恭子&クラーク 第5話 | 新AK-3のいろいろブログ

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スーパーヒロイン、特にスーパーガール、スーパーウーマンについての妄想や鉄道の話し、たまにプロ野球の話しなんかもしたいと思ってます。

※このブログネタは99%の妄想と思い込みで、出来ています!

05 
編集局にきて数日がたち、ようやく仕事も慣れはじめた恭子は取材だけではなく事務的業務もこなすようになった。彼女のテキパキとした仕事振りは編集局のなかでも、頼もしい存在になりつつあった。
飛行機での日帰り取材を終え、編集局に戻った恭子は、さっそくパソコンに向かい、たまっていた書類の山を片付けていった。
そこへクラークが取材から帰ってきた。クラークは恭子の肩をたたき声をかけた。

「キョウコ、ずいぶん早い帰りだなぁ。空でも飛んできたか?」

「えぇ、私ならスーパーマンよりも速く飛べるわ」

2人のやりとりをカメラマンのジミーは横から見ていた。
彼は恭子のテキパキとした仕事振りに感心をしていた。

「しかし、キョウコの仕事はいつも手が早いなぁ。感心するよ。おまけに飛行機で往復の日帰り取材から帰って、休憩もなしだもんな。すごいスタミナだ。あれ?でも、こんなに早く帰れたって言うことはきのうから泊り込み?まさか、クラークの言うとおりキョウコは空を飛んでニューヨークに?それじゃぁまるでキョウコがウルトラウーマンみたいだな」

「なに、バカなこと言うの?違うわ。今朝早く出たのよ。一番の飛行機で。それに取材も早く終わって空港に行ったら、早い便のキャンセルがあっから、飛び乗ったの。ラッキーだったわ」


ジミーの横で2人の会話を聞いていたクラークは、笑いをかみ殺していた。
彼はテレパシーで恭子と会話をしていた。

「…キョウコ、おまえ、ジミーの言ったとおりか?気をつけろよ…」

「…ウフフフ。だいじょうぶよ。言い訳はうまく考えるわ。でも、こんなに仕事がたまっていると、早く帰らないと。って気になって…」

ジミーはクラークと恭子が顔を見詰め合って薄笑い浮かべる2人をへんに思い始めた。

「あれ?2人とも、どうしたんですか?なにか2人だけの秘密でもあるんですか?なんか仲間はずれみたいだなぁ…」

「あ、ジミーは知らなかったのか?俺とキョウコは目を見詰め合うだけで会話ができるんだぜ」

クラークは真面目とも冗談ともつかない顔で答えた。

「もう、クラーク、変なことを言わないでよ!気持ち悪い!」

恭子はそういいながらも顔は笑っていた。

…次の日、恭子は急な出張の命令を受け財布の中身を見ていた。

「あ、いけない…。まだ、キャッシュカードもできていないし、銀行に行かないと…。編集長、銀行でお金おろしてきます」

恭子はデイリープラネット社の近くにある銀行へ行った。

「あれ?なんか変ね。いつもと違って静かだわ…」

銀行の前に立った恭子は、なにかいやな予感を感じた。

「あれ?なんかいやな予感がするわ。あ、早くしないと…」

恭子が銀行に入ると同時に銀行の入り口のシャッターが降り始めた。

「まだ、閉店時間じゃないのにおかしいわね。でもギリギリでセーフだったようね」

シャッターが降りたと同時に覆面をした男がカウンターの上に飛び乗り、猟銃を乱射した。

「おまえら、全員、両手を頭の後ろで組んで壁際に移動するんだ。おまえらは全員人質だ。おい、そこの男。金を出せ、いま出ている現金全部だ」

強盗の仲間がもう一人、人質たちに銃を向けながらフロアーに入ってきた。

「おまえら、動くな!」

恭子はウルトラガールに変身するチャンスをうかがったが、その瞬間はなかった。

「あぁー、もう、まわりに人がいて変身できないわ」

彼女は誰にも聞こえないような小声でつぶやいた。

「…クラーク、聞こえる?銀行に強盗が入ったの。私も人質になってしまったわ。まわりに人がいて変身できないの。助けにきて!…」

そのとき、クラークは原稿を書くためにパソコンにむかっていた。
彼の耳にかすかな、恭子のつぶやきが聞こえてきた。

「…なに?そうか、わかった…。むりするな。今行くゾ!…」

クラークはパソコンを閉じ、突然立ち上がった。

「クラーク、どうしたんですか?」

横にいたジミーは突然立ち上がったクラークの迫力に後ずさりした。

「た、たいへんだ。恭子のいる銀行で強盗だ!」

彼はそういうとオフィスを飛びだした。
クラークは周りに誰もいないかみまわし、廊下のガラス窓から飛び出した。と、同時にスーパーマンに変身をした。

クラークは銀行の上空から中を透視した。

「犯人は3人か。まずはあいつからだな。」

彼はそういうと銀行のガラス窓を蹴破り、中へ飛び込んだ。

”バリン!”

