日常の中の戦場だ
その場所に広がるのは
鈍麻した感情と嘘っぱちの笑み
それを人は無言で受け取る

その戦場での武器は
経験と世渡り
その戦場での敵は
自分を含めた人間

大義名分の上
死神と手を取り踊る
持つ者は傍観し
持たざる者は刃の上に

上手く渡れる人間は先にゆき
上手く渡れない人間は落ち零れてゆく
それがその戦場の常識で
落ち零れた人間を役立たずと呼んで嘲笑する

その為に犠牲にして来たこと
どれだけあっただろうか
その為にうやむやにして来たこと
どれだけあっただろうか

そんな日常の中の戦場を
労働と呼ぶことにする
頼れるものなど何もない
戦場を僕らは超えて


2012 9/2(Sun) 02:35