人と人との関係をいつから人は家族とか、親戚とか、友達とか、知り合い、そして恋人と呼ぶようになったんでしょうか。「この関係は、こういうものである」と決め付ける、ことばの力はすごい。 そしていつの間にか、そのことばに支配されている私たちはアホだ。中途半端、微妙な関係でなにが悪い。そういうのもなのだ、人間関係なんて。


繋がっているっていうだけで、素晴らしいではないか。という気がしてくる『カツラ美容室別室』は、読み終えると、ふと自分の身の周りを見渡したくなった。すると、出てくる出てくる、私とあの人たちの関係。そこに辞書にでてくるように完成された人間関係など見当たらないような気がした。それがいいのか悪いのかは人それぞれだと思うけれど、不完全だからこそ、人はやわらかく、青く、そしてどこまでもやさしくなれるのだと、そう思った。