銀行の中で突然響いた窓ガラスの割れる音に悲鳴があがった。
突然降り注いだガラスの雨がやむとそこには、スーパーマンの姿があった。

「おぉー、スーパーマンが助けにきたぞ!」

人質になっていた客たちは歓声をあげた。
スーパーマンは窓際にいた強盗をはがいじめにしたとき、人質になった客にむかい猟銃を構えていた男が1つのペンダントを手に持ちスーパーマンに近付いてきた。
男が手に持っていたペンダントにはクリアーな緑色に輝く宝石がはめこんであった。
男が近付くにつれスーパーマンの意識が薄れていった。やがて彼の身体がフラついてきた。


「よぉ。スーパーマン。そいつの持った猟銃を取り上げることができるかい?」

スーパーマンは猟銃をとりあげようとしたが、腕を取られ身動きができなくなってしまった。

「ヘッヘッヘッヘ。スーパーマン。おまえの弱点のクリプトナイトだ。こんなものは、今じゃ強盗の持ち物の常識だよ。勉強不足のようだな」


「く、くそ。それでなにをするんだ…」

「簡単なことさ。これをおまえの首に下げるだけだよ。ちょったしたプレゼントさ」

男はそういうとクリプトナイトを付けたペンダントをスーパーマンの首に下げた。
スーパーマンは身体中の力が抜けヘナヘナとその場に座りこんでしまった。
スーパーマンから解放された男はスーパーマンの頭に銃を突きつけた。

「いやぁー!スーパーマンが殺されるぅ!」

人質の集団の中にいた恭子は悲鳴を上げ、後ずさりした。…ようなフリをして壁際にさがった。
彼女の後ろには非常口の扉があった。彼女は手探りでドアのノブをつかみ、回してみた。

「どうやらロックしているようね」

恭子はそうつぶやくと、誰にも聞こえないような小声でつぶやいた。

「…クラーク聞こえる?私が外へ出られれば、なんとかするわ。だから他の人の注意をクラークの方へ引いて…」

スーパーマンは恭子の声が聞こえたのか、朦朧とする意識の中で、強盗たちを威嚇しはじめた。

「くそ、おまえら。こらしめてやる」

スーパーマンはフラフラになりながらも、立ち上がった。

「うるせえんだよ。おボッチャンはおねんねしな」

クラークに腕をとられた男は、ここぞとばかりに仕返しををした。

「さっきは、よくもやってくれたな!」

”ボコ!”

男になぐられたスーパーマンは壁にたたきつけられた。
恭子は、人質たちの気がスーパーマンの方へ引き付けられているのを見るとロックされたドアのノブを握り締めた。

”ギュギュッ!”
”カチャ!”

恭子の怪力で握り潰されたドアはあっけなく、開いてしまった。彼女はそっとドアを開け外へ出ようとしたとき、恭子の喉元に拳銃が突き付けられた。見張り役の男だ。

「おっと、お嬢さん、おでかけかい?それより、ロックされたドアをどうやって開けたのかな?」

男はそういうと、ニヤリと笑い引金を引いている指に力を入れた。

「そんなこと、簡単よ。こうすればいいだけじゃない?」

恭子はそういうと喉元に突き付けられた拳銃の重心を指でつまんだ。拳銃のその部分だけが潰れていた。
男は恭子が指でつぶした部分を見て茫然としているだけだった。
そして、彼女は男から拳銃を取り上げ、グイ!と2つに折り曲げてしまった。

「どう?私って力持ちでしょ?だまっていたらわからないわ。私、ハッキリしない人って嫌いなの!」

恭子はそういうと男の股間を蹴りあげた。

”ギャ~~!”

男は悲鳴をあげてその場で倒れこんでしまった。

「ウフフフ。ごめんなさいね。でも、私、あなたの相手をしていられないの。さぁ、クラークを助けないと…」

恭子はそういうと服を脱ぎすてウルトラガールに変身をした。

「やっぱり、私が行かないとだめみたいね」

恭子が変身をした、ウルトラガールは軽く地面を蹴り上げると、勢いよくジャンプをし、あっというまに銀行の屋上に出た。そして、彼女は地面を目がけ飛び降りると空中で体勢を変え、窓ガラスを蹴破った。

”バリン!”


人質たちはガラスの割れた音の方を一斉に向くと、そこにはウルトラウーマン恭子が立っていた。

「おお~、ウルトラウーマンだぞ!」

「かわいい顔の割に、いい身体しているな」
人々は口々にウルトラウーマン恭子の美しくかつたくましい姿に見惚れていた。

「クソッ、なんでお前にはクリプトナイトが効かないんだ?」

スーパーマンには効果てきめんのクリプトナイトもウルトラウーマン恭子には全く通じなかった。

「私はスーパーマンとは身体の構造が違うから、そんな石ころ通用しないわ。悪事もここまでね。さあ、覚悟しなさい!」

ウルトラウーマン恭子はそういうと強盗のライフル銃にヒートビジョンを照射した。

「ウワァ、熱い!」

強盗は思わず、銃を手から放してしまった。
ビュン!

風を切る音と同時に強盗たちは壁に叩きつけられ、気を失った。ウルトラウーマン恭子が目にも止まらぬ速さで、強盗たちに一撃を喰らわせたのであった。

「クラーク、いや、スーパーマン。ちょっと手伝って」

スーパーマンとウルトラウーマン恭子は何故かロビーに転がっていた鉄の棒で強盗一味を縛り付けた。

「クラーク、あとは任せたわ」

恭子はそういうと穴の空いた壁から飛び出し、大空へ姿を消した。

「スーパーマン。あの強い女の子、知っているのか?」

「いや、知っているのはオレより強い事だ。時々、事件現場にオレより早く来て事件を解決している。さあ、みなさん、こっちへ」

スーパーマンが人質たちを解放すると、警官たちがドヤドヤと入ってきた。

「スーパーマン。いつもありがとう」

「いやいや、今回はウルトラウーマンに助けてもらったよ」

そして、その喧騒の中に何事もなかったかのように、元の姿に戻った恭子が現れた。

「クラーク…じゃなかった。スーパーマン、ありがとう!ねえ、背比べしよドキドキ






スーパーマンと背比べをする恭子。まだ身体からはスーパーガールのオーラが見えるようだった。


-第5話おわり- 



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