あの子、どうしてるかな。
お父さんとお母さんが相次いで亡くなられて、本人も障害者手帳を持っていた。
日常生活が忙しくて、連絡が途切れがちで、
第三者から連絡をもらったときには、意識不明で病院に入院していた。

数年前は、同じような価値観を持って、ずっと元気に活動していて
美術館めぐりや彼女の友人の個展にも一緒に出かけた。

去年の春、お見舞いに行ったときは話せなかった。
夏に訪ねた時は、普通に食べたり飲んだり話ができるまでの大きな回復だった。
ちょっと病院が遠くて、自分の生活サイクルの中にお見舞いの時間を取るのが難しくて
気持ちの上では、行かなきゃ、行かなきゃ、と思っているのに。

自分の日常は、大して変わりなく毎日進んでいるはずなのに、
知らないうちにちょっとずつ誰かの身の上に変化が訪れていたりして、
連絡が来ると、いろんなことが毎日起こっているのは間違いないんだって思う。

梅が咲き始めて、季節が新しくなっていく前触れを感じる。
1年の始めに、今年やることを決めたときよりも、
今年これからきちんとやっておかなくちゃ、
と思うことを改めて思う時期です。

今年は、もっと日本古来の行事に興味を持つこと、
つまり季節とともに過ごそうと思っています。


世の中がめまぐるしく変わっていて、
政治のことなどまともに見ていたら気分がふさぎ込んじゃう。
だからといって暗い現実から目をそらすのではなくて、
でも自分のやるべきことをきっちりとひとつひとつこなしていくこと。

最近ね、いいCDをプレゼントしてもらったよ。

VASHTI BUNYAN / HEARTLEAP

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心が洗われるみたい。
ジャケットもすごく素敵で、聞いていても楽なのね。

ちょっとモヤモヤしているこの時期、素敵な音楽に巡り会えてよかったです。

いろんな方のブログにも
励まされたり楽しませてもらいながら過ごしている今日この頃です。

もうすぐ、ひな祭りなんですね。
みんなにとって良き春が訪れるといいな。

急に冷え込むようになった昨今より少し暖かい11月終わりの頃、桜の木に会いに行った。
樹齢800年以上の蒲桜  の古木。

もちろん桜のイメージである薄紅のたくさんの花びらが見られる訳でもなく
紅葉を始めた黄色みがかった葉っぱが、枝にまだついている頃だ。

以前は巨木であったが、現在は4本あった幹のうち1本が残っているらしく、
それも大きく斜めにせり出した姿をいくつもの支え木によってバランスを取っており、古木と書かれる。

柵で囲まれ、その幹に触れることもままならない。


もう何年も前に、不思議な夢を見た。

私は村の長である翁とともに山に入って行った。
人の歩く跡で自然と道が作られ、なだらかな坂をゆっくりと登って行った。

その頃、村では厳粛で偉大な儀式が何十年、もしくはそれ以上の時を経て
久方ぶりに行なわれることとなっていた。

しかしその儀式はあまりにも古く、誰も知るものがいない。
儀式を取りまとめるべく翁は困りながら、幼い私を連れて山へと入った。

一方、幼い私は犬と共に遊びながら、少し開けた場所ではしゃいでいた。
翁は、その傍らで長く考えていたように思う。
私は翁の心中など察することもなく、無心で駆け回り笑っていた。

すると一陣の風が大きく吹いて、まさに空間にそして心の中に響いてくる声が聞こえた。

――私はすべてを知っている、私は古からずっと見守っている、私に聞くがよい――

そこには、今の時代では考えられないくらいの大きさの桜の巨木がいくつもあり、
その一陣の風にのって、薄紅の花びらがサラサラと上から舞い降りてきた。

その威厳のある声の響きと神聖な空間に、
翁と共に子供の私でさえ我を忘れて空を見上げ立ちつくした。

そして『桜の巨木』という言葉がずっと心に残り、桜の咲く季節にはその夢を思い出す。


先日、かつての桜の巨木の一部を見に行った。
ベンチがいくつかあり、東屋のようなところがあり、先にカメラを持った女性がベンチに座っていた。
近くにあるお堂は、金属製の板で塞がれ、錠前をかけられ、
まるで閉鎖されたかのようになっていて残念だった。

狭い敷地内は、ぐるりと歩くとすぐに一周し、
枯れ葉を纏う桜の古木も紅葉も老齢にふさわしく対して華やかではない。

そろそろ立ち去ろうかという時、ご近所の方だと思う。
散歩の途中で立ち寄られたかのように、桜の前の東屋に少し休まれてから、
桜の古木の前でしゃがみ合掌し、塞がれたお堂の前でも敬虔に頭を下げて合掌されていた。

その姿がとても美しく、桜の重ねてきた遥かな時の重みを、改めて垣間見せてもらった気がした。
そしてベンチに座る女性に気兼ねをして、素直に桜に手を合わせられなかった自分が少し恥ずかしかった。

本格的な寒さをこれから迎え、季節外れな桜についての想いだが、
心に残るものがあったので記しておきたいと思った。