今回は癌が発覚し、脳神経外科のJ先生から説明を受けた後(1回目の入院~生検手術まで)のことを書こうと思います。
2023年9月22日 がん発覚の日
原発が肺がん。
脳と骨への転移あり。所謂ステージⅣ。
(この時点ではまだ肺がんが原発の脳腫瘍とは判明していませんでした。)
現実を受け止めきれないまま、手続きを行い入院となりました。
2023年9月24日 現状と今後の説明
家族同席の下、脳神経外科のJ先生からCT・MRIの結果共有と今後の動きについて説明していただきました。
この時の私は現実を受け止めきれずボーっとしていたため、話が頭に入ってこず、内容が右から左に流れ出て行っていたように思います。
(息子のメモを見て、そういうこと話してたなと今になって思い出しました。)
以下、息子のメモです。
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【結論】
現状以下の2パターンが考えられ、
リンパ腫である可能性が高く、
生検手術を行い原因を確定させる。
①リンパ球の増殖による、リンパ腫
②肺ガンからの転移性脳腫瘍
根拠としては以下の通り。
・腫瘍マーカー検査を実施するも、肺がんに関係する数値がすべて正常であった。
※あくまで目安であるため、
確実に肺がんではないとは言い切れない。
・腫瘍マーカー検査で、
リンパ球の数値が異常値であった。
【全身CTの結果】
以下の個所に正常ではないものがある。
・左肺に塊があり、
その近くにも小さいのがいくつかある。
・右足の付け根のリンパ節が腫れている
かもしれない。(断言できない)
・腸骨(ちょうこつ:左の腰骨)が
右側と差異がある。
・脊椎(背骨)の一部に怪しいものがある。
【J先生の見解】
以下の内容を考慮すると、
リンパ腫である可能性が高いと言える。
ただし、肺がんではないとも言い切れない。
・肺について
肺に腫瘍があることを考えれば、
肺がんの可能性がある。ただし、
がん以外でも肺腫瘍があること。
腫瘍マーカーの
数値が正常値であることから、
肺がんとは断言できない。
・頭について
真ん中より後ろに腫瘍(約2.7cm)があり、
画像だけ見ると肺がんからの
転移性脳腫瘍であると考えられやすい。
(一番自然な流れである)
ただし、肺がんだとすると
腫瘍マーカーでわかるはず。
MRIの画像では、
リンパ腫のときは白く映ることがある。
また、腫瘍マーカーの数値を見ると、
リンパ球の増殖があった時に
高くなる項目が異常値となっている。
【生検手術について】
超音波で腫瘍個所を探りながら、
細い針を刺し細胞を採取する。
迅速診断
はっきりした組織であれば術中に決まる。
よくわからないもの特殊なものは、
1週間~10日程度かかる。
リンパ腫、がんの場合は、
ほぼ手術中に決まると思われる。
がんの場合、
肺もがんであることが確定するため、
追加の生検手術は行わない。
ただし、摘出手術が必要となる。
リスクとしては、
手術中に出血をした場合、
後遺症が残る可能性がある。
出血の度合いにもよるが、
最悪の場合、命の危険もある。
小さい出血であれば、
後遺症は残らないと思われる。
【今後の診療】
リンパ腫 or 肺ガン かで方針が変わる。
・リンパ腫だった場合
血液内科で治療。
手術ではなく、薬や放射線での治療。
・肺がんだった場合
呼吸器内科で治療。
腫瘍の摘出手術が必要となる。
難易度が高く、長時間(7h~9h)かつ
精神を使う手術となる。
手術後、
専門家と相談し薬や放射線での治療。
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2023年9月26日 生検手術
1回目の手術。
全身麻酔にて、脳腫瘍の一部組織を採取する手術を実施しました。
手術は全身麻酔下で行われるので、手術室に入るまでは不安いっぱいで「先生、上手くしてね」と祈りながら手術に臨みました。
始まってしまえば、目を覚ますまで何もわからないので、気づけば終わっていました。
ただ、術後、痛み止めの点滴を入れてもらってもズキズキとした痛みや傷口の痛みがあり頭を動かすと痛いし、ふらつきもあり、しんどかったです。
無事手術が終了し、肺がんからの転移性脳腫瘍であることが判明し、肺がんであることが確定しました。
私は術後で同席できませんでしたが、術後すぐ、家族向けにJ先生から結果の説明があったようです。
以下、息子のメモです。
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【結果】
・肺ガンからの
転移性脳腫瘍であると判断。
・肺がんであることがほぼ確定。
・他に転移しているかは、
今後の検査次第だが、
CTで怪しかった部分については、
ガンである確率が高い。
・手術自体は出血なく終了。
ただし、
遅れて出血する場合もあるため、
安心はできない。
【今後】
・脳腫瘍を優先して治療する必要があり、
放射線でコントロールするには少し大きいため後日、
腫瘍を摘出する必要がある。
・近くに大事な静脈があるため、
損傷すると命に関わる。摘出する際、
少し残さないといけないかもしれない
・リンパ腫ではなかったため、
ステロイドを使用し、脳の腫れを取る
・いつ手術するかにもよるが、
少なくとも2,3週間は入院生活となる
【寿命について】
・担当科によって見方が変わるが、
肺から見れば、
肺以外の他臓器に転移していることから、
ステージ4に入る。
・遺伝子タイプによるが、
薬や放射線が効くタイプの場合、
長期間元気でいられる可能性はある。
・現状、脳腫瘍が一番危険である。
・このまま何もしない場合、
2か月で何もできなくなり、
3か月すると亡くなる可能性が高い。
・腫瘍を摘出し、
放射線治療がうまくいけば、
年単位で元気でいられる時間を
確保できる可能性がある。
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2023年9月26日 詳細説明
家族同席の下、脳神経外科のJ先生から手術結果と今後の治療方針を説明していただきました。
生検検査の結果、肺がんが脳や骨へも転移している旨とALK陽性であると判明したことを伝えられました。
ここから呼吸器内科のM先生が合流し、J先生に変わって説明をしていただきました。
家族含め全員「ALK陽性とはなに?」の状態だったのですが、どうやらALK陽性に適応のある分子標的薬(アレセンサ)があり、その薬は肺だけでなく骨にも脳にも効くとのことでした。
普通、脳に薬は効きにくいらしいですが、今回脳腫瘍の摘出手術は行わず、アレセンサを服用し、様子を見ることになりました。
私含め家族全員が「えっ。そんな都合の良い薬があるの?もしかして凄くラッキー?」と思い、先生の言葉を受け止めました。
(余談ですが、脳神経外科のJ先生によると、ALK陽性と判明したとき、呼吸器内科のM先生が喜んでいたらしいです。その時はまだ詳しい説明を受けていなかったため、喜ぶ理由にあまりピンときていませんでした笑)
その日からアレセンサの服用を開始しました。
(ちなみにこのアレセンサ、1カプセル1万円ぐらいするビックリ金額のお薬さんでした...)
以上が生検手術までの出来事でした。
次回は入院中~退院までのことを書きたいなと思っています。
それではまた(^^)/