| CDアルバムのような本 この本、なんだかCDアルバムのようである。15編から成るこの本は、まるで15の楽曲から成るCDアルバムのようである。「本を聴く」という一文はおかしな感じだけれど、まさにその言葉がピタリと当てはまる。 POPな曲が流れたかと思うと、突然プログレ風になったり、ラブソングになったかと思えば、突然パンクになったり。それはまるで、音楽を聴いている感覚に襲われる。POPだったりパンクだったりっていうと、なんかまとまりがないように思われるけれど、しかし、バラバラに作り上げたシングル曲を集めるというのではなく、このアルバムのためにそれぞれをつくりあげた楽曲を集め、ひとつの作品にしているようなこの本は、まるでコンセプトアルバム。これは『サージェントペパーロンリーハーツクラブバンド』の本バージョンだ。 この本読むと、山崎ナオコーラさん好きな人はもっと好きになる気がする。もちろん彼女を知らない人たちだって、きっとおもしろいって言う気がする。あとがきで、「ほぼフィクション」とかいっているけど、フィクションに感じないかんじがまたおもしろい。(ほんとにフィクションなのかもしれないけど) 気難しい本に疲れたかたに、ぜひおすすめしたい本です。 以下、気に入った文章を引用します。 「そもそも、誰かのことを『知っている』か『知っていないか』というのは曖昧なものだ。顔を見たことがあれば、『知っている』と言ってしまっていいのか、見ていなければ『知らない』と言ってしまっていいのか、私にはわからない」 |