5章解釈と手法 / テンピエットとラウレンツィアーナ図書館 | 65歳の芸大生

65歳の芸大生

定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、通信制の芸大に入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

創造という行為は、どのように行われるものなのでしょうか。過去のデザインを学び、その解釈から新しいデザインが生み出されるのか。それとも、デザインをする人間の内発的な発想によって、生み出されるのでしょうか。私は、創造という行為には解釈と手法の両方が必要だと思います。 ブラマンテによるテンピエットと、ミケランジェロによるラウレンツィアーナ図書館を取り上げ、ルネサンスとマニエリスムの時期を通して、芸術家や建築家たちが創造という行為をどのように考えていたのかを整理してみます。

Movie1・・・ 古典を解釈した祠 

Movie2・・・ 手法を駆使した図書館 

Movie3・・・ 「創造」とは?

テンピエットはブラマンテの設計によるものです。円柱学をはじめとした古典の伝統をふまえつつ、教会という当時の新しい建物に適用し、それがきわめて美しいプロポーションで成立しています。 サン・ロレンツォ聖堂ラウレンツィアーナ図書館は、ミケランジェロによって設計されました。バチカンのサン・ピエトロ大聖堂にある『ピエタ』や『ダヴィデ像』などの彫刻、『システィーナ礼拝堂天井画』や 最後の審判などの絵画と同じ作者です。弟子のヴァザーリはこの手法をマニエラと呼び、「自然をも凌駕する高度な芸術的手法」であるとしました。