■京都市役所(京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町)

 

史上名高い「本能寺」の真向かい。日本でもトップクラスに執念深いことで知られるあの方の怨念が漂ってそうだ。

 

昭和二年(1927年)竣工の鉄筋コンクリート造。

 

 

行って見て思ったのは「いったいこの装飾は何なの?」。

 

 

建物自体は、これはこれでそれなりによくある、バロック系昭和庁舎建築なのだが、棟屋がトップヘビー。

 

しかも、アンコールワットからはがしてきたみたいな飾りが「突然」付いている。

 

 

突然、としか言いようのない唐突感。

 

中に入ると尖頭アーチのカーブぐあいが何かおかしい。大体、なんで役所なのに尖頭アーチ?

 

 

であるのであるが、あとでググって疑問は氷解した。氷解したが、こういうデザインにしたことに納得したわけではない。

 

 

まあとにかく、意匠設計は武田五一。書類上は「顧問」として、教え子の中野進一を監修しただけになっているが、字面通りに受け止めるべきではないだろう。

 

 

京大建築の創設者で、関西建築界のドンが、大学を出たばかりの教え子を監修するとは此れ如何に、ということだ。

 

 

装飾のコンセプトはインド・イスラム。なるほど、インド装飾とイスラムアーチか。

 

 

伊東忠太の築地本願寺が脳裏に浮かび上がる。

 

京都=仏教=インド・イスラムの流れなのか?

 

他にも舟肘木っぽい作りとか、日本的造形もちりばめられている。

 

棟屋についているタレット(小塔)風飾りも、筆をモチーフにしたものだという。あんまりそうは見えないけれど。

 

 

ま、インパクトもあるし、面白いデザインの建物で良いと思いますけど。

 

あともう一つ言えるのは、外側もだけれども、内側もきれい。現役の役所として使われているだけでなく、きれいに修繕されていてピカピカ。

 

屋上は開放庭園。

 

 

 

  交通メモ

 

京都市役所

 

住所: 京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町

 

JR京都駅からバスで20分。鴨川沿いをぶらぶら30分も歩けば京大病院。やたら広大な京大キャンパスも一緒に見て回るのがおすすめだ。