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<『小倉昌男 経営学』小倉昌男著より>

ヤマト運輸が、創業以来足を向けて寝られないほどご恩になった三越百貨店と五十年以上にわたる取引を宅急便を開始して間もなく破棄したのは、当時の岡田社長の倫理観の欠落がどうにも許せなかったからであった。あんな経営者には絶対なるまい、と心に誓ったのである。
         -p. 290-
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上記は、グロービスの「企業家リーダーシップ」のDAY3のテキストとなっている『小倉昌男 経営学』からの引用である。

※あらかじめ断っておくが、ヤマトの小倉氏とmoguragumoには何の血のつながりもない。
また、ヤマトの創業者である小倉氏の父の名は「小倉康臣」であり、私の父は「小倉康○」とニアミスだが、全く何の関係もない。


成長する上で「こんな人になりたい!」というロールモデルは重要であるが、
一方で「こんな人にはなりたくない↓」という反面教師も同様に重要であると思う。


○あんな人のような、すぐにキレるよう人にはなりたくない。もっと広い心を持った人になりたい!
○彼のような、すぐに周りの意見に流され、権威に屈するようなイエスマンにはなりたくない。しっかりとノーといえる、自己主張できる人間になりたい!

・・・といったように、自分の理想の人間像を形作っていくうえでは、反面教師となる人物が周りにいることが案外重要であったりする。


「いやだなぁ」「相性悪いなぁ」と感じる人も、実は「こんな人にはなってはいけない」と気付かせてくれているのかも。

そういう意味で身近な人を見回せば、ムダな人なんていないかもしれない。


周りに尊敬できる人がいないという人は、逆に「こんな人にはなりたくない」という反面教師を探してみては??

反面教師の反面こそが、実は自分のなりたい人物像かもしれない。


<その他、印象に残った文言>

たとえどれだけすぐれていようとも、経営者の過去の成功体験が、時代が変わって新しい仕事を始めるときに大きな妨げになることがある―。

     -p.29-

経営とは自分の頭で考えるもの、その考えるという姿勢が大切である。

     -p.37-

社長の役目は、会社の現状を正しく分析し、何を重点として取り上げなければならないかを選択し、それを論理的に説明すること、つまり戦略的思考をすることに尽きると思う。

     -p.146-

経営に参画するということは、社員に働き甲斐を与えることだ。


     -p.189-

自分の頭で考えないで他人の真似をするのが、経営者として一番危険な人なのである。

     -p.273-

攻めの経営の真髄は、需要をつくり出すことにある。需要はあるものではなく、つくるものである。

     -p.278-

経営者は、企業が新しいとか古いとかに関係なく、常に起業家精神を持っていなければならない。


     -p.278-

企業の目的は、永続することだと思うのである。永続するためには、利益が出ていなければならない。つまり利益は、手段であり、また企業活動の結果である。

     -p.289-




小倉昌男 経営学/小倉 昌男