ある3姉妹の物語
小さい頃、僕の家の隣には3姉妹が住んでいた。
小さい頃は両親が共働きだったので、よくその3姉妹と一緒に遊んでいた。
彼女たちは男優りの運動神経をしていたので、ほかの男の子たちと鬼ごっこやウルトラマンごっこを一緒にやっていた。彼女たちは女の子なので、ウルトラガール3姉妹と呼ばれていた。
一番上、長女の春美ちゃんは、ぼくより3つ上のお姉さん。ちいさいころからいつもいっしょだったので本当のお姉さんのような存在だった。高校を卒業すると都会の会社に就職をしたので、家を出てアパートに住むようになった。僕が1浪をして大学に進学が決まったとき、自分のことのように喜んでお祝いをしてくれた。彼女は「みんなにナイショだよ。」と町の居酒屋でお祝いをしてくれたのだった。
ある日の夕方、僕は待ち合わせ場所の町の模型屋の前に行った。彼女は少し遅れてやってきた。
「ごめん。遅くなっちゃった…」
彼女は空から突然舞い降りてきた。
次女の夏美は僕と同じ年の同級生。見た目はかわいいのに、小さい頃から男勝りでスポーツ万能、頭もよくて成績はいつも学年でトップ。まるでスーパーガールのようだった。いつの日か彼女に憧れを抱いていた。夏美は地元から少し離れた県下でもトップレベルの高校に進学した。時々寝坊をするみたいで、庭先から声が聞こえる。
「あ~、遅れちゃう。いってきまーす!」
こういう日の彼女は制服を着て庭先に出ると、2,3歩助走をつけ、地面を軽く蹴るとまるでジェット機のように加速をして空に向かって飛び出すのであった。
夕方、彼女にあうと僕はこっそり聞くのだった。
「おまえ、今朝、寝坊しただろ?」
「え?なんでわかるの?」
「おまえが寝坊すると、いつも庭先から声がして、そのあとジェット機のような爆音が聞こえるんだぞ」
「エヘヘ。ばれちゃってるんだ…」
三女の冬美は夏美より4つ下の末っ子。僕にとっては妹のような存在だ。気が付けば冬美も高校生、セーラー服がよく似合う年頃になっていた。おっちょこちょいの冬美は時々忘れ物をして家に戻ってくる。
そういうときは決まって玄関ではなく庭先に現れるのだ。
「いけない、わすれものしちゃった!」
冬美は制服スカートをひるがえしながら、庭に舞い降りてきた。
「いやん。スカートがめくれちゃう…」
このまえは近所のガキがしっかり彼女の姿を目撃して、僕に報告してきた。
「ねぇ、おにいちゃん。山下さんちの冬美おねえちゃんって、スーパーガールなの?きのう、おねえちゃんの家の庭に飛んできたところ、見ちゃった」
そういえば、小さい頃、夏祭りの日に不思議なことがあった。
小さい頃は、夏休みになると、夏美たち3姉妹と僕は、夏美のおばさんにつれられてお祭りに行くのが恒例だった。春美おねえちゃんが6年生の時の夏休み、僕は夏美の家に行くとおばさんが着ていた浴衣を脱いでいた。
「あれ?おばさんもいっしょに行くんじゃないの?」
「ごめんね。おばさん急に用事ができて行けなくなっちゃった。春美たちと4人で行ってきて」
その夜、町の銀行に強盗が入ったが突然、スーパーウーマンが現れて強盗たちを退治したというニュースをやっていた。次の日、新聞にスーパーウーマンの写真が載っていたがピントがボケていてあまりよくわからなかった。でも、あのスーパーウーマンは夏美のおばんさんように見えた。
僕が大学に入ってすぐのある日、彼女たち一家は突然引越しをした。
おじさんの転勤が急に決まったらしい。あまりにも急なので住所はあとで連絡してくれることになった。
数日後、夏美から1通の手紙が届いた。
ハガキには宇宙をバックにしたスーパーガール姿の夏美の写真が同封してあった。
-おしまい-
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