■長崎外国語大学(長崎市横尾)

 

長崎の街なかからバスに揺られて40分。坂の急な谷あいチックな停留所で降りて住宅街の坂を上っていく。

 

 

登り切った先に見えてくる。

 

 

眺望はよい。海を見下ろす。

 

 

とはいえそれは長崎の市街地ではなく、山を越えた北側、時津町の海が見えるのだ。

 

 

似たような立地条件として長崎純心大学があるのだが、純心はカトリックのミッション系。こちらはプロテスタントのミッションだ。

 

 

歴史風味多めのカトリック系とは異なりプロテスタント系はシンプルに現代建築で攻めることが多い。ここもそう。

 

 

でも微妙にアーチがあしらわれていたりするが。

 

 

淵源は1901年設立の長崎YMCAにさかのぼる。1947年に長崎外国語学校を創設した。

 

 

50年に短大を作り、96年に現キャンパスに移転。

 

 

2000年に4年制の大学と相成った。

 

 

 

  交通メモ

 

長崎外国語大学

 

住所: 長崎市横尾

 

バスの本数は不自由ない。見に行くなら長崎大・文教キャンパスとセットで行くのがお勧めか。長崎の北側の山手には外大、純心大、県立シーボルトの3校があるが、どれも街なかからのバスは十分だが、「ヨコ」の移動はなかなか不便だ。

■番外・豊岡市役所(兵庫県豊岡市中央町)

 

1927年竣工。設計は大蔵省営繕出身?の建築家・原科準平。

 

 

見れば見るほど、謎めいている洋館だ。

 

壁面装飾はアールデコながらもクラシカルな芯は残した「お役所的な建物」。

 

 

なのに、壁の塗りは、なぜか「民家風」のスパニッシュ。

 

 

コーニスの上に3階が展開し、その上に瓦屋根。

 

だいたい、この屋根は何だ。

 

 

左右は寄棟屋根なのに、中央部は一段高くなった切り妻屋根だ。

 

という、あまり見ない感じの建物になったのも訳がある。

 

 

竣工当時は、2階建てで中央の塔屋部のみ3階建てという、典型的な庁舎建築だったのだ。

 

ところが、戦後に3階部分を増築したため、今のような謎建築となった次第だ。

 

 

と、なんだかケチを付けてしまったような書き方になるが、いや、これが良い感じの建物なんですよ。

 

2014年に新庁舎が作られた際も、挽き屋で移動の上、新築ピカピカ風に補修され、保存された。

 

 

しかも、よくあるように、「申し訳なさそうに、端っこに保存」ではなく、あくまで主役として据え付けた。

 

その周囲に、新庁舎を建て増した、というわけだ。

 

 

この手のレトロ建築、「ピカピカ補修」には「味わいがなくなり」との反対意見が出ることも少なくなくないのだが、僕は「アリ」だとおもう。

 

少なくとも、明治大正昭和初期の人たちは、「ピカピカの洋風建築」を見て、「やっぱり、世界ってすごい!」と感動したはずなのだから。

 

なお、新庁舎はまあね、ってかんじ。

 

 

さらになお、道を挟んで向かい側には、渡辺節設計の旧兵庫県農工銀行豊岡支店。1934年。

 

 

現在はホテルやレストランとして使われている。

 

渡辺節は関西で活躍した建築家で、村野藤吾の師匠。

 

 

さらにさらになお、新庁舎建設時に取り壊された旧南庁舎は、吉田鉄郎の設計だった。旧東京中央郵便局(現KITTE)の設計者だ。

 

というように、市役所周りはビッグネームがそろい踏みだ。

 

ところで、豊岡はレトロな建物が多い。人呼んで「復興建築の街」だという。

 

関東の人からすれば、「復興建築」は1923年の関東大震災で、ということになるんだろうけれど、関西(の一部地域)的に言えば、1925年の北但馬地震で、ということになる。

 

豊岡・城崎地方をほぼ壊滅に追いやった、M6.8の大地震だ。

 

というわけで、豊岡市内には、今なお「復興建築」と呼ばれるレトロな建物が山ほど残っている。

 

 

市役所もその一つだが、大部分の復興建築は、いわゆる「看板建築」だ。

 

 

ほんとにいっぱいあるで。

 

 

おまけに城崎温泉も。

 

 

豊岡からJRで二駅。

 

 

良いお湯でした。

 

  交通メモ

 

豊岡市役所(兵庫)

 

場所: 兵庫県豊岡市中央町

 

JR大阪駅から特急はまかぜや、こうのとりなどを利用して、豊岡駅まで3時間ぐらい。駅から徒歩15分で市役所に到着。ついでに、豊岡駅からさらに2駅で城崎温泉駅へ。外湯巡りが楽しい、良い温泉だ。ここを舞台にした志賀直哉「城崎にて」は、異世界転生系ノベルの先駆けとしても知られる。「山手線にはねられ、気が付いたら温泉に飛ばされ…」という話だ。

 

 
 
 

■秀明大学(私立・千葉県八千代市大学町)

 

住所は大学町1丁目1番地。すごい!

 

 

でも町の中心にあるわけではなく、畑の中に浮かんだ新興分譲住宅街の端に位置する感じだ。

 

 

キャンパス的には大学というより、高校と公団団地のあいの子的。

 

 

ますますわかりにくい表現だが、キャンパスの半分は学生寮。これがもう、ワンルーム団地にしか見えない作りだ。

 

 

いや、団地は原則としてファミリー向けなんだけど、単身者棟というのも昔はあったのだ。

 

 

まあ、基本として白い。

 

 

芝生。公園。

 

 

モダニズム?

 

 

 

大学のおかげだろうか。そば(というほど至近距離ではないが)にラーメン屋とマックがある。

 

 

もちろんA級キャンパスではないが、意外によかった。

 

 

 

  交通メモ

 

秀明大学(私立)

 

住所: 千葉県八千代市大学町

 

アクセスは悩ましい。とりあえず大手町駅から東西線で40分、八千代中央駅で下車。バス20分と徒歩30分で到着。マックで腹ごしらえをして、さらに北へ徒歩40分。京成成田アクセス線の千葉ニュータウン中央駅へ向かう。駅近くに東京基督教大学がある。自然豊かな昼下がりのピクニック気分だ。

 

麻布大学(私立・神奈川県相模原市) 

 

(写真と文章を全面的に入れ替えました) 

 

気持ちのいい公園、じゃなくて、キャンパスだ。 

 

 

町田乗り換えでJR横浜線の矢部駅。新宿から約1時間。それなりにピクニック気分。 

 

 

何とも郊外感を漂わせた駅のそばにキャンパスはある。 

 

正門を入るといきなり左手に馬場。さすが獣医養成大学。 

 

 

ちょうど馬術部が練習していた。てくてく歩く馬に癒やされる。 

 

 

 

右手にはメーンストリートが一直線。 

 

 

年季の入ったイチョウ並木に伴われ、左側にはベンチの列、右向こうにはグラウンド。野球部が練習している。金属バットの音。 

 

 

さらに進むと交差点。その向こうには広々とした広場とベンチ。ドッグランもある。 

 

 

癒やされる。 

 

さらに向こうには素敵な建物が見えるが、これは大学とは関係のないマンションだ。見て楽しむ。 

 

広場の左右は獣医学部と生命・環境科学部の二大校舎が固めている。 

 

 

 

学生数2600人。キャンパス面積は11万平米。なかなかの広さだ。 

 

広場もベンチも学食もなかなかだし動物がいる(ときもある)し、大学博物館「いのちの博物館」もあるし、なかなかなところではないだろうか。 

 

とまあキャンパス散歩はこんなところにしておいて、大学の歴史を振り返ってみたい。 

 

前身となる東京獣医講習所は明治23年創立。かなりの歴史を持つ伝統校だ。 

 

創立者の與倉東は東京農林学校(現・東大農学部)の教授だったが、三田にあった農林学校が駒場に移転することになった際、「交通が不便で通えない」という学生たちの要望に応え、三田と駒場の中間地点?の広尾(麻布)に獣医学校と附属病院を建てた。

 

 

そう、昔は中央線も井の頭線も山手線も東京メトロも何もなかった。

 

駒場はウルトラへき地で、周りにだれも住んでいないから工場とか農園とか畜舎とかバンバン立てちゃえ、という扱いだったのだ。 

 

 

広尾だって江戸時代は「狸が出る原っぱ」ではあったのだが、ギリギリで「江戸の市街地」からの徒歩通学圏内だったのだ。

 

そしてその広尾、明治後期に入ると外国大使館が立ち並ぶシャレオツ住宅地として開発され始めた。 

 

 

その結果、どうなったか。 

 

明治27年(1894年)に麻布獣医学校と改名していた獣医講習所。その附属病院は各国の外交官夫人や令嬢、そして皇族に華族がペットの犬や猫の健康診断にやってくるシャレオツスポットになっていたのだ。 

 

 

「麻布へ犬猫の治療に連れていく」「待合室で飼い主同士、社交トークを楽しむ」ことがセレブのたしなみとなったのでありました。 

 

戦前の獣医は、基本的に富国強兵。農村を支える牛や軍隊に不可欠な馬を治療する獣医の養成が獣医学校のメーンの任務だったのですが、麻布獣医学校だけは全く校風が異なり、「犬猫の医者になるなら麻布」と称され、東京近辺のペットの医者は9割がた麻布出身。

 

 

そんな時代が訪れたのでありました。 

 

なのですが、第二次世界大戦で校舎が全壊し、戦後の1947年に港区麻布から現キャンパスに移転、再建を目指すことに。 

 

というわけで、現キャンパスにセレブでレトロな由緒正しい建物が残っていないのはいささか残念なところだ。 

 

というわけなので、淵野辺なのに「麻布」とはこれいかに?などと突っ込んではいけない。歩いて20分ぐらいのところには淵野辺なのに「青山」学院大学の相模原キャンパスもあるんだし。 

 

あと個人的には、正門手前にある県青少年学習センターの建物が気に入った。 桜美林大の学生が描いた壁画もある。

 

 

  交通メモ 

 

麻布大学(私立) 

 

住所: 神奈川県相模原市中央区淵野辺

 

新宿駅から小田急線で町田へ。JR横浜線に乗り換え矢部駅下車、徒歩3分。全部で1時間弱。桜美林大と青山学院大が(そこそこ)そばにある。ご一緒にどうぞ。

 

■常葉大学・浜松キャンパス(浜松市北区都田町)

 

静岡県内に広く展開する学校法人・常葉グループの大学部門で、1988年に設立された。

 

 

 

当初は浜松大という名前だったが、2016年にグループ3大学(浜松、常葉、常葉富士)が合併し、今の名前に変わった。

 

 

 

経営学部や健康プロデュース学部などが入る。

 

 

有名なのはスポーツ部門だ。

 

 

サッカーの長谷川健太が引退後、最初に指導者として迎え入れられたのがここのサッカー部。

 

 

はっきり言って、とてもではないが強豪校とはいえない存在だったが、長谷川監督の下で見る見るうちにレベルアップ。

 

 

県内有数の強豪校にランクアップした。

 

 

長谷川政権が育てた主な選手としては、EXITのりんたろー。などが有名だ。

 

 

建物は、ラスタータイルが輝く本館と、円筒形の講堂が特徴的。

 

 

 

  交通メモ

 

常葉大学・浜松キャンパス

 

住所: 浜松市北区都田町

 

JR浜松駅からバスで40分。本数は結構多いので心配無用。都田口北口バス停で下車し、徒歩15分。ついでと言っては何だが、東海道線に並走?するローカル鉄道「天竜浜名湖線」(掛川~新所原・どちらも東海道線の駅舎に乗り入れ)乗り潰しのついでにキャンパスに立ち寄る手もある。その場合、同線常葉大学前駅で下車。

■番外・長崎県庁(長崎市)

 

戦前のレトロ県庁は爆風被害にあったため、戦後早々になかなか表現派チックでありつつもバウハウスの香りも感じさせるステキ県庁が再建されたのではあるが、2018年に最新型の県庁が落成した。

 

 

設計は日建設計のCDO(チーフデザインオフィサー)山梨知彦。ホキ美術館などを手掛けたことで知られる。

 

 

 

ま、見ての通りのおしゃれ県庁だ。

 

 

 

細かく分節。

 

 

 

のっぺりしないよう、複雑に方向を組み替える。

 

 

もちろん木材(チックな素材)もばっちり。

 

 

内装もシャレオツ。

 

 

 

 

最上階には展望ルームもある。

 

 

 

庭もきっちり。

 

 

いずれも、対岸から眺めてくれよなってことだろうけれども。

 

 

長崎新幹線のホームも見える。おしゃれですなあ。

 

 

まあとにかく、おしゃれで現代的だ。

 

 

そうとしか表現できないし、そうとしか表現することもない感じだ。

 

 

 

  交通メモ

 

長崎県庁

 

住所: 長崎市尾上町

 

JR長崎駅徒歩10分。まずはここを観光してから、グラバー邸とか見に行くのがいいのではないだろうか。長崎は見どころ満載。最低2泊は必要だ。あとは佐世保で1泊かな。もう一泊伸ばしてハウステンボスに行ってもいい。

■新潟産業大学(私立・新潟県柏崎市軽井川)

 

JR信越本線の安田駅からスクールバスが出ている。歩けば30分少々か。

 

経年変化か元からなのかは不明だが、サーモンピンクっぽい色合いの校舎がぐるり外壁となって中庭を囲んでいる、というキャンパス配置だ。

 

 

 

その庭は、なかなか悪くない。

 

 

ちょっとだけ象設計集団の進修館を思い出させるものがある。

 

 

ありがちな左右対称、幾何学的な構成ではなく、バロックだ。

 

 

 

遠近感を上手く強調している。

 

 

 

裏手に回ると、芝生の向こうに校舎を眺めるポジショニングとなる。

 

 

訪問したのは夏真っ盛りだったのだが、すでにというか、未だにというか、紅葉がきれいである。どうしたことか。

 

 

この大学、1947年開学の柏崎専門学校が、58年に新潟短期大に昇格。88年に四年制大学となった。

 

 

創立者は地元出身の実業家、下条恭兵。

 

 

ちょっと変わっているのは、社会党の参院議員を1期やっていると言うところか。

 

 

ちょうど開学当時、47年の参院選で当選している。

 

 

その後は二回続けて落選し、企業経営と大学運営の方に専念したようだ。

 

 

というわけで、地方のオーナー色の強い大学としては珍しく、教員にリベラル色が強いようだ。

 

 

少子高齢化のあおりで学生集めが大変なようで、現在は市に公立大学化を打診中。

 

 

さて、どうなるか。

 

 

  交通メモ

 

新潟産業大学(私立)

 

場所: 新潟県柏崎市軽井川

 

JR安田駅から徒歩30分。おすすめは柏崎駅から市役所・文化会館経由で新潟工科大へ向かい、その後、新潟産業大に転じるお散歩コース。ほぼ半日仕事になるが、健康にも良さそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

■ルーテル学院大学(東京都三鷹市大沢)

 

三鷹というか武蔵境。ICU、東京神学大、ルーテル学院大のミッション3校が集まった一角がある。

 

 

プロテスタントの生みの親、マルティン・ルターの名前を取って作られた大学だが、学生のほとんどは非クリスチャン。

 

 

そこんところはお隣ICUも同じ。

 

 

授業内容も社会福祉系だ。

 

 

ちなみに、お隣の東京神学大はガチの牧師養成校で、入学には所属教会の推薦が必須だ。

 

 

元々はこの大学、戦前から各地にあった牧師養成校が合流して、1964年に日本ルーテル神学大学として開学。

 

 

しかし1996年にルーテル学院大に校名を変更。

 

 

21世紀にはいると一般大学化に舵を切り、牧師養成は併設の神学校で行うようになったようだ。

 

 

ということはさておき、入り口からカーブを描いて進む歩道は青々とした芝生に囲まれ、その向こうに村野藤吾設計の礼拝堂と本館。

 

小さいながらもいいキャンパスと校舎だ。紋切り型の表現だが。

 

中東の、例えばアレッポとか、そんなあたりの修道院はこんな感じなのかしらん?

 

 

  交通メモ

 

ルーテル学院大学

 

東京都三鷹市大沢

 

新宿駅から中央線快速で21分、武蔵境駅で下車。さらにバスと歩きで15分ほどで到着。

お隣ICUは大変に広大だが、ルーテルはコンパクト。二つ合わせてちょうどいい感じ。

■開志専門職大学(私立・新潟市中央区紫竹山)

 

2020年開学の大変新しい学校だ。

 

 

正確には大学ではなく、専門職大学という新しい区分の学校なのだが、まあ良いとしよう。

 

 

事業創造学部、情報学部、そしてマンガ学部で構成されている。

 

 

とまあ、それはさておき、キャンパスというか、校舎だ。

 

 

何ともまあ、個性的。

 

 

というほど、個性的でもないが、令和のニッポンでこのセンスはただ事ではない。

 

 

テーマパーク的というにも、何がテーマなのか、モチーフが見当も付かない。

 

 

情報が無くてよく分からないのだが、新築ほやほや、といった建物ではなかった。

 

 

平成の初めごろに作られた建物を改修転用したのだろうか?

 

 

謎だ。

 

 

  交通メモ

 

私立・開志専門職大学

 

場所: 新潟市中央区紫竹山

 

新潟駅南口からバスで7分。弁天橋停留所で降りて、スグソコ。となりにある医療専門学校は、経営母体が同じ。観光名所が他にもそばにあるわけでもないので、見終わったら新潟駅に歩いて帰る、ぐらいか。

 

 

 

 

 

 

 

■長崎総合科学大学(長崎市)

 

キャンパスは山の急斜面に位置するメーンの「グリーンヒルキャンパス」と閉鎖された長崎水族館を買い取ったサブ敷地「シーサイドキャンパス」の二つに分かれている。

 

まずはシーサイドから。

 

 

 

 

現在は大学と付属高校が使用しているが、その建物は菊竹清訓の師匠筋にあたる早稲田建築の武基雄教授による設計。

 

 

 

コルビュジエっぽい系統のデザインだ。

 

 

 

としか言いようがないなあ。

 

 

そんなに広い敷地ではないのですぐ見終わるだろう。

 

 

 

というか高校兼用の敷地なので、ささっと遠慮がちに撫でるように眺めるのみだ。

 

 

休日に行ったから誰もいなかったけど。

 

 

でまあ次はグリーンヒル。シーサイドから10分ぐらい坂を上ると到着だ。

 

 

 

キャンパス内に入ると、坂の斜度は急激に厳しさを増す。

 

 

ローリングストーンがふもとまでノンストップで転がり落ちるにあたってブレーキは用をなさないであろう、感じだ。

 

 

 

でも逆に言うと、眺めはいい。

 

 

 

眺望は抜群だ。

 

 

 

 

正直、建物自体は一部を除いてそれほど個性的というわけではないのだが、程よく品がいいし、その眺望は唯一無二だ(というと褒めすぎかも)。

 

 

 

ちなみに、こちらが「個性的」な校舎。

 

 

ぐんぐん上る。

 

 

 

そこには体育館。

 

 

さらに上ると船舶試験用水槽棟がある。

 

山のてっぺんに船を作るための水槽がある。とてもシュールだ。

 

長崎は造船の町で、例えば戦前には戦艦武蔵が作られたりもした。

 

 

最盛期には三菱重工長崎造船所に匹敵する生産能力を誇った地元大手「川南工業」が技術者養成のため、戦時中の1943年に川南高等造船学校を開設した。

 

 

1945年に長崎造船専門学校と改称し、1950年には長崎造船短期大学を開学し、1965年に長崎造船大学に昇格。

 

 

1971年に川南工業が破産したせいなのか、1978年には長崎総合科学大学へ改称してしまった。

 

 

川南工業はタロとジロの南極物語の舞台となった南極観測船「宗谷」を建造したという実績がある。なんと。急に親しみがわいてきた。

 

 

 

  交通メモ

 

長崎総合科学大学

 

住所: 長崎県長崎市網場町

 

JR長崎駅からバスで30分、さらに徒歩で10分。長崎中心街から一山越えた場所で、なんというか、まったく別の海域に属しているような感じか。旧長崎水族館はおおむねこの大学に買い取られたが、一部はペンギン水族館として営業中。結構にぎわっていた。