人は、肉体をもち、そして魂をもつ者しか"ほんとうに愛する"ことはできないのかもしれない。どちらかだけでは駄目なのだ。もちろん音楽や絵画も生きている。芸術は生きている。なぜならそれらは私たちに深い感動や喜びを与えてくれるものだから。しかし、それらに魂はあっても、肉体はない。人間は両方をもつことができる。


しかし、人間にも2つの種類に分けられる気がする。ひとつは、肉体と魂を両方もつ者。そしてふたつは、肉体しかもたないもの。人間なのだから、魂しかもたない者はいない。それは幽霊です。


これは恋愛小説。主人公は死んだ友人の彼女、直子と恋人関係になるが、そこに緑という新たな女性が現れる。主人公は心を閉ざし、深い傷を負った直子を、見返りを求めることなく深く愛した。その愛に嘘は全くなかった。しかし、緑という女性と出会い、彼女と過ごしていくうちに主人公は徐々に緑を愛していく。生への活力を失くした直子と、生を求める緑。死んでいるように生きる直子。生きているように生きる緑。彼女たちの決定的な違いは、魂をもつかどうかということだった。でも主人公は、直子も緑も心から愛していたのだ。最後にぽつんと取り残されてしまうような気持ちで終わるこの作品は、なんと言ったらいいのでしょうか。。。それは自分自身に聞いてみてください。