気扇が逆に取付いている、危険なので取り換えなければいけないと言われた、どうしたらいいですか?」

という相談があった。

 

モーターとファンの軸が、グランドラインに対して水平に取付いていれば、器具の上下が逆さまであっても機能・耐久性に問題はありません。逆に、正位に取り付けるとサクション(吸い込み口)側から断熱ウールや木くず等を吸い込み、絡めてしまうトラブルが発生することがあるので、敢えて逆に取り付けることも多いです。

 

インターネットのにわか専門家や、悪徳業者の植え付ける強迫観念には専門家による直接のアドバイスを仰ぐ等の解決をお勧めします。長い付き合いの大工さんでもよいでしょう。

 

さらに、多くの床下換気扇の排出口は、パネルの中央ではなく上下左右でオフセットされており、それにより様々な条件下で上下左右にずらしながら最適な位置決めができるように設計されています。そもそもそのような設計であるものに、異常と訴えること自体がナンセンスであり素人が馬脚をあらわにしたとして体よくあしらってください。真に受けるとろくなことにはならないでしょう。

 

 

 

 

②のキッチン下。

 

やはり断熱材が脱落しています。

しかし、良くあるグラスウールではなく、発砲スチロールなので絡めてはいません。

 

しかし、取り外してみると格子に穴が開いてます。

 

さらに真上にも穴が、、、

 

 

リフォーム時に床から開けた配管の穴が、換気扇上方の吸入格子を直撃し、破壊しています。

 

職人さんは、ガリガリという異常な音と手に伝わる感触で、開口作業を中断し、右横7センチに逃げました。

 

 

しかし、幸いにアルミ製のファンの部分には達していないので、機能には影響していません。

 

 

 

さらに、通風孔の格子と防虫網の間に、つる草が入り込んでおり、ファンに絡まる恐れがあります。

 

 

 

きれいに取り除きました。

 

 

 

 

左側にあった隙間を、ポリカパネルにより塞ぎます。

これで、OK!

 

 

 

 

③₁は撤去し、③₂に配線し設置箇所を変更します。

 

 

③₂の取付位置。

                 ↓

 

こちらも土台の下に胴縁を取り付け、パネル上方を受け止め、右側にポリカパネルを取り付け完了です。

 

こちらの箇所は、真上に火打ち金物がボルトで取付いている事と、通風孔の高さの余裕が全くないことにより、正位での取付は不可能です。しかし、通風経路の設計上、この位置に取り付ける必要性があったため、床下換気扇の上下を逆にして取り付けました。

 

 

 

最後にコントローラー(オートタイマー)を取り付けます。

 

   

 

右の古いタイマーから左の新しいタイマーに付け替えました。

 

 

 

これで、本日の床下換気扇交換工事は完了しました。

御施主様、有難うございました。

 

 

毎日、このような手直し&交換工事を行っています。

完璧な工事を目指して日々、研鑽しております。

 

ブログ閲覧の皆様、今後ともよろしくお願い致します。

 

 

 

 

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