今回の今昔対比は前回に引き続き、東急玉川線を取り上げます。

 

 

前回に引き続き、今回もまた、デハ200形が登場しました。しかも前回と同じ、 「電バス」 に保存されている204号。

この画像は撮影日と撮影場所が判っておりまして、1959年8月6日とのことです。204号車に 「試」 のマークがぶら下がっているので、もしかすると、新製間もない204号車が試運転をしているシーンではないかと思われます。

で、撮影場所なんですけど、 「上通り」 ということです。えっ!? 上通りって何処よ・・・?

調べたら、今で言う道玄坂の辺りだということで、実際にそういう名の電停があったそうです。

 

 

この辺りと予想しました。

二子玉川園から玉川通りを真っ直ぐ東進した玉川線は、現在で言うところの 「道玄坂上」 で玉川通りを離れて道玄坂を下るような感じで渋谷駅方向に向かい、その途中 (道玄坂の交差点辺り) で道玄坂の通りを離れて玉川線の渋谷駅へと向かいます。現在の渋谷マークシティがある場所、あそこに玉川線の渋谷駅がありまして、玉川線廃止後は東急バスや東名急行バスのバスターミナルを設置しました。

 

現場を探すにあたって、色々と手がかりを模索したんですが、一番の手がかりになりそうな東京ガスの渋谷支店はここにはありません。ただ、 「Then」 の画像をまじまじと眺めると、線路が少し湾曲しているのが判ります。つまり、ちょっと下っている感じなんですね。ですから、現在もこの辺りからマルキューやJR渋谷駅に向かって下り始めるので、この辺りじゃないかって思ったんですね。

 

62年前からビルっぽい建物がありますけど、さすがに今も建ち続けている建物は無いっぽいですね。

デハ200の奥に見えるバスは、東京都交通局のトロリーバスです。

渋谷を走るトロリーバスは池袋-品川間を結ぶトロリー102系統のみで、ここにいるということは、渋谷折り返しの便なんでしょう。通常のバスと違って方向転換が容易ではないので、渋谷駅で乗客を降ろした後、大迂回して池袋なり品川なりへ向かったものと推察されます。

 

 

【 「Then」 の画像提供】

ウ様

【参考文献・引用】

古地図・現代図で歩く昭和三十年代東京散歩 (人文社 刊)

都営交通100年のあゆみ (東京都交通局 刊)