はじめに
このブログは、
アルコール依存症の夫の妻として
大切なパートナーである夫の
アルコール依存症から回復するまで
得た知識や、学んだことなどを綴っていきます。
このブログが
大切な人が
酒癖が悪くて困っている!という方や
大切な人が、もしかして
アルコール依存症かも?と悩んでいる方
大切な人がアルコール依存症で
一緒に回復の道のりを歩いている方などの
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自己紹介はこちら
こちらのブログの続きです。
夫のいる場所へと車で向かう中で
失踪場所から15キロほど離れていたことに
まず驚きました。
何でこんなところに?
こんな炎天下の中で歩いて??
疑問だらけではあったけど、
無事だったことがとにかく嬉しくて
途中道を間違えつつも
現場に到着しました。
保護してくれた方はとても優しい男性でした。
夫は脱水症状を起こしかけて
意識朦朧としながら
自販機の前で倒れていたようで、
スポーツドリンクやお水を頂き
意識が回復し、休ませてもらっていました。
酒臭さがあって顔もげっそりだったけど
正気を取り戻していました。
「迎えに来てくれてありがとう、本当にごめんなさい。」
私を見るなり、
本当に申し訳なさそうに
頭を下げる彼。
いろいろ言いたいことはあったけど
そんな彼を見て私から出た言葉は
「生きててよかった。一緒におうちに帰ろう」
でした。
保護してくれた男性に
「もうこんなことがないようにね」
「とにかくよかった」
「脱水になりかけてたみたいだし、お大事に」
と笑顔でお声をかけて頂き
深々と頭を下げ、お礼を述べ
助手席に彼を乗せ
帰路につきました。
彼はとにかく疲れ果てていたので
まずはちょっと助手席で休んでもらいつつ
少し話をしました。
気がついたら失踪場所の近くの
ドラッグストアの隅っこで寝ていて
夜になっていたとのこと。
ポケットの小銭しか
持ち物がなく、
仕事現場にも戻ってみたけど
誰もいなくて
残っていたお酒を飲みながら
「歩いて家まで帰るしかない」
としか考えられなかったそう。
帰巣本能ってやつですね。
酔っ払っていても、
おうちに帰ろうというのは
本能がそうさせたのでしょうか。
でも、歩き出したはいいけれど、
途中の記憶があんまりないらしく
気がついたら、
身体がなんだかおかしくて
思うように動かなくなってきて
足が前に出なくなり、
倒れて動けなくなってしまったのだそう。
自販機の前だったこと
人に見つけてもらえて
保護してもらえたことは
本当に不幸中の幸いとしか言いようがないと
聞いていて思いましたし
記憶がないということや
まともな判断が出来なくなることの
なんと厄介で恐ろしいことか。
一歩間違えたら、本当に
死んでてもおかしくないと感じました。
(それでよく生きてたね!って思うことは何度となくあるのですが)
そんな、妻からの事情聴取の最中に
午前中に訪れた警察署の担当者から電話が入り
ちょうどさっき夫が見つかり、
今から帰るところです。と伝えると
「見つかったんですか??!!!」
と驚かれ
「それはよかった!詳しく経緯を聞かせてくださいますか?」
と、今度は私が電話越しに
事情聴取を受けることに。
一連の流れをお話しすると、
ご主人はラッキーでしたね。
酔っ払って死んじゃう人、本当にいますからね。
道路で寝ちゃったり、
線路で寝ちゃったりして亡くなる方も
実際いますからね。
この季節、熱中症や脱水症状で
亡くなる方もいますし。
ご主人には
お酒で死ぬ可能性があること、
今回、一歩間違っていたら
本当に死んでたかもしれないこと、
お酒との付き合い方を
改める必要性があることをお伝えください。
行方不明者届けは、
無事に見つかったとのことで
こちらで解除しておきますからね。
お気をつけて。
と言って頂き、
警察側も今まで、
お酒による残念な事例を
たくさん見てきたんだろうなと
胸が痛くなりました。
本当に残念なのは
本人の記憶が曖昧だったり
記憶がない状態で
その命を失ってしまうことだなって思います。
そして
残された家族側は
それはそれは、
やり切れない悲しさでしょう。
幸い、今回
命はあったけれど
”次”はないかもしれない。
彼に、前々から
アルコール依存症の検査を受けることを提案していて、
そのたびに
「自分はそんなことない」
「大丈夫だから」
と、
なあなあになっていたのですが
今回の一件でいい加減、
検査を受けることを承諾してもらいました。
そしてその前に
アルコール依存症をカミングアウトしている知人に
一度相談してみることにしたのでした。
つづく。
※このブログはノンフィクションです。写真は実際のものではありません。






