次男の夢の一つが犬を飼うことだ。
とのが大の動物嫌いなので、この家を出ない限り叶わぬ夢かも知れない。
わたしも犬は好きで飼っていたこともあるが、今は、男衆3人の世話で十分である。
今年は戌年。
次男は、友人への年賀状に犬を描いていた。
「かーちゃん、見て。」
「お、かわいいね~。 ・・・・・ん?
あのさ、この絵、どこかおかしくない?」
「へ?・・・・」
「このワンちゃんは、どちらからきたのでしょう?」
「・・・・・あ、足跡が変だ!」
「ふふふ。 気がついたかね。」
「ま、いいや。大丈夫。大丈夫。」
彼の『大丈夫』は、かなり曖昧である。
根拠のない事も多い。
けれど、なぜか、ほのぼのとあたたかいのだ。
彼の友人が、逆の足跡に気付いたかどうかはわからない。
気付いても、きっと
「あいつらしいなあ。」と笑ってくれるのだろう。
「年賀状、どうもありがとう。
今年もよろしく。
絵、うまいなあ。」
という年賀状が返ってきていた。