手を伸ばしても届かないことを
忘れていた訳ではない
それでもまた掴みそこねたよ
時が動くための尻尾を

陽が沈むときの巨大なオレンジを
握り潰したときに
夜は始まるんだ
そうしてまた独りに戻る

突っ立っていた
無言で過ぎる時を
湿気た空は雨を降らせる気配もさせず
ただ怠そうに停滞していた

その言葉を告げるとき
これからも来るのだろうか
問いかけをしようとして止める
それはきっと


2012 7/31(Tue) 01:34