今回は夕張鉄道 栗山町編です。

栗山駅-新二岐駅間の駅跡を訪ねてみました。(写真は2021.9、2021.12、2022.9 秋夏が入り交じっています)

↓前回は、江別市~南幌町~長沼町


【夕張鉄道】
北海道炭礦汽船(北炭)が夕張の石炭を産出するために設立された炭鉱鉄道
北炭の子会社 夕張鉄道株式会社が運行
(廃止の前年に親会社の北炭に譲渡)

江別市野幌駅から夕張市夕張本町駅を結んでいた路線
1926(大正15)年 夕張鉄道 開業
1930(昭和5  )年 夕張鉄道 全線開業
1972(昭和47)年 新夕張炭鉱 閉山
1975(昭和50)年 北炭平和炭鉱 閉山
1975(昭和50)年 夕張鉄道 廃止

夕張鉄道廃止後は多くは農地、住宅街へと変化している。

栗山町

長沼町まで夕張鉄道廃線跡になっているきらら街道(空知南部広域農道)を通り栗山町へ


夕張川を越えると、

小林酒造の酒蔵群が見える。


栗山駅(くりやま)
元夕張鉄道線接続駅
現在は室蘭本線のみ乗り入れている。

1893年北海道炭礦鉄道の駅として開業
1926年夕張鉄道が栗山駅と新夕張間(のちの夕張本町)が開業し接続駅となる。
1930年野幌駅-栗山駅開業 夕張鉄道全線開業 1975年夕張鉄道線全線廃止

2000年に建て替えられ、町の交流施設「くりやまカルチャープラザEKI」と合築した総合駅舎となる。

駅舎は左側
夕張鉄道の線路は、 木の生えているところ(右奥のホーム右側)にかつてはあったが、現在は隣にあるコンクリート工場の資材置き場となっている。またコンクリート工場とは専用線があった。
夕張鉄道の線路は室蘭本線を橋で上下交差し、角田駅 夕張に向かっていた。(下部分)
現在、栗山駅での夕張鉄道の痕跡はその橋台と堤防 右片方のみ残っている。

「くりやまカルチャープラザEKI」内に旧栗山駅の駅舎の写真と旧駅舎の跨線橋に使用された古レールがあったが、栗山駅にあると勘違いし見つけられなかったので、今度また行った時に探してみます。

栗山駅近くにある小林酒造
炭鉱マンのお酒を作っていた酒造
夕張鉄道のレールが払い下げられ、倉庫の骨組みに現在でも使用されている。
レールを使用しているため、駅のホームにも見える。

角田駅(かくた)
(跡形無しのため未訪問)
現存は住宅地

継立駅(つぎたて)

現在は建築会社の事務所として現存
ホーム側は昔の面影が残っている。
鉄道防風林が残っている。

※追記 新二岐駅は2023年2月15日~17日にかけて解体され、現存しません。
新二岐駅(しんふたまた)
左右対称が美しいモダンな駅舎
ギャンブレル屋根

廃止後は、角田炭鉱の閉山後、跡地で露天堀りをしていた栗山炭鉱の事務所や障がい者自立支援施設に使用されたが、現在は放置され廃墟状態となっている。

ホーム側
改札は右側白くなった壁部分にあったが、
リフォームされ封鎖されてしまった。

新二岐駅敷地内にある
新二岐駅から分岐していた角田炭鉱専用鉄道
角田炭鉱電車軌道跡※ピンポケ

※看板と同じ文章が書かれている。

炭鉱労働者や家族を新二岐駅に輸送のため、電化され路面電車が走っていた。

次は夕張市 錦沢駅
スイッチバック、錦沢遊園地
夕張 炭鉱町の行楽地 錦沢遊園地があった。
鉄道廃止後は、サイクリングロードとして、整備されたが、トンネル老朽化のため、夕張市高松から平和間のみが利用可能で、錦沢周辺は訪れる人も少なく、現在は元の静かな山へ帰っている。

平和駅、礦業所前駅、夕製前駅、若菜駅、営林署前駅、鹿ノ谷駅、末松駅、夕張本町駅へ続く

いつか訪れたら書きたいと思います。
錦沢駅は山なので、無理そうです。クマ……怖い


夕張鉄道で活躍した蒸気機関車
【夕張鉄道の保存車両】
夕張鉄道が走行していた栗山町と長沼町で夕張鉄道の蒸気機関車が保存されている。

栗山町 栗山公園

夕張鉄道21号
夕張鉄道自社発注機(私鉄機)
国鉄9600形と同形機
9600形最終製造車
1941年製造
1975年廃車
入線から廃車まで夕張鉄道で働いた。

屋根付きで保存されているが、長い間整備されてないためか、塗装が剥がれボロボロの状態
煙室ハンドルは欠損、前照灯のレンズは取り替えられている?
レールは夕張鉄道に使用されたもの
運転席は解放されて、自由に触れることができます。


長沼町 ながぬまコミュニティ公園
夕張鉄道25号(旧国鉄49694)
国鉄9600形 49694として、1921年製造
青森や北海道各地を転々とした後、1961年夕張鉄道に払い下げ、夕張鉄道25号として使用 1975年廃車

以前は、塗装が剥がれボロボロだったようだが、ここ5年位前に再塗装されて、ピカピカになったが、25号上まで屋根が伸びてないため、痛むのは早そう。
運転席は封鎖され入れないようになっている。

説明版は同じ文章のものが2枚
25号下にあるのは、"夕鉄25号"と"495"番目が上から訂正しているが、
もう一方にあるのは、なぜか訂正されていない。

他、12号(江別市 山田コレクション)、14号(夕張市 石炭の歴史村 SL館)、24号(深川市 個人所有 現9645)が保存されている。

これらの蒸気機関車たちが夕張から江別を通り、小樽や室蘭まで石炭を運んでいた。