■静岡大学・浜松キャンパス(浜松市中区城北)
横に長い静岡県。キャンパスは静岡市と浜松市の二か所に分けられている。
静岡市にあるのは、人文社会・理学・農学系。
戦前の旧制静岡高校と師範学校、青年師範が母体となった。
一方の浜松キャンパスは、旧制浜松工専が源流で、戦後に工学部となった。
さて、もともとは県内各地に校地が点在していたが、1970年に駅南の現キャンパスに移転統合することになった。
磐田にあった農学部は静岡に移転したが、浜松は拒否。
ということもあって、歴史的建造物はなく、どちというわけで、現在も浜松・静岡の二本立て体制だ。
それだけでない。
1974年設立の県立浜松医科大。
県議会は静岡大医学部として、静岡キャンパスに設置することで合意したのだが、県西部(磐田市)が地盤の県知事は無断で国に、「県西部」への設置を申請。
その結果、浜松に作られることになった。
収まらないのが県中部・東部の県議たち。
色々あって、知事は任期途中で勇退することになった(あくまで自発的に、ということにはなっているが)。
ま、一事が万事で静岡県は地域間対立が根深い。
ちなみに現在、浜松医大と静岡大の2国立大学で合併交渉をしているのだが、これがまとまらない。もめている。
というと、浜松医大が静岡大に吸収されるのを嫌がっているように思うかもしれないが、さにあらず。
静岡大工学部(浜松)と浜松医大は静岡大学から独立して「西静岡大学(仮)」を作り、残った「東静岡大学」と対等な存在として、「アンブレラ方式」で持ち株会社の下にぶら下がろう、と主張している。
つまり、浜松側の分離独立構想なのだ。
これに対し静岡側が主張するのは、みんな合体して一つの大学になり、本部は静岡キャンパスに置こう、というプラン。
そう簡単には話はまとまりそうにない様子なのだ。
交通メモ
静岡大学・浜松キャンパス
住所: 浜松市中区城北
JR浜松駅からバスで20分かからないぐらい。まあ、街中と言ってもいいロケーション。浜松城や浜松市役所などとご一緒にどうぞ。ちょっと歩くけど、静岡文化芸術大も見に行く価値あり。