田村泰次郎さんの『男鹿』を読みました。


田村泰次郎さんは『肉体の門』が一番有名かと思いますが


私は戦争文学(って言うのか分かりませんが)を


好んで読んでいます。


選集も出ていますが図書館でもあまりなく


文学全集とかに載っているのをちまちま読んでいます。


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田村泰次郎(1911~1983)

『男鹿』1964年「群像」に発表


復員後、焼け跡の東京で殺人犯となった戦友は、天城の稜線に姿を消した。元刑事の訪問を機に、「私」は旧友の足どりを追い始めるが…。謎めいた精神の軌跡を描いた田村泰次郎の『男鹿』。(裏表紙より)


「あの男は鹿になりましたよ。牡の鹿にね」


ある冬の寒い日に尋ねてきた元刑事は「私」に言った――


戦友と言っても「私」より9つ下の部下だった大木戸登。


彼の中に自分と近いものを感じ深い親愛の情を感じていたが


ある日見せた彼の残忍な一面に戸惑いその存在を不気味に思い始める・・・


復員し、妻帯して子どもをもうけそんな事はすっかり忘れていた「私」は


元刑事の訪問をきっかけに彼の復員後の生活を追う。



と、言う話ですが自分の中にある目を背けたい部分を自分でつついて


追って行く話かな~と。


どうなるかちょっとドキドキで読みましたが、私の想像したラストと違ってほっと一息。


何にせよあまりラストとか物語としての最後は関係ないような話でしたが・・・


戦地で大木戸はときたま手帳に何かを書き付けていて


 「書く」という行為が、戦場ではひどく人間的に思えた。


と言う一文が印象に残った作品でした。


好きじゃない人にはまったく興味ない話かも??



まんまる横丁滞在中

一人の無口な男が何の因果か山に登らなくてはいけなくなり

ひたすら登り続ける話。

で、鹿になっちゃう

みたいな話かと・・・