■名古屋工業大学(愛知県名古屋市昭和区御器所町)

工学部のみの単科大学。

 



前身は名古屋高等工業(名古屋工専)で、1905年、日本で4番目に設置された工業専門学校だ。

 



ちなみに、一番目に出来た高工は東京(現・東工大)で、二番目は大阪(現・阪大工学部)、3番目は京都(現・京都繊維工芸大)だ。

 



戦後、ここは名古屋帝大と合併して、新制・名古屋大になると思われたのだが、独自路線を貫いて合併を拒否。単独で大学に昇格した。


それが吉と出たか凶と出たか何とも言い難いが、名古屋で就職するなら苦労はしない大学だ、ということは間違いないだろう。

 



それはさておき、建築的には大変な名門だ。


官立の教育機関では、東大の次に建築学科が創られた学校。

 



夏目漱石の相婿としても知られる鈴木禎次教授のしごきの下、朝霞宮邸や学習院大を手掛けた権藤要吉、横浜国大建築の初代主任教授を務めた中村順平をはじめ、結構なつわものが続々だ。


さてそのキャンパスは、市民憩いの場・鶴舞公園からほど近い街の中。



そんなに広くはないが、学生数4000人の単科大学と考えると、ぜいたくな敷地だろう。

入り口から入ると、前庭と、その上を巡る円形の空中回廊。

二号館が良く見える。

キャンパス内には古墳もある。一本松山古墳。

登ると留年するとの言い伝え。要注意だ。





■交通メモ


名古屋工業大学


住所: 愛知県名古屋市昭和区御器所町


JR名古屋駅から電車と徒歩で30分。すぐそばに名古屋の日比谷公園とも言えそうな鶴舞公園。園内にはレトロ建築の市公会堂などもあるので、名工大とセットでぶらぶら建築散歩が楽しめる。