集中して夢中に取り込むことのできる何かに出会える奇跡。

挫折を味わいながらも仲間と進み続け、強靭な体と精神力を磨いていく。

何より湊は弓道が大好きで、そのまっすぐな気持ちが矢を射るたびにひしひしと伝わってくる。

私も小学校から高校までバスケをしていたけれど、湊のようにまっすぐにバスケと向き合ってはいなかった。

それなりにきつい練習量をこなしなから、県大会行ければいいかな。

そんな志も実力も底辺な部活。

和気あいあいとして先輩、後輩とも仲良くて楽しかった。

ただ、大会があるごとに試合会場で強豪校を見ると、たたずまいから明らかにレベルの違うその雰囲気に圧倒されていた。

弱小だと自覚しているが故の諦め。

あの時もっと、勝利に貪欲になっていれば違う景色をみんなで見れていたのかな。

湊達を見ているとあの頃の自分への葛藤と焦燥感、そして胸いっぱいに広がる羨望で呼吸が苦しくなる。

 

ツルネー風舞高校弓道部ー

 

何かを求めて心と身体がうずきだす。

熱くなる自分に出会える感覚に大人はお酒を求めずにはいられなくなる